上場企業のCTOを辞めて起業しました。起業して日々思う事や苦労話をお届けします

起業最大の壁

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201912月から起業準備を始めました。プロジェクトマネジメント業を長くやっていると新しく事を始める時には必ずWBS的なものを作る習性があります。実際作らずとも、何から始めて順番は、依存関係は?といった頭の中でやるべきことを組み立てていきました。起業というと、まずは会社を登記して資本金は幾らで、会社名は何して。とか考えるんですが、僕の場合は起業するにあたって最大の壁があったのです。

起業最大の壁 ~営業~

事業会社でCTOをやっていると、ITベンダーさんとの付き合いは自然と増えていきました。こちらが発注者なので、ITベンダーさんもお客様として扱ってくれましたし、そこでのお付き合いから、お客様としての渡邉とお付き合い頂いていたITベンダーさんは数多くいたわけですが、起業となると事業会社に渡邉個人を(しかも前職の渡邉ではなく1個人としての渡邉として)営業に行かなければいけません。

さあ、困った訳です。薄い人脈はありつつもお仕事を頂けるような人脈がゼロに等しい。いきなり焦り始めました。本当に起業してやっていけるのだろうか。と。

Facebookをフル活用

黙っていても仕事は来ないので、まずは手当たり次第、疎遠であった方から親しい人達にFacebookでアポを取りました。実際起業してやっていけるのか?の市場調査(ここでいう市場とは自分自身が手に届く市場で戦っていけるか)と、あわよくば仕事を頂く営業としてとにかく動きました。12月の初旬から3週間ほどかけてアポをとり、会社を辞めようと思っている話や、こんなことをやっていきたい。といったお話をさせて頂き種を撒きました。色々な人に話をするという事は、自分自身の頭の整理や、自信の無いことや矛盾している事、相手に伝わらない事が明確に理解できます。話が纏まらなかったり支離滅裂ですと話をしていておかしい事に気づくものです。そうやって事業構想をブラッシュアップしていきました。

初めて思いましたが、Facebookは素晴らしいサービスです。Facebookが無ければ今頃途方に暮れていた事は間違いないです。

流行りのフリーランス紹介会社にも登録

知り合い経由での仕事が取れない場合、フリーランス紹介会社からお仕事を頂こうとも考えました。調べてみると結構あるんですね。これが。

SOKUDAN(私も登録してます)さんがこんなものを作っていました。

フリーランス向けサービスカオスマップ

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000045678.html

本当にカオスです。このカオスマップを見て、相性が良さそうなITコンサル系紹介会社に片っ端から登録しました。Webで経歴書や単価、空き工数などを入れると登録完了なのですが、ほぼすべての会社で面談があります。面談では、強みや、やりたい事などが聞かれます。これを登録した会社に訪問して毎回お話しするわけです。面倒だな。とも思いましたが、自分の職務経歴を語ると、自信の強みや弱み、市場とのマッチ具合、話しをしていると「コイツはデキるな!」とか「使えないな」と自分で思うんです。話しながら聞き手の立場にもなり客観的にこの人は価値があるか。と自問自答するわけです。こういう面倒な事も前向きに考え、武器となりえるアイテムを磨き上げていきました。

最後の方は、疲れてきて、紹介ビデオでも作って流したい気持ちになりましたが、起業という大きな決断の舞台ですから頑張って営業したわけです。因みに前職時代はデスクワークで、ほぼ会社にいましたので、こういう外に出て歩き回る事は無く、本当に筋肉痛になりましたし、苦手な渋谷駅も克服出来ました。

ここまでの活動で分かったこと

常に営業。これは絶対に必要です。案件を獲得できて稼働しているときでも常にアンテナと人脈構築を続け、いつでも動ける状態にしておく。これは基本中の基本であると悟りました。色々な方たちと繋がるSNSや連絡手段も絶対に必須で、起業する前に整えておかなければいけない基盤です。

フリーランス系紹介会社の事は次回に書くとして、紹介会社巡りをしていて痛烈に思ったことは、自分自身で仕事を作り、フリーランスエンジニアと一緒に動くようにならないと、紹介会社への依存度が高くなり、稼働率が低下する危険があるという事です。つまりは、自分がフリーランス紹介会社に人材確保を依頼するくらい沢山の案件をストックしておかないとダメだという事です。

案件受注にはリードタイムがある

発注者側の立場で仕事をしていた事が長かったので、受注者さんを待たせるという行為は、悪いな。とは思いつつもクリティカルな問題として考えていませんでした。受注者の立場に変わると、この待っている時間というのがとても、もどかしいもので毎日祈るばかりです。

このリードタイムをどう考えるかも戦略が必要だと感じました。全部取れたら工数がパンクします。全部取れなかったら・・・。歩留まりと確度を考えながら営業をし続けなければいけませんがこの予測は無理なので、基本的な方針として、貰った仕事は断らない。という事だけを決め、師走真っただ中を歩き回る生活が続きました。

幸運にも1225日、第1号の案件が決まり、最高のクリスマスプレゼントを頂きましたが、契約するまでは油断禁物と思いつつ年末年始のお休みに入るのでした。

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