たまたま脆弱性検査担当者になって、仕事がらみで日々感じる雑感

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悪夢の続き-電車の中で

(このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。)
 
今日が人生最後の日だとしたら、私は今日、この仕事をしたいと思うだろうか。

電車に心地よく揺すられて、うつらうつらしていると、そんな疑問が心の中に湧き上がる。
昨日と同じように身支度をして、昨日と同じ時間の電車に乗り、昨日と同じように職場について、昨日と同じような一日が始まる。もちろん全く同じではない。そろそろA課長は北京から戻ってくるだろうし、システム再開のための道筋を明らかにして前に進まないといけないだろう。

自分を無理やり職場まで運んで、惰性で仕事している。そんな風にして一カ月が過ぎ、一年が過ぎ、そうして十年くらいが過ぎるだろうか。時が止まってしまった人のことが心から離れない。雨の中を電車は前へ前へと進んでいく。窓にあたった雨のしずくは斜めに落ちていく。

止まらなければ、垂直に落ちてくる雨のしずくをまっすぐに受けることはない。記憶は垂直に落ちてくる。そして心をとらえる。それでも、いつもの駅に着くと、私は考えることを放棄して動き出す。考えすぎずに昨日と同じ自分でいること。それが大事だと思ってきた。

人生最後の日など、永遠に来ないかのように、自分がこの仕事をしたいのかどうか考えることもなく、今日も仕事をする。

少なくとも、職場では、私がする仕事が求められているから。会社の信用のために、お客様に安心なサービスを提供するために。安心とはなんだろう。私は安心しているだろうか。

なぜあのデータベース仕様書がでてきたのだろう。「彼」はこの世界に安心していられなくなって、いってしまったのだろうか。お客様を安心させるために私は仕事している。彼を安心させることはできなかった。人の心は脆弱だ。攻撃されなくても壊れてしまう。

電車はいつもの駅に着く。そして私は動き出す。

リスク回避

金融機関のフィッシングサイトが増えていると、警察庁のセキュリティポータルサイトに載っていました。リスクの対応にはリスク回避、リスク低減、リスク移転、リスク受容の4種類があるそうです。インターネットバンキングを使わない、というのはリスク回避です。

スマートフォンを持たない、必要最低限しかPCを使わない、というのもリスク回避です。業務用携帯電話を持ち歩かない、ノートPCを持ち歩かない、というのもリスク回避です。回避しているのはそれだけではないかもしれませんが・・・

お読みいただき、ありがとうございました。

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