いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

イノベーションより下克上

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■そもそも下克上とは

 日本の会社で下克上を実行したら、たちまち村八分にされてクビになるだろう。それでも私は下克上を推奨したい。Wikipediaで下克上と調べてみると、思ったよりいろいろな種類の下克上があるようだ。何かイメージしているのと違うもののようだ。

 なので、Wikipediaに載っている"下克上 (げこくじょう)、日本史において下位の者が上位の者を政治的・軍事的に打倒して身分秩序(上下関係)を侵す行為をさす。"というところに視点をおいてコラムを書いていきたい。ただ、現代の日本において、軍事的に上司を打倒したら逮捕される。ここは軍事的ではなく、実績や能力的なものでと解釈していただければと思う。

■討ち取りたくなる上司

 こんな事を書くのもどうかと思うが、上司があまりに理不尽で軍事的に制圧したくなってる人もいるはずだ。ロクに努力もせずに責任丸投げでポストをキープしてるような人をみると、職場に日本刀を持ち込みたくなる。

 確かに武力行使は公共の道徳に反する。だが、上司を討ち取りたくなる気持ちは否定しない。こういう反骨心みたいなものが無いと技術を学ぶ気になれない。今思うと性格が悪いなぁと思うが、一時期、自分の上司に反抗したいがために技術に没頭した時期もあった。

 アメリカとかでは、実力行使で上司を追いやることもぼちぼちあるみたいだ。聞いた話なのでよく分からん。知ってる人いたら逆に教えて欲しい。だが、そういう風土だからこそ、後発も立場でも勝てる。だから、イノベーションと呼べれるようなものが巻き起こるのだろうか。

■矛先の向け先を間違えてはいけない

 働く上で、周りと協調することは大事だ。だが、下克上したくなるような煮え返る心情も大事にすべきだと思う。そもそも、抑えるなんて無理だろう。無理に抑えたとしても、別のところで皺寄せが出ておかしくなる。

 下克上したくなったら、転職するのもいいだろう。転職して今より成果が出せれば気も晴れるだろう。そもそも、下克上したいくらいの気持ちがなければ転職もうまくいかないんじゃないだろうか。強い気持ちがなければ、人間は真剣に物事を考える事ができないからだ。

 もっと自分の気持ちに素直になってもいいんじゃないかと思う。職場で「敵は本社ビルにあり!」くらい叫ぶくらいの気持ちがあっても否定しない。部下の反発にまともに返答できない上司なら、いっそ討ち取られた方がいいかもしれない。

■逆説的な調和

 下克上を否定しない。そういう考えだと現場が殺伐とするんじゃないか?と考える人も多いと思う。だが、私が実際やってみたところ逆だった。確かに、みんな仲良しな雰囲気はブチ壊した。だが、実力行使で築けた信頼関係はあった。

 部下が本気で反論すると、こちらも本気で考えて対応せざるを得ない。理不尽な返答をすれば、返り討ちに合う。そういう循環の中で、お互いが考えるようになる。リアルな返答力が問われたので、かなりしんどかった。だが、理を通した返答にかんしては、きちんと納得してくれた。それが信頼に繋がった実感はあった。

 今の日本の企業に必要なのは、イノベーションではない。下克上だ。下克上する側は手加減無しで挑んでくる。そういう勢いがまず必要だ。そして下克上された側は、本気で対応する。権力で押さえつけるのでなく、きっちり納得させる。コレがマネージャとしての能力ではないだろうか。 

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