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閑話休題(2):ミレニアム前後の時代の寓話

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 今回のネタ、ノリにのって自分のブログの下書きに書きまくっていたのですが・・・

 なんだか天の声が降りてきて(笑)、この話はこちら(エンジニアライフさん)に投稿したほうがいいぞよ、とのことなので、こちらに投稿します。

 ただ、自分のブログ口調だとあまりに無礼なので(爆)いちおう「ですます調」に直しています。

 この話はあくまで、15年前ぐらい想定の寓話です・・・

 ◆

 フリーで仕事してる人間、もしくは、会社組織にはしていないが家族(奥さん)と二人三脚でやっているようなケースで…

  • 会社組織にしたい!
  • もっと業務拡大したい!
  • 「社長」としてふるまいたい!

 というのも、よーくわかるのです。名刺に代表取締役社長とか書いてあったらやっぱり相手も「おっ」となりますからねえ。

 それだけで商談が有利に進められたりしますし。

 それはそれで、いい。ビジネスマンとして健全な欲望だと思いますので、いいのですが…

 「で、どうすんの?」ってことなのです。

 エンジニアが起業して、どうするかって、最初は技術者的な夢を持つわけですよね。

 ありがちな…まぁたとえばヒット商品つくって一生ウハウハ、みたいな…

 まぁやがて「社会貢献」とか言い出しますけどね。「技術」でもって社会貢献。自分がウハウハだけでは後ろめたいんでしょうね。

 それも、それでいい。

 でもそれがいつのまにか「人身●買・ピン●ネ業」に「堕ちて」いくわけです。

 それは、よくない。とてもよくない。でもそういう会社とても多いです。

 ていうか、一時期そういう会社がほとんどでした。

 起業して最初は、気の合いそうな技術者を複数人契約社員とかで雇って、放牧して、自由に開発させておくのですが、そのうちモチベも下がってきて(なにせ「放牧」だし)、資金がショートしかかって、結局外に出しちゃうと。

 ヒット商品なぞ簡単には生まれませんからね。

 エンジニアに月50万払ってるのに対し、120万ぐらいで外に出すことができる。

 ただ外に出すだけで70万手元に残る。

 それがわかった時点で「こらやめられまへんわ」となっちゃうんですよね、「シャチョさん」って。

 ここが「器」なんですよ。「だってしょーがないじゃん!利益がほしいんだもーん」ってなもんで。

 外に出すのも、最初は「断腸の思いで」とかいってるんですよ。オーバーに。会社のためにひと肌脱いでくれ、と涙ながらに(苦笑)送り出す。

 で、昔も今もエンジニアを外に出す理由って、表向きは技術の習得、吸収なわけです。

 外の現場でもまれて、技術を習得して、自分の会社にフィードバックしてほしい、と。だから、外に出す。(と社長は自分に言い聞かせる)

 それがいつの間にか、自社に戻ってくる前提で外に出してるはずが、まったく空けることなく、複数の常駐先を渡り歩くことになる。

 創業メンバーがとある常駐先で揉まれて、スキルも上げて、そこまでは想定どおりなのですが、それを自社にフィードバックするのではなく、次はもっと単価が高いところに送り込む。

 5万給料を上げてやって、次は30万単価の高いところに放り込む。

 結局はそれの繰り返し。それが目的。

 自分の会社にフィードバックする時間もないし、フィードバックする要員もおらず、社長はいつの間にフィードバックの話なぞ忘れてしまう。

 それどころか、たまに先方の契約とタイミングがあわなくて、生え抜きが自社に1、2週間ぐらいいると(当然、やることもない)、社長はイライラしてくるんですよね。「こいつは利益を生んでない!」と。

 そのヒトは、会社に「帰ってきてくれた」にもかかわらず、です。

 いつの間に生え抜きを全員外に出してしまい、誰も会社にいなくなり、社長は「利益拡大」の御旗のもとにどうするか?

 その頃になるとソフト開発のことなぞまったく頭から消え失せて、右から左にヒトを流す術をおぼえちゃいます。

 つまり…最初っから、自社においておく可能性ゼロの、客先常駐前提の人間を、次々に雇う。

 そして、だんだんと薄利多売になってくる。つまり、エンジニアの質にこだわらなくなる。どころか、未経験歓迎!とか募集かけちゃったりして。

 ITド●タの人海戦術案件に送り込むための人柱。

 そして、会社に雇う理由も…これが私的にはホントによくないなあと思うのですが、プライムから「こういう人間いないか」といわれて、そこから動くのです。

 条件を書面(テキスト)でもらってそれをパートナー会社の営業に拡散したり、あるいは求人に出して、とにかくヒトをかき集める。

 「●●の開発経験2年以上、勤怠良好で常駐先でコミュニケーションがとれる方。残業は平均40時間程度あります。」判で押したように、こんな感じ。

 で、●●の開発経験1年ぐらいで、なんか暗そうな青年を雇って営業トークで無理やり案件に押し込む。「なかなか…条件に合う要員は埋まってまして『出てこない』ですねー」と。

 このやりかたの何が悪いのか?というと、もはや自社のWillはそこにないのです。

 たとえ、右から左に流してピ●ハネするのが目的だとしても、自分の会社に雇い入れるわけじゃないですか。にも関わらず、採用方針に自社のWillがない。上から横から、こういう人間がほしいといわれて、まんまの人間をかき集める。

 社長自身が、こういう人間がほしい、こういう人材を育てたい、っていうビジョン皆無。

 口癖は「どっかにいいヒトいない?」「△△社の××案件の単価がいいから出したいんだけどさ~」ってそこか! こういうトークで自分がビジネスビジネスしてると自分に酔ってしまう…

 そうこうしてるうちに見事、ピン●ネ専門会社の出来上がり~ そうなってしまってもしつこく、表向きは(HPとかには)「ソフトウエア開発等」とか謳って、スキルの高い技術者がいます!と宣伝していますが、スキルの高い技術者は物理的に会社にいない(笑)。

 HPの主要取引先のところには今をときめくプライムSIerが名を連ねていますが、それ、何次請けかでたまたまそこに常駐させてるだけですから。

 まぁウソじゃないと言い張るのであれば、ウソではないかもしれない。

 ふぅ、一旦切ります。続けます。

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