株式会社D・F・Sに在籍するキャリアコンサルタント。CDA(Career Development Advisor)の資格を取得し、希望を叶えるキャリア構築の支援をモットーとしている。

ヒントをいただければ、全力で希望に合致した求人(お酒)をお探しします

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 突然ですが、Barなどに訪れた際「何を飲まれますか?」と聞かれた時に「マスター(バーテンダー)のおすすめで」と答えたことはありますか?

 前回のコラムでは、バーテンダーさんはお客さんとのコミュニケーションの中から「最高の1杯」を提供したいという想いがあり、同じようにキャリアコンサルタントも、コミュニケーションの中から希望に合った求人をご紹介したい、そんな内容の話を書きました。

 コミュニケーションをする大きな理由は、相手の情報を得ることです。

 どういったお酒が好きなのかを聞かせていただければ一番答えに近づくのですが、詳しくないから指定することができないという方も多いでしょう。お酒に慣れてない方とBarにご一緒してカクテルを注文する際には、下記のような情報をバーテンダーさんにお伝えするようにしています。

  1. アルコールの強いお酒は好きですか、嫌いですか? 炭酸はお好きですか?
    ⇒ ショートタイプか、ロングタイプかを選択することができます。
  2. 甘い飲み物が好きですか、嫌いですか? 酸味があった方が良いですか?
  3. どのような果物が好きですか? それともハーブなどの爽やかさがお好きですか?
    ⇒ 上記2つの質問は、味の軸足をどちらに置くべきかが想像しやすくなります。反論を恐れずに言うと、カクテルにおいては「酸味と甘味」が両極だと思っています。
  4. 過去に飲んで、おいしいと思ったお酒はありますか? あるのであれば、それはどんなお酒でしたか?名前を覚えていますか?
    ⇒ 過去においしいと思ったお酒がどんなタイプのお酒か分かれば、どのような好みなのかを想像しやすくなります。ハイボールやミントジュレップが好きな方であれば、アルコール度数が低めでウイスキーベースのお酒が好きなんだなぁといった具合です。

 このような方法が正しいかどうか、バーテンダーさんに聞いたことはないのですが、注文をする際に嫌な顔はされたことがないので、間違ってはいないと信じています。なにより、こんな情報で良いあれば、お酒に詳しくなくても好きな味を指定して注文できるのではないでしょうか。

 カクテルを飲んでおいしいと思ったとき、携帯電話でも手帳でも良いのでメモしておくと、さらに楽しさは広がります。次回カクテルを注文する際に、

 「この間飲んだ、チャーリー・チャップリンっていうカクテルなんだけど、甘酸っぱくておいしかったので、それと似たような感じでお薦めのカクテルはないですか」

といったような情報をバーテンダーさんに伝えていただけると、新たな「発見」ができるかもしれません。

 ここで大切となるのは、「なぜ、おいしかったのか」ということ。

 上記の場合、「甘酸っぱさ」を軸に新たなカクテルが出てくることになると思います。

 我々キャリアコンサルタントも、「どんな会社を探してよいのかわからない」といったような相談を受けることも少なくありません。そんなとき、わたしは希望を聞くのではなく、いくつかの質問をするようにしています。例えば……。

  1. 自分で考えて仕事を進めていく方が好きですか? 決まったルールの中で仕事をした方が落ち着きますか?
    ⇒ ベンチャー志向か大手志向か、アシスタントタイプか否か、などが想像できます。
  2. 仕事に満足感を感じるのは人からほめられた時ですか? それとも自己の目標を達成できた時ですか?
  3. 仕事にやりがいは必要だと思いますか? それとも生活する上での手段だと思いますか?
    ⇒ 上記2つの質問は、価値観を知るためにお聞きする質問の一部です。仕事にやりがいを感じるためには、価値観の一致が必須条件です。生活する上での手段だと考えるのであれば、成功する可能性が高い仕事を選ぶ必要があります。
  4. 今の会社(仕事)で嫌なところはどこですか?
    ⇒ 面接ではご法度ですが、キャリアコンサルタントとの面談の際には今の会社(仕事)で嫌なところをお話していただいても問題はありません。物事表裏一体ですから、嫌なところを知ることができれば、その裏にある希望も想像しやすくなります。

 新卒の就職活動の際には、どのような会社に興味を持ったのか、前回の転職の際にはどのような企業をどのような理由で選んで応募したのか、などの情報も、カクテル選びと同様、とても参考になる情報です。

 自分にはどんな仕事が向いているのか、今の仕事をこのまま続けていて良いのか、転職をするべきなのかなど、悩んでしまったときに「どんな会社に行きたいですか?」と聞かれたとしても、答えられないと思うのですが、上記のような質問であれば答えられるのではないでしょうか。

 こんなコミュニケーションン中から、新しい「発見」を導き出して、ご提案させていただきますので、キャリアの方向性に困ったら、ぜひキャリアコンサルタントを尋ねてみてください。

 今まで2回にわたり、バーテンダーとキャリアコンサルタントのコミュニケーションの取り方の共通点をお話しましたので、次回のコラムでは、ITエンジニアのコミュニケーションの取り方で参考になるであろう「職業は何なのか?」という話を書いてみたいと思います。

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