377.『葬送のフリーレン』から学ぶビジネススキル(17)
初回:2024/08/14
『葬送のフリーレン』を、1話づつ振り返りながら、ビジネス的な考え方を伝えていこうという企画です。
今回は、第17話 『じゃあ元気で』に基づいて話そうと思っています。このシリーズも一旦今回で終了とします。また、気が向いたら『一級魔法使い選抜試験編』を題材に進めたいと思いますのでご期待ください。
P子「期待しないで待っててね」※1
#17 じゃあ元気で
あらすじ
https://frieren-anime.jp/story/ep17/
1.世界が一変するほど便利
ザインは頑固ばあさんから『戦士ゴリラ』の手がかりを得ることができたが、フリーレン達の目的地とは反対だったため、ここで別れることに決めた。とはいうものの、寒波が到来したため、ひと月の足止めを食らう事になってしまった。
「でもまぁ酒場も雑貨屋もあるし、小屋も広い。この前の山小屋と比べたら、だいぶマシだね。何よりこの集落には怪しい老人がやっている魔法店があるんだよね。私の経験上、ああいう場所には伝説級の魔法がある。そこをゆっくり漁れるのは大きいね。」とフリーレンが言った。するとシュタルクが「伝説級の魔法、今までにどんな魔法があったんだ?」と問いかけると、フリーレンは「"カビを消滅させる魔法"や"しつこい油汚れを取る魔法"だよ」と答えた。
「確かに、あれは世界が一変するほど便利でした」とフェルンが言うと、「お婆ちゃんの知恵袋かな?」とザインがぼとっそつぶやいた。
P子「経験しないと『世界が一変するほど便利』とは思えないからね」
フリーレンの物語でも色々な魔法が出てきますが、結構地味です。フリーレンが自慢げに語った魔法にフェルンが激しく同意する魔法が『しつこい油汚れを取る魔法』などの実用的なものというのが非常に面白いと思います。
さて、エンジニアの世界でも、無敵のAIとか、数クリックでシステムが出来上がるとかいう『強力な魔法』のような仕組みもあるかも知れませんが、日常的に使用する業務システムでは、やはりちょっとした使い勝手が良い方が、気持ちよく業務ができると思います。
もちろん、『世界が一変するほど便利』な機能が、突然完成するなんてことはありませんが、本当に地味だがほんのちょっと気が利いているとか、使い勝手が洗練されている場合、過去には戻れなくなります。『しつこい油汚れを取る魔法』が普通に使えるようになった場合、それが使えなくなったときに、そのありがたみが身にしみて感じることができるようになるでしょう。
P子「野球で言うなら、ホームランも1点なら、バントスクイズでも1点ということね」
まあ、3塁までランナーを進めるための地味な努力も合わせてのバントスクイズの1点ですけどね。
2.旅立つ勇気と、仲間と過ごす楽しさ
寒波が去るまで待つことにしたフリーレン一行は、四者四様、思い思いの時間を過ごしていた。そうした中、酒場にいたザインを訪ねて、フリーレンが現れた。「ザイン、ちょっといい? 何だか、シュタルクとフェルンの様子が変なんだよ。たぶん喧嘩してる。仲裁してよ。」とフリーレンがお願いしてきた。ザインが「それは構わないが、何で俺に頼むんだ?」と問いかけると、フリーレンは「仲裁は、僧侶の仕事なんだよ」と答えた。
P子「フリーレンのローカルルールね」
ザインが小屋に戻ると、「酷い状況だな」と思えるほど、深刻な状況だった。
「おい、一体何があった?」とザインが問いかけると、フェルンは「シュタルク様が悪いんです」といいう、シュタルクも「はい、俺が全部悪いんです」と答えた。
P子「シュタルクって、フェルンが怒るととりあえず謝ってるけど、今回は本当に反省しているみたいね」
ザインは一人づつ部屋に呼んでそれぞれから事情を聴くことにした。シュタルクが言うには、小屋に来た当初、フェルンがシュタルクに冷たい手を当てたのと同じことを、やり返しただけと答えた。シュタルクが仲直りしたいと告げると、ザインは「正直に気持ちを言えばいい。仲直りしたいのなら、ちゃんと相手にそう話すんだ。フリーレンは喧嘩の仲裁なんかしてくれないぞ」と言った。シュタルクは「ああ、分かってる。フェルンに謝るよ」といった。
次にザインはフェルンを呼んで事情を聴いた。フェルンも自分が意地になってしまっただけで、謝りたいといった。フェルンは「元はといえば、私のせいですし、触られたことは気にしてはいません。ただ、肩を押さえた腕の力が強くて、ちょっとだけ怖いと思ってしまったんです」と答えた。ザインが「シュタルクのこと嫌いか」と聞くと、フェルンは「何でそんなこと聞くんですか。そう見えますか」といい、「じゃあ、怖かったことをちゃんと話して仲直りだ」とザインが言った。
P子「この後酒場でザインが『もう付き合っちゃえよ!』って言った名言が飛び出すのよね」
フリーレンは「ザインはとても頑張っていると思うよ。ありがとうね。助かったよ」と言いた。「フリーレンお前ぐらいだよ。俺のことをガキみたいに褒めるのは」とザインが言うと「実際にガキでしょ」とフリーレンが答えた。ザインは「まぁ、悪い気分はしない。なぁ、ずっと気になっていたんだが、旅に誘ってくれた時もそうだが、何で俺なんかにこんなに構ってくれるんだ」と問いかけると、「やっぱり同族嫌悪かな。冒険に出ようとしないザインが、魔王討伐に旅立つ前の私とよく似ていて頭にきた」とフリーレンが答えた。「それは構う理由にはならねぇだろう」とザインが問うと「だからこそ、きっと私はきっかけを与えたかったんだろうね。勇者ヒンメルならそうしたってことだよ」とフリーレンが答えた。
「私はヒンメルたちに旅立つ勇気と、仲間と過ごす楽しさを教えてもらった。どうザイン。楽しかったでしょ」とフリーレンが問いかけると、「ああ、とても楽しかったよ」とザインが答えた。
P子「今回のお話は『思いは言葉にしないと伝わらない(3)』にするのかと思っていたわ」
このフリーレンのお話では、言葉にするとか、言葉を信じるとかそういうお話が随所に出てきます。やはりコミュニケーションはどの世界でも重要だという事です。なので今回はあえて、そこではなく『仲間と過ごす楽しさ』に重点を置いてみました。
まず、『旅立つ勇気』をビジネス的に捉えると、『新しい事への挑戦』と言い換えることができると思います。新しいことを始める場合、やはり勇気が必要です。最初の一歩を踏み出すのは大変な事ですが、それを後押ししてくれる仲間がいれば、その一歩を踏み出す勇気を与えてくれるかもしれません。
新しい事へ挑戦するのは、色々な困難が待ち受けていることでしょう。そんな中で、仲間と過ごす...ビジネス上のチームメンバーと一緒に働くことが楽しいと感じられることは、幸せなのではないでしょうか?
『辛く苦しい旅がしたいのかい。僕は終わった後にくだらなかったと笑い飛ばせるような楽しい旅がしたいんだ』とヒンメルがアイゼンに言ったように、私も楽しく仕事がしたいと思っています。
3.まとめ
『葬送のフリーレン』から学ぶビジネススキル も、第一部終了となりました。
毎週、1話づつ、ビデオを見返しながらでしたが、ついつい、次の話を見たくなってしまう所をぐっと我慢して書いていました。これはこれで、楽しい時間を過ごすことができました。
『一級魔法使い選抜試験編』になるとバトルが多くなりますが、物語的にも面白いので、またの機会に書いていきたいと思っていますのでご期待ください。
P子「期待しないで待っててね」
最初に聞きました。そこは、『じゃあ元気で』で締めくくるところでしょう。
ほな、さいなら
======= <<注釈>>=======
※1 P子「期待しないで待っててね」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。