April Come He Will
悪夢の続き-雨の中で
(このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。)
雨の中を歩いているといろんな思いが沸き起こってくる。いつもと同じ道を歩いているはずなのに、ちっとも着かない感じがする。私はどこに向かっているのだろう。同じところをぐるぐる回っているような気さえする。昔飼っていたハムスターのように、回し車の中を走っているような感じがする。
見上げると空から雨が落ちてくる。雨はいつか海に行くのだろうか。自分自身が雨に溶けて流されていきそうな気がする。
「彼」がいなくなったのは5月の連休の時だった。毎年繰り返される国民行事のような駅のにぎわい。それとは全く関係なく、残業と休日出勤が際限なく続いた。これから遊びに行くと一目でわかるいでたちの人々の、はじけそうな笑顔。その中を彼は一人で暗く沈んだ顔で歩いていたのだろうか。何を考えていたのだろう。彼には何が見えていたのだろう。
何のために歩いているのだろう。何のために会社に行くのだろう。何のために仕事するのだろう。何のために生きているのだろう。
「大丈夫?」
振り返るとA課長だった。
「北京から帰ってきたんですか?」
「なんとかね。疲れました。」
白髪が増えたような気がした。両目が落ちくぼんでいる。五十ぐらいの疲れた男の顔。
「大丈夫ですか?」
今度は私が聞かざるを得なかった。
「雨の中で立ち止まって空を見上げてつらそうな顔をしていましたよ。」
私の問いには答えずにA課長は言った。
「つらい仕事をくぐり抜けてきたっていう顔をしていますよ。」
私はそう言いかえしていた。
A課長は苦笑し、私も顔がほころんだ。
サーバに奇人とケダモノが
いえ、管理者が奇人だということではなく、FREAKです。3月に発覚したSSLの脆弱性ですが、良く見かけます。連休中のメンテナンスで一気に減るでしょう。SSLの脆弱性にはケダモノ(BEAST)もありますが、こちらは古いブラウザへの対応のために目をつぶらざるを得ない場合もあり、あちこちで生息しているようです。
お読みいただき、ありがとうございました。