組み込み系システムに3年、オープン系システムに7年。徹夜がこたえるお年頃。独身貴族から平民へと降格したホリは、墓場へまっしぐらなのだろうか……。

「来月から大阪ね」と言われる日

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 今現在、4月からの仕事が見えていない。3末納期のいくつかのプロジェクトが終わり、残務処理を終えたあとの予定が決まっていないのだ。

 今までならば、次のプロジェクトが足踏みして待っている状態であった。流れ作業的に、次々と目の前にくるプロジェクトを忙しくこなしていたのだが、今では数少ない仕事の取り合いである。

 このご時勢、何があるかわからない。仕事がなければ部が解体され、他の部へと異動になる可能性もある。そうなってくると転勤も十分ありえるのだ。

 いつまで開発として仕事ができるのか。人事異動で営業となり地方へ転勤という可能性もなきにしもあらず……。

■家族の理解は得られますか?■

 そんなことから、先日、ふと奥さんに聞いてみたのだ。

 「もし、地方へ転勤ってなったらどうする?」

 「……」

 僕はもともと地方出身ということもあり、地方勤務に対してそれほど抵抗はない。東京は仕事や遊びには良いのだが、住むには適していないと考えている。

 逆に奥さんは根っからの東京人。東京から離れたこともなければ、1人暮らしをしたこともない。

 「しょうがないから、ついて行く……」

 まぁ、今の段階ではそうだろう。新婚早々、「単身赴任よろしく!」と言われたらどうしようかと思っていた。

 結婚して間もない今だからこそなのだろう。これが、家族が増えご近所付き合いをし、マンションを買うなんてことになったらどうなるのだろうか。

 転勤というのはサラリーマンの宿命でもある。それに脅えながら暮らすというのも大げさだが、結婚したことにより、自分ひとりでどうにかできるものではなくなってしまったのだ。

■開発にベストな勤務地は?■

 開発部にいる限りは、どうやら転勤はないようだ。今の仕事をするには東京はベストではないがベターなのだろう。

 職種によっても最適な勤務地というのは変わってくる。PGであれば、無理して東京でコーディングをする必要はない。現に、ここ最近では、オフショア先として中国を頻繁に利用している。ただ、PMの仕事の性質上、打ち合わせや現地調整、現地での試験などを考えると、やはり圧倒的に首都圏が有利となるのだ。

 どんなにテレビ電話や会議システムが進化しても、大事な打ち合わせでは顔を突き合わせて話をする必要がある。こちらが「テレビ会議で」と言っても、客先はFACE to FACEの打ち合わせを好むのだ。となると、必然的に首都圏での勤務というのが必要となってくる。

■地方勤務の可能性■

 実は開発部のキャリアパスとして大阪転勤というのがある。ある程度、上の立場になると、踏み絵のように会社への忠誠心を試されるがごとく、大阪転勤を言い渡されるのだ。

 過去に何人も大阪へ転勤していった部長たちを見ているが、全員が単身赴任である。

 結婚して20年も経てば、だんなは2の次なのだろう。妻や子供たちは、「亭主元気で留守がいい」なのである。

 「単身赴任は寂しいのではないか?」――それは、新婚だからこそ思うことなのだろうか? 結婚20年目だからこそ思うこともあるだろう。大阪へ単身赴任していく部長たちは、意外にも20年ぶりの1人暮らしを満喫し、楽しんでいるようにも見えるのだ。

 開発部にいる限り、地方勤務の可能性は低い。今ならば地方勤務に抵抗はないが、今後、家庭の基盤を築いていくにつれ、どうなっていくのかわからない。

 その時、はたして奥さんはついてきてくれるだろうか……。子供が大きくなり、コミュニティが構築された場所から離れることができるだろうか……。

 だんだんと単身赴任の可能性も高くなっていくのだ。

 いつか、本コラムのタイトルが“地方で勤務する単身赴任者”と変わる可能性もなきにしもあらず……なのである。

 続く

Comment(4)

コメント

ヨギ

こんにちは。コラムニストのヨギです。

単身赴任が、その人(家族)にとってどれくらいの重みや価値を持つかによるでしょうね。

上昇志向が強く、子供をもうけないことを夫婦で了承していたとしたら、単身赴任は奥さんさえ付いてきてくれれば、楽しくすらあると思います(そういう方が知人でいます)。

逆に、子供は何人でも欲しくて、出世や給料は二の次三の次で、何があっても家族一緒にいたい人にとっては単身赴任は拷問かなと。

僕は新婚時代、妻が長男を妊娠(初産で妊娠8ヶ月)の頃に、実質的な単身赴任を打診され、一度は断りましたが、二度、三度と打診されたので、まあ、会社と社員では立場が違うと言えばそれまでですが、もうすぐ臨月になる妻を持つ者に年単位の単身赴任を命ずる会社は居る価値がないと判じ、会社を辞めました。

※お腹の大きくなった初産の妻を部屋に一人残し、家を空けるのは辛いですよー。僕は1週間でもヤでした。

今、恐ろしく不景気で、ベアの見送りなどいろいろありますが、それでも単身赴任を打診されることは全くないので、会社を辞めて良かったと思っています。
(自分の話ばかりですみません)

ホリ

>ヨギさん

コメントありがとうございます。

今のところ私の中では単身赴任は”ない”です。
かといって、会社を辞めるというのも…。

実は子供のころ、父親の転勤で二回ほど転校したことがあり
家を建ててからは、一度だけ父親が三年ほど単身赴任しました。

その時は、家族のために単身赴任する父親に感謝していました。

もし、会社から転勤を打診されたら…。
家族のために、どうすべきか。

私もヨギさんのような決断をしたいのですが、
この不景気、いざとなったらめちゃくちゃ悩みそうです。

ヨッシー

はじめまして。
自分は独身のため単身赴任が・・・・・・・という状況はありませんでしたが、
逆に遠距離恋愛に近い状態で(自分が地方、相手が首都圏)希望ポジションも首都圏にあり異動も希望してましたが11年勤務してそれがかなうことはなく、
地方をドサ周りという状況だったためあほらしくなり辞めました。

ちなみにその会社は動かないときは20年同じ営業所ということもあります。

まだなかなか仕事が決まりませんが、元同僚から聞く限り、復帰したいとは思わないですね。

ホリ

>ヨッシーさん

コメントありがとうございます。

動かないのが良いのか、動くのが良いのか。

移動の希望をだしてもなかなか聴いてもらえず、
かと思うと、突然の異動があったり…。

すべては会社都合なんですよね。

会社に頼らず生きていけるほど強気になれれば、私もヨッシーさんのような
決断ができそうです。

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