客先常駐ヘルプデスクのどたばた業務日誌。

足が速いことと対応力/できることとできないことを知れ

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 最近ヘルプに動くのもなかなか大変になってきました。運動不足のせいでしょう。運動しようと思っていろいろ道具は持っているものの、なかなか使える機会がないのも悲しいところ。

 ロードバイクなどを持っていても、帰宅後の夜にバイクはちと危ないもの。危うきには近寄らずではないですが、どんな人であれ体が資本です。そのためにできることはやらないといけませんが、やるべきではないことは避けるべきなのです。この話でいけば、「事故でも起こしたら後がひどい」から。もちろん回避はできますが、いまの自分はまだ回避ルートを作れてないのでそもそもやらない、という方法に落ち着いています。

 やるべきではないことは避けるべき。今回のキーワードです。

◎ 仕事に入る前に

 3人のメンバーの中で一番長く常駐しているのが当方です。本社と事務所の契約はともかく、事務所とエンドユーザーの契約の内容はほとんど知りません。事務所=エンドユーザー間からしてみれば、当方は外部の人間でしかないのでそれは仕方ありません。なので、日々の会話からできる範囲を模索して対応することになります。

 一番常駐が長い当方はその経験が多いため、新常駐者のトレーナーとして動くことが多いのです。最近めずらしく入った新人さんは自分がトレーナーとして動きました。とはいえ、教えることはほとんどないんですね。常駐先の環境と状況と、あと対応範囲を教えておわり。これを2週間。

 次の1週間で1人対応をしてもらう。当方はその後ろで観察です。最後の1週間で簡単な課題を仕上げてもらって1カ月のOJTが終了。

 で、今回はこの新人さん(A君)のお話。

◎ 行動範囲と対応範囲

 このA君、インシデントコールが入ると必ず調べます。Google先生は偉大です。そしてほとんどの対応を受け付けます。

 ……じつは、この何でも受け付けてしまう体質が問題。

○例1:

A:電話の音声が遠いって電話入ったんでちょっと行ってきます
珀:あいあい、いってらっしゃい

……30分後

珀:やたら時間かかったね? どしたの?
A:いや、なんか新しい電話に交換したんですけど繋がらなくて。電話線の交換もしたんですけど。どうしたらいいんでしょう?

○例2:

A:はい、一度お伺いします……はい、失礼します
珀:……(ヤな予感がする)
A:○○部いってきます
珀:ちょいまち、何事?
A:あ、はい。先週の休日対応で、○○部でレイアウト変更があったみたいなんですけど、あるべきところにPCがないって連絡があって
珀:で、それを動かしてほしいと
A:はい

 インシデントはインシデントですけれど、実は両方とも対応範囲外。ちょっと説明します。

○ パターン1:対応は端末まで

 電話システム、別名PBXですね。当方が対応できる範囲は端末と端末に繋がる回線及び機器。もちろん例外はありますが、だいたいこんな感じ。

 例えばPCだと“PC”、“PCに繋がるLANケーブル”に“PCと直結するネットワーク機器”までとなります。落とし穴になるのはローゼットと呼ばれる分配機で、これがネットワーク機器と判断されます。なのでローゼットまでが対応範囲。

 このパターンだとローゼットから出ている電話線を含め、電話端末まで交換しているのでできることは終わり。ローゼットの向こう側……多分PBXあたりが問題になるので「総務に連絡してエスカレーション」が次にできることです。

○ パターン2:ミス請負人ではありません

 休日対応は、休日対応部隊が実行しています。で、対応内容というのはわたしたちヘルプデスクはほとんど知りません。エンドユーザーの依頼をとりまとめてくれる窓口さんからの情報(という名前の雑談)や、対応完了後の事務所からの資料で知ることができます。よってこの時点では移動前後の情報はありませんでした。

 ……ぶっちゃけると、休日対応部隊の移動ミスだったんですが、これは休日対応部隊にエスカレーションするべき内容です。そのために現地待機までしていますから。

◎ できる範囲とできない範囲を知れ

 動いてくれることは良いのですが、そのために元来受けられない範囲を受けてしまうことが多々起きました。エンドユーザー的にはうれしいことですが、事務所的にはあまりうれしくありません。受けられることを増やして料金アップといけばいいのですが、そうもいかないし、順序が逆。さらにその範囲外で何か起きたときに責任がとれません。

 最近はこのA君に再教育中です。

 「調べるのは構わんし、むしろ調べなさいと言う。が、できる範囲を調べると同時にできない範囲を調べなさい」

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