大学卒業後、バーテンダーを経てIT業界へ。現在はインテリジェンス ビジネスソリューションズにて、PMとして数多くのプロジェクトに携わる。

第2回 3つのポイントで克服!上司とのコミュニケーション

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 上司と部下の円滑なコミュニケーションは、仕事を進める中で重要な位置を占めるもの。社内でスムーズなコミュニケーションが取れることは、デキるエンジニアの必須スキルです。

 PMという役職柄、私は、プロジェクトメンバーから進捗やトラブルなどの報告・相談を日々受けますが、仕事のコミュニケーションの基礎である“報連相”につまずく人が、実に多いと感じます。その報告で何を伝えたいのか、上司に何をしてほしいのかなどが、まったく伝わってこないこともしばしば。

 「で、何をすべきなの?」「結局何が言いたいの?」と怒られた経験がある人も少なくないのでは?

 トラブルなど悪いニュースの報告は、だれもが憂鬱です。

 重い気持ちを奮い立たせてせっかく報告したのに怒られてしまい、報告が怖くなって先延ばしになりがち……という人もいるかもしれません。

 実は上司とのコミュニケーションは、“上司が部下の報連相に望むもの”がわかれば劇的に改善できるもの。

 そこで今日は“上司に喜ばれる”上手な報連相の方法について、お話します。

― 抑えるべきポイントは、たったの3つ!

 報連相で抑えるべきポイントは、たった3つ。タイミング、目的、手段です。

<タイミング> 手遅れな“報告”ではなく早めの“相談”を

 私が受ける報告の8割は“悪いニュース”です。プロジェクトにトラブルはつきもの。私自身、トラブルや進捗の遅れが発生することは、一定見越しています。だから、悪いニュースを報告されること自体で、怒ったりすることはありません。

 ただ、対処の仕様がないほどの末期状態になってから報告されると、さすがに私も困ります。

 言いづらさから報告タイミングが延び延びになって、やっと報告する勇気がわいた時には事態がどうしようもなくなっている、なんてパターン、経験ある人も多いのでは?帰り際や週末の遅い時間に報告してさっと帰る、“言い逃げ”をする人もいて(苦笑)、これもとても困ります……。

 悪いニュースほど、事後の「報告」ではなく、まだ対応策を講じる余地が残されている早いタイミングで「相談」しましょう(ただの進捗や状況を共有するだけなら、「報告」もいいのですが)。

 実は上司にとって、メンバーから相談を受けることは、とてもうれしいものです。メンバーでは解決できない状況を、これまでの経験やもてる人脈、スキルを駆使して打開するのがプロジェクトマネージャの務めであり、醍醐味でもあります。

 ただ、トラブルが発生してしばらくたってから報告されても、私たちにも打つ手がない。もっと事前に相談して、どうやったら解決するか、上司を巻き込んで考えましょう。上司も協力を惜しまないはずです。

<目的> 上司に何をしてほしいのか?を明確に

 メンバーから報告を受けながら「この報告、何が言いたいんだろう?」と思うことがあります。ただ状況を知ってほしいのか、何かアクションが求められているのか。目的の見えない報連相は、その後の話も無駄が生まれるし、せっかくの時間がもったいないですよね。

 まずは、上司に話しかける前に立ち止まって、その報連相の目的を考えてみましょう。

 「状況を認識しておいてほしいのでお話します」「トラブルが起こっており、対応を相談させてください」「●●の作業が終わったので、報告します」など、目的を最初の一文につけるだけで、上司も自分のするべき反応を決めて話が聞けるので、すぐに次のアクションに移ることができます。

 また、上司に意見をもらうときにぜひ気を付けてほしいのは、「状況+自分の意見」をセットで持っていくこと。

 自分の考えや迷っているポイントを具体的に伝えることで、上司からのフィードバックも明確になり、一段深い議論が出来ます。それに、自分はどうしたいという意見もなく、ただ上司に言われたらそれを行う“作業者”にはならないでほしい、とも思っています。よりいい仕事をするために、自分の考えを常に持ち、しっかり周りに伝えるようにしましょう。

<手段> 「なんでもメールで」から脱却しよう

 なんでもメールで送ってくる人がいます。すぐ隣の席からメールが来たときはさすがにビックリしました。

 言いにくくかったのか、メールでびっしり経緯や状況を書いて送ってくるなんて人もいたりしましたが、私は基本的に、なんでも口頭でお話することが、コミュニケーション手段として一番と考えています。

 直接話すと、声のトーンや表情などの情報量が増え、相手に真意が伝えやすいといいますが、まさにその通り。メールでの連絡は、相手に真意が誤解されて伝わる可能性が高まります。あれこれメールの言い回しを悩むのも時間がかかりますし、いいことは少ないですね。

 もちろん、エビデンスを残すためにメールで送る、という場面も存在しますが、まず口頭で話し、必要な部分だけメールで議事録を送れば済むこと。上司が不在でメールで伝えざるを得ないときも、必ず後で口頭補足を心がけましょう。その場で相談の返答をもらえたり、メールで不足していた説明を補足できます。

 メール偏重になる理由として「言いづらい報告だから」という理由以外にも、「上司が忙しそう」「あまり何度も報告するのも気が引ける」という声もよく聞きます。

 そんな人への処方箋としては「週に一度の定例報告時間」を設定することをオススメします。週に1度、15~30分くらいで十分です。必ず上司が時間を確保できるので、その時にまとめて報連相を行えるため、その場で意見がもらえます。上司もメンバーの状況を定期的に把握できるので、お互いに良い時間となるのでは?

 3つのポイントで報連相の方法をまとめてきました。なにより誤解しないでほしいのは、上司はあなたを助けるためにいる存在だということ。

 あなたからの報連相に100%の完成度は求めていませんし、良い仕事の実現に協力したいと思って話を聞いています。恐れずコミュニケーションの量を増やすことで、徐々にコミュニケーションの腕もあがりますし、いい仕事の実現にもつながるはず!明日からの上司コミュニケーション、ぜひ見直してみてください。

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