ITエンジニアとして時流に乗って高年収を掴み取り、勝ち逃げ人生謳歌に特化した戦略コラム

マーケティングにも使える無料で高品質な調査データの話

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いまから10年位前の話でしょうか?当時ぼくはメーカーのIT戦略企画室で働いていたのですが、経営陣から市場調査の指示を受けました。当時その会社にはマーケティング部が無かったので、ぼくにお鉢が回ってきたわけです。潤沢な予算が割り当てられているならば、全てを専門家にアウトソーシング出来るのですが、実際問題そうは行きません。興味を持ったこともあり、自力で分析を頑張る事にしました。とはいえ、市場からのデータ収集はさすがに自力じゃ無理だと判断し、予算をもらってリサーチ会社に依頼しました。

リサーチ会社とは、クライアントの求めるターゲットに対し、電話やネットを使ったアンケートなどをして、情報収集してくれるサービス会社の事です。ターゲットの年齢層や地域などを絞る事ができ、ヒアリングの難易度やサンプルの母数に応じてリサーチ費用が変わります。費用をケチると母数が少なくなるので精度が下がります。精度を高めたければ、費用をかけるしかありません。

リサーチ会社の格安プランを利用してデータを集め、あとは自分でデータ分析をやり、ぼくは一連の役目を終えました。それからしばらく経ったある日のこと。上記例のデータ程度ならば、リサーチ会社を使わなくても、かなり高精度なデータを収集出来る方法を知りました。マーケティングのプロの方からしてみれば当たり前過ぎることなのかも知れませんが、当時のぼくは無知でした。素人のぼくからしてみれば、完全に盲点だったのですが、じつは「国勢調査」のデータ(調査結果)、誰でもネットで、しかも無料で見ることが出来るのです。Excelファイルでダウンロードも可能です。至れり尽くせりです。

e-stat (https://www.e-stat.go.jp/) 政府統計ポータルサイト

このサイトは国勢調査だけではなく、国土の測量結果や各省庁が公表する統計データが閲覧出来ます。当時所属していた会社とは守秘義務があるのであまり細かい話は出来ませんが、その時リサーチ会社に依頼した条件を、そのままe-statに入力し、データを抽出して見比べました。なんとその結果は、リサーチ会社が収集したデータとほぼ同じ結果になりました。比率が同じというだけで、サンプル母数はe-statの方が多いです。ようするにe-statの方が、より正解に近いことになります。

この一件で理解したことは、国勢調査では拾うことが出来ないようなデータを、リサーチ会社にお願いをするのが正しい活用法だということです。ぼくも含め、まわりは誰も国勢調査のデータが活用できる事を知らなかったため、ただひたすら時間と経費と労力を無駄に使ってしまったわけです。もったいない話ですね。知らないことを恥ずかしがる必要はありませんが、場合によっては無知は罪になります。まさに今回のケースがそれでした。

少しでもマーケティングに精通している方であれば、誰でも知っている話だと思いますが、ITエンジニアにはあまり知られてない気がしてます。マーケティングや企画にも関わる社内SEならば、知ってて損はありません。とくに小規模事業者にはありがたいサービスだと思います。今年は5年に1度の国勢調査の年。どうやら実施100年の節目の年らしいです。国勢調査のアンケートに答えるのは面倒ではありますが、こういう形で世の中にフィードバックされているようです。

提供元:処世術で高年収を勝ち取るITエンジニアの戦略 kachinige.com

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