いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

もしドラ ~もしそこに、ドラえもんがいたら~

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■きっかけは、あるTweet

  「のび太の鉄人兵団」。あれの小説版が傑作らしい。そのツイートを見て以来、見てみたくなった。こっそり、ツタヤでDVDを借りて見てしまった。突っ込みどころは満載だが、何かぐっとくる物があった。

 私はまだ、少年の心を失っていなかったんだ。ふとそんなことを思った。

■ドラえもんの道具とエンジニア

 これを読んでいるエンジニアに問う。

 もし、ドラえもんがいたとしたら、どんな道具を出してもらうだろうか。

 夢が膨らむ話だ。いや、大人の僕たちに膨らむのは薄汚れた欲望かもしれない。

 ドラえもんの出す道具は便利だが、エンジニアとしてののツボをくすぐる物ではない。私はそう思う。ドラえもんの4次元ポケットから、「極上タッチのキーボード」とか、「軽々・パワフルなチェーンソー」とか、地道に便利な物が出てこない。なんか、使うことの至福感。そういう物を感じられる道具を出してほしい。

 もうちょっとこう、大人な道具って出てこないものかな。「違いの分る男用」みたいな。

■ドラえもんにダンディズムを求めたい

 つまり、ドラえもんの出す道具は直接的すぎる。目的は達することはできても、途中にあるものを全部吹っ飛ばしてしまう。

 ここは重要だと思う。いろいろ悩んだりして達成した爽快感、工夫をする楽しみをすっ飛ばしてしまわないだろうか。

 そんなことで、もしそこにドラえもんがいたら、本をポケットから出して欲しい。22世紀に書かれた本。秘密の道具で一気に状況を覆すのもたまにはいいかもしれない。でも、まだ実現していない未来のテクノロジーに思いを馳せてみたり、未知の文化に触れてみるのもいいんじゃないかと思う。

 道具ばかり借りるのではない。ドラえもんに21世紀の男のダンディズムを見せつけてやるんだ。

■君の欲しいのはドラえもんか。ポケットか。

 実はドラえもんはどんな道具より価値のあるものを持っている。それは未来の経験だ。ドラえもんを見る多くの人は、そのセンセーショナルな道具の数々に魅了される。ドラえもんより、ポケットの方に興味津々だろう。

 ドラえもんという、ソフトに価値を見いだすか。それともポケットというハードに価値を見いだすか。それはちょうど、人間の精神的なものを重視しているか、それとも物質的な物を重視しているかというのと似ている気がする。

 道具で願望を叶えるか。それとも22世紀にロマンを馳せるか。君ならどちらだろうか。

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