番外編:ザ!職人
アリージョです。
今回は「尊敬するプロフェッショナル」というお題でした。ですので、わたしは、尊敬するT先輩をご紹介します!
■T先輩はこんな人……
特徴(1):厳しい |
特徴(2):不言実行。でしゃばらない |
特徴(3):何でも知ってる。しかも、詳しい |
特徴(4):自分の考えたやり方で、実行。改善というより革新!? |
■特徴(1):厳しい
特徴の1つ目に挙げたくなるくらい、厳しいです。
T先輩の言葉で、何度トイレに駆け込んで泣いたことか……。でも、後で思い出すと、怒られて当然ってことが多いんです。
T先輩にはたくさん怒られたけど、その中でも一番覚えているエピソードをご紹介します。
それは、わたしが新人の時。画面表示する際に、必要のない項目も取得するselect文を書いていたところを、T先輩に発見され……。
T先輩:「このSQLを書いたのはお前か! 必要のない項目も取得してるじゃないか! 何考えてるんだ!(怒)」
わたし:「はぁ。でも、ちゃんと動きますよ。いらない項目取得してても、別にプログラムがヘンな動きするわけじゃないし……」
T先輩:「ぶちっ!(ほんとに血管が切れた音が聞こえた)。お前~~~! そんなSQL書くやつは、うちにはいらん!! 出ていけ~!(怒!!!!)」
……まあ、今考えればT先輩が正しいですよね。
必要のない項目を取得するsqlを書けばレスポンスが下がりますから。わたしもかなり生意気でした……。
でも、こうやって真剣に怒られることで、「自分自身が書くプログラムには責任を持たないといけないんだ」「自分なりになぜこうしたか理由が言えるくらい理解してないと、分かってるって言わないんだ」って学べました。そのおかげで、今のわたしがあると思います。
最近は、ここまで怒ってくれる厳しい先輩も少なくなった気がしますね。
■特徴(2):不言実行。でしゃばらない
T先輩は、自分をアピールしません。
大口を叩かず、それでもきちんとやり遂げます。
「えらそうに言うけど、何もしない」評論家タイプではないんです。
有言実行が最も評価されるのは分かっているけど、そんなことは恥ずかしくてできない職人肌&九州男児なんですよ。
大口を叩くけど打たれ弱く、「がんばります!」って勢いでやってきたわたしとは大違い……。
余計なことは言わず結果だけで勝負する。
……サムライ?(笑)
■特徴(3):何でも知っている。しかも、詳しい
とにかくT先輩は何でも知っています。
うちの会社ではJavaを使ったWebアプリケーションの開発が多いのですが、それに関する技術全般はもちろんのこと、うちの会社であまり取り組んでいない、「.NET」「Ruby」なんでもござれ。
言語にとらわれず、ソフトウェアエンジニアリング、ITアーキテクトに必要な知識(分野さえ思い浮かばないわたし)などなんでも知っています。
それに、業務知識もきちんと勉強して習得済み。知っているエリアも広い。
そんな彼の行動を見ていると……。
まあ、とにかく本を読んでいます。片時も本を手放さないんじゃないかっていうくらい。
何かを習得しようとするとそれに関係する本はすべて読んでいます。Webサイトのチェックも怠りません。でもそうやってたくさん本を読んで勉強していることを公言しない……。
本人曰く、「こんなの知っているうちに入らない。有名な方々はもっと本を読んで、日夜勉強してるんだ。当たり前だ」って、不機嫌そうにおっしゃいます。
■特徴(4):自分の考えたやり方で、実行。改善というより革新!?
例えば、「生産性を上げるためにどういう工夫をしますか?」と尋ねられたら、あなたならどう答えますか?
仕事次第ですけど、例えばプログラマなら自身の生産性を上げる為に勉強をするとか、共通部品を作るとか、そんな感じでしょうか……。
こういった取り組みももちろん大事だけど、もっと効果的な方法はないか……。
それをしっかり考えて取り組んでいるのがT先輩です。
今では当たり前の「ソースを自動生成するツール」「自動テスト」なんかも、自社で一番に取り入れて生産性や品質の向上という成果を出しています。
こういうできる人は、いつも「ゼロベースで問題解決に望む」ってところだと思います。
以前やった手法や今ある形態にとらわれることなく、どうやったら問題が解決できるか、真に考えている気がします。
★考えてますか
そんな尊敬するT先輩。
会社でも彼を恐れる人は多く、でも彼を尊敬している人も多いという、職人気質な人です。
IT業界は、昔は頭脳を使って職人技でシステムを構築していた気がするのですが、今は製造業のように、上流から下流へオートメーション化されたような開発プロセス・仕組みを使った開発スタイルに変わってきた気がします。
例えば、プログラマは言語さえ分かればマニュアルに従って何も考えずにものを作れて、作るソースコードの60%は自動生成されている……とか。
例えば、設計者は、決められたフォーマットの必須項目を埋めるように設計書を書きさえすればいい……とか。
なぜそういう設計書のフォーマットじゃないとダメなのか、なぜこんなクラス構成になっているのかとかを「考え」なくても、設計者やプログラマをこなせてしまう時代が来ていると思います。
マニュアルどおりに行動すればいいだけだから、勉強しなくてもできちゃうから、勉強しない……。負のスパイラルに陥ってる気がするのは、わたしだけでしょうか。
そんな中、職人気質のT先輩が、試行錯誤してきっちり「考えながら」「自分で学んだことを生かして」仕事をしているのは、尊敬に値する姿だと思います。
「考える」ことをやめて、言われたとおり実行するだけの人を、この業界は求めていないでしょう。
この業界に求められる人になる……。
そのために必要なのは、「勉強すること」「考え(時にはゼロベースで)行動すること」なのではないでしょうか。
そして、このT先輩のような、「ザ! 職人」の方が、わたしたちの進むべき道を教えてくれる気がします。