言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

炎上酔い

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基本的に恋愛というのは、相手がクズであるほど激しく燃えます。相手がクズなほど起伏が激しくなって、恋愛をやってる感が得られるからです。起伏が激しいというのは、手っ取り早く楽しさを実感するのに都合がいいです。仕事にも似たところがあります。マネージャがクズであるほどプロジェクトは激しく燃えます。炎上プロジェクトをよく観察すると、決まって数人、逆にイキイキする人がいたりします。多分、危機的状況に「仕事やっている感」で満たされているのでしょう。

炎上プロジェクトで快感を感じるマゾヒストが本当にいるのかと疑問に思うかもしれません。ただ、世の中をよく観察すると、思いのほかマゾヒストはたくさんいます。最低なクズ男に献身的に尽くす女性や、女性からの無謀な要求に応え続けようとする男性と、そういう人たちなら身近にたくさんいます。そのような境遇を苦しんでいるかと言えば、確かに苦しんでいます。しかし、同時に何らかの快感を得ているのも事実です。ただ、私はそういう深みにはまって人生を棒に振りたくありません。

実際のところ、仕事で結果度外視でグダグダやっているのが楽しいと思う人も一定数いるようです。厄介なことに、危機的状況なほどそれが楽しくなってしまいます。その楽しさの理由が「仕事やってる感」です。困難に対してアクションをとっているという事に対して、何らかの前向きなイメージを抱いているのでしょう。だから行動が肯定されて満足を得ることができます。炎上プロジェクトでは困難が溢れています。その困難が同時に「仕事やってる感」を得られるチャンスだったりします。そういう「仕事やってる感」に酔いしれることを、私は「炎上酔い」と呼びます。

プロジェクトが炎上しているのに、逆に楽しんでいると説明したとして、それを納得する人は少ないと思います。炎上酔いしている人の大半は自覚がありません。恋愛で言う「好きだけど嫌い」みたいなものです。要は、色々な感情がごちゃ混ぜになって説明できない状態です。そんな様子が、正にお酒を飲んだときと同じような状態なので、「炎上酔い」です。もっと簡単に言うなら、仕事が手に負えなくなって思考が吹き飛んだ状態です。こうなると、まともな働きは期待できません。

炎上酔いは厄介です。ただ、これを回避する分かりやすい方法はあります。それは、自分の欠点を認めることです。感情の整理がつかなくなる大きな要因は、自分の欠点をごまかしたいと思うロジックです。これを解消するだけで、思考の整理が格段にやりやすくなります。恋愛でもそうだが、離れてしばらくしてから自分の過ちに気付くことがあります。自分の過ちに気付くことで、恋愛を通して人は成長できます。プロジェクトも同じです。自分の過ちに目をつぶり続けていると、同じ失敗を繰り返します。

・・・仕事、仕事と自分を誤魔化し続けるより、誰かを本気で好きになってみたらどうだ?何かが変わるかもよ。

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