@IT編集部の西村賢がRuby/Rails関連を中心に書いています。

【書籍紹介】Ruby on Rails3ポケットリファレンス

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Pocketreference

 英語ならいくらでも情報があるのだけど……、と言われがちだったRuby on Railsですが、日本語で読める入門書やレシピ本が増えてきました。2012年1月26日発売の『Ruby on Rails 3ポケットリファレンス』(山田祥寛著、技術評論社)も、そんな1冊です。528ページと分厚いですが、四六判(18.8cm×13cm)と片手で持てるので、持ち運びや机の上に置いておく本としてはよさそうです。CoffeeScriptやHerokuの解説が含まれるなど最新のトピックにも対応しています。

 似たような位置付けの本として『Rails3レシピブック 190の技』(高橋征義/松田明/諸橋恭介著、ソフトバンククリエイティブ)があります。両者を比べると、ポケットリファレンスのほうが、個々のトピックの粒度が細かく、記述がやや初心者向けという印象であるのに対して、レシピブックのほうは粒度が中ぶりで中級向けというのが私の印象です。リファレンスとレシピなので、当然の違いといえば当然の違いかもしれません。

 ポケットリファレンスのほうは、各項目について、まず「書式」が冒頭にあって、各メソッドについて解説されています。例えば、「関連するモデルを削除する」、「ログの出力を重要度に応じて絞り込む」といった具合です。コントローラ、モデル、ビュー、ルーティング、テストなど、章別に、それぞれの章で取り使うクラスやトピック群の概要解説もあるので、これまでにCakePHPなどほかのフレームワークを使ったことのある人なら、この1冊で先ずは必要十分ということころかもしれません。

Railsrecipe

 これに対して、レシピブックのほうは、「ネストしたレイアウトファイルを使う」「カラムに対応しない属性を保存可能にする」「フォームの二度押しを防ぐ」など、“やりたいこと”が項目として挙がっているという違いがあります。レシピブックのほうは、通読や拾い読みをしてRails力を上げるのに向いていそうです。逆に、いきなり開発プロジェクトに放り込まれて、取り敢えず手元に辞書的なリファレンスがほしいという人には、網羅感のあるポケットリファレンスのほうが良いのかもしれません。

 変な言い方かもしれませんが、ポケットリファレンスのほうは、英語なら存在しているドキュメントの、サンプルコード付きの優れた抄訳といった印象です。一方、レシピブックのほうは英訳すれば英語圏でも売れそうな本だと思います。

 Ruby on Rails 3ポケットリファレンスの著者、山田祥寛氏によるRails3本としては、『Ruby on Rails 3 アプリケーションプログラミング』(技術評論社)もありますね。いま見ましたらアマゾンの書評で13人が5つ星の高評価。これから入門という人は、コチラも要チェックだと思います。

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