ITエンジニアとして時流に乗って高年収を掴み取り、勝ち逃げ人生謳歌に特化した戦略コラム

エンジニアのためのキャリアの教室

»

不確定な時代を生き抜く『エンジニアのためのキャリアの教室』

講師:松永 エリック・匡史 氏

一番楽しい仕事はクライアントとの折衝

IT業界にも様々な職種や役割がありますが、その中でもとくに楽しいのがクライアントとのコミュニケーションです。その役割を担っているのがPMOであり、クライアントとのインターフェイスを担っています。イメージとしてはPMOは料理長のようなもので、お客様の要望を全て自分一人で対応するのではなくて、スタッフに割り振る楽しさもあります。裏にはスタッフと最高の食材が揃っている状態で、お客様の召し上がりたい一品を提供することが料理長の役割であり、IT業界におけるPMOの役割です。

したがって、PMOはコミュニケーション力が重要で、技術力や経験に裏打ちされたものでなければ説得力が生まれません。最初は御用聞きからスタートしますが、レベルが上がってくると、クライアントの戦略に口を出したくなりますし、クライアントもそれを求め始めます。クライアントとの関係性がつかめるかどうかが重要です。もしあなたがレストランで食事をしているところにベテラン料理長がやってきて、「お客様の嗜好と旬な食材を活かした逸品をご提供しようと思いますがいかがでしょうか?」と提案されるとどんな気持ちになりますかね?要は、そういうことです。

コミュニケーション力向上最初のトレーニング相手は上司

PMOにはコミュニケーション力が重要ですが、これはPMOに限らず全ての社会人に共通します。もちろんプログラマーであってもコミュニケーションは必要ですし、それが出来ないプログラマーに居場所はありません。パスが出来ないサッカー選手が存在しないのと同じです。問題なのは、どうやってコミュニケーション力を向上させるのか?ですが、若いエンジニアがいきなりクライアントと接する機会はあまりありません。なのでまずは、一番身近にいるクライアント、すなわち自分の「上司」を相手にトレーニングするのです。

この方法ならば、いまぼくのコラムを読んでいるこの瞬間からトレーニングが出来ます。どんなに理解力に乏しく、傲慢な上司であっても、そんなことは関係ありません。クライアントの方が、もっと理解力に乏しくて傲慢だからです。上司とすらコミュニケーションがとれないエンジニアは、クライアントとのコミュニケーションには程遠く、それはすなわち、既に訪れている不確定な時代を生き抜けない事と同義です。どういう理由であろうと、あなたの上司は社内で評価されてそのポジションにいます。上司の良いところを1つでも見つけて、積極的にコミュニケーションをとってみて下さい。いますぐにでも出来ます。

コンサルタント不要論

現在のIT業界の構図では、クライアント経営陣とエンジニアとの間にコンサルタントがいます。イメージとしては通訳者といったところでしょうか。しかし、エンジニアが経営力を身につけてしまえば、コンサルタントは不要となります。(じつはこの話、先日公開された「仕事をしていれば生き残れるが、作業をしていれば淘汰されるという話」にも記載していますので、合わせてご覧下さい。)

すでに海外ではこの流れが来ていて、経営陣の横にITエンジニアがいます。アメリカのSEの年収が高い理由が、この辺りにあります。まだまだ日本では根付いていない考え方ですが、「経営陣との折衝はコンサルの仕事。エンジニアはコンサルの指示通りに動く」という考えを捨てて下さい。ビジネスの中枢にITが入り込む時代はとっくに始まっています。若いエンジニアの方には、もっと自信をもってマインドセットを変えて欲しいのです。

仕事と作業の違いに気づく

マネジメントの本当の意味を履き違えている上司やPMOがいます。マネジメントには大きく2種類あって、「本来の意味のマネジメント」と「単なるコントロール」とに分かれます。上述の記事にもある「仕事と作業の違い」の話と同じです。進捗を管理したり、リマインドすることは本来の意味のマネジメントではありません。それはコントロールです。仕事と作業で言えば、単なる作業です。これからの時代は、作業はツールが頑張ってくれるので、コントロールしか出来ない上司やPMOは淘汰されます。

そうではなくて、本来の意味のマネジメントに集中する必要があります。具体的には、エンジニアが働きやすいように環境を整えたり、起こりうるリスクを事前に取り払う事などがそれです。特にいまは分業制が顕著になり、各領域の専門家は職人気質でプライドが高いです。その専門家たちを上手く乗せながらマネジメントしていくスキルが求められます。そのためには共感することが重要です。上司を練習相手にきちんとコミュニケーション力を鍛えていれば、難なくこなせるはずです。

では、エンジニアはどう変わるべきか?

自分の思うがままに、好き勝手に生きていけば良いです。業界や会社が設計したキャリアパスに流されてはいけません。世間が設計した一般的なキャリアパスが、あなたのキャリアに向いているとは限らないからです。ずっと現場の最前線でプログラマーとして生き抜くのもかっこいいと思いますし、その事にやりがいを感じるのであれば、無理をしてマネージャーやPMOを目指す必要はありません。好き勝手に生きていくためのヒントとしては、ご自身が目指しているキャリアパスを実現させている人を見つけて、その人をお手本にすることです。真の勝ち組とは、世間の先入観にとらわれるのではなくて、自分の本心に忠実な人のことを言います。

自分の本心に忠実になるためには、目の前の仕事に没頭する必要があります。没頭とは、100ある力以上の150の力を出し切ることを言います。多くの人は70程度の力で妥協してしまいます。その結果、不完全燃焼のまま悶々としてしまい、いつまでも似たようなビジネス本を読み漁る日々を送ります。残念ながらビジネス本には答えは載っていません。あなたが今抱えている仕事の中に答えがあります。求めているお宝はその中に眠っているのです。悩んでいる時間こそが一番生産性の無い無駄な時間です。ご自身の本心と向き合って目先の仕事に没頭すれば、この先どんな不確定な時代が来ようとも、時代の方があなたを必要とするのです。

あとがき

今日のコラムは、2/24(水)19:00に開催された、「エンジニアのためのキャリアの教室」の受講レポートです。(編)さんにお招きして頂いたことをきっかけに参加することとなったのですが、めちゃくちゃ有意義な時間でした。

当コラムを読んで頂けたのでセミナーの概要は伝わったと思いますが、しかしそこは、ぼくの視点で描いたのでどうしてもバイアスがかかります。あと、MSOLさん主催ということもあってPMOの話が多めですが、基本的には若手エンジニア向けです。オンデマンド配信もありますので、お時間のある方はリンクより登録をしてから、是非セミナーをご覧頂ければと思います。突き刺さされば人生観変わるかもしれません。

提供元:処世術で高年収を勝ち取るITエンジニアの戦略 kachinige.com

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する