あこがれの書斎を求めて
■告知
今回は、本題の前に1つ告知をさせていただきます。みなさまの「勉強会参加ストーリー」を募集しています。詳細は今回のコラムのラストをお読みいただき、メールにてご応募ください。ご協力よろしくお願いいたします。
詳細はこちらから。ご応募お待ちしております!
■さて本題
突然ですが、みなさんは書斎をお持ちですか?
お持ちの方にとっては、残念ですが今回のコラムに読むべきところはありません。収入や住宅事情に余裕がおありで大変うらやましい限りですので、できたら「どうやって書斎を手に入れたか」を教えていただけないでしょうか。
お持ちでない方、こんにちは! こんばんは!
趣味のあれこれをするために、できれば「こもれる」スペースが欲しくありませんか? わたしはすごく欲しいです。が、残念ながら収入や住宅事情が許さないので持っていません。
■「仮想書斎」という考え方
ちょっと僻み気味の前置きが長くなりましたが、今回は「書斎はないけどこもりたい」という願望を少しでも叶えるためのあれこれをテーマに書いてみます。ちなみに、書斎の「斎」という時には……
物忌みや勉強のために1つの場所に「こもる」ことをいう。
という意味があるのだそうです (via Wikipedia)。知らなかった!
■仮想書斎でできること
まず前提として、趣味のあれこれは「ネットにつながったパソコンがあればなんとかなる」ものに限定します。わたしの趣味の大半がそれで賄えるという勝手な理由ですが、ちょっとした Hack で手に入るささやかな環境でできる範囲、ということでご了承いただきたい次第です。
とはいえ、今や「ネットにつながったパソコン」でできることはかなり広がりました。趣味の開発、ゲーム、映画鑑賞、コミュニティ活動などなど。これらを落ち着いて嗜むために、いくつか必要なものがあります。
■仮想書斎を実現するには
仮想書斎にこもってあれこれするには、3つの重要なアイテムが欠かせません。順にご紹介します。
●ノートパソコン
いきなり当たり前ですが、これがないと話は始まりません。すでにお持ちでしたら、このポイントはクリアしていることになります。お持ちでない場合は、なんとしても手に入れましょう。
ただし、なんでもいい、というわけではありません。いくつかポイントを挙げます。
- 持ち運べる重さ
⇒ 後述しますが、「仮想」書斎なのでノートパソコンを持って出歩くことになります。持ち歩く気になる程度には軽いマシンがいいでしょう。個人的には本体重量2kgぐらいが限界かな、と思っています。 - やりたいことにマッチしたスペック
⇒ プログラミング用途でしたらメモリが多い方がいいでしょう。映画鑑賞でしたらDVDドライブが必要です。ゲームをしたいならある程度のグラフィック性能が要求されることになります。 - ちょっとした覚悟
⇒ 新規に購入する場合、「wife稟議」を通さねばならないこともあるでしょう。説得にも骨が折れますし、交換条件として厳しい提示があるかもしれません。それらを受け入れるためには、「仮想書斎でこれがしたい!」という覚悟が必要になります。
わたしは前職で貸与されていたLet's Note R7であれこれしていたのですが(※このエピソードはフィクションです)、自前のノートパソコンは持っていませんでした。持ってないと不便きわまりないのでいろいろ検討して、MacBook Pro(13インチ)を買いました。PowerMac 7200/120以来13年ぶり(!)に買ったMacintoshのものすごい進化っぷりに驚いています。主な目的は趣味の開発と勉強会向けプレゼンテーションですので、一番安いモデルにメモリだけ追加(+2GB / 計4GB)しました。iWorkとあわせても15万円しないなんて、いい世の中になったもんです。
●インターネット接続
今やネット接続のないパソコンは何に使ったらいいかよくわからないぐらい、オンラインなのが当たり前になってきました。「仮想書斎」であっても、ネット接続がないとかなり残念なことになるでしょう。どの程度の頻度・速度・エリアが必要かを整理した上で、以下のような方法を検討してみることになります。
- 携帯電話接続
⇒ イーモバイルに代表される、携帯電話のキャリアが提供するデータ通信機能を利用する方法です。月額数千円程度かかりますが、利用可能エリアが広いのが特徴です。キャリアによってはhttp / pop / smtpなど代表的なポート以外を利用不可もしくは定額料金の対象外にしているところもありますので、用途にあわせて事前調査しておきましょう。 - WiMAX接続
⇒ UQ WiMAXに代表される、無線ブロードバンドサービスです。比較的安価で高速というメリットはありますが、利用可能エリアはまだまだこれから、という印象です。15日間のお試し利用をさせてくれるようですので、行動範囲内でどの程度使えるか下調べをしましょう。 - 公衆無線LAN
⇒ HotspotやBBモバイルポイントなど、飲食店や公共施設で利用できる無線LANです。設備がある場所でしか使えませんが、月額数百円から使えるのでコスト面でのメリットがあります。
わたしはauのデータ通信カードとUQ WiMAXのモニタ利用を経て、現在はイーモバイルを使っています。個人的な印象では、エリアはauが一番広く、速度はイーモバイル(D31HW)が一番出るように思います。
●ハックスペース
さてやっと本題に近づいてきました。仮想書斎とはつまり、「ネット接続のあるノートパソコンを持って家の外であれこれしよう」というHackです。そのためには、あれこれするための場所も重要になってきます。
場所選びのポイントを挙げてみましょう。
- 電波
⇒ ネット接続の手段を用意しましたので、その電波が届いていないとどうにもなりません。公衆無線LANを使う場合は、提供している会社の設備が導入されたファーストフードやカフェを選ぶことになるでしょう。 - 電源
⇒ 最近は客席に「使っていい電源」を設置してある店が増えてきました。ただし、普通のノートパソコンでしたら2~4時間ぐらいは作業できるでしょうから、事前に充電することで必須条件ではなくなります。勝手に掃除用のコンセントなどを拝借するのは「窃盗」にあたりますので注意しましょう。 - 環境
⇒ わたしはタバコを吸いませんので、禁煙もしくはしっかり分煙された場所でないと長居できません。ファストフードだと揚げ油のニオイが気になったり、学生が多い場所だと騒がしかったりと、落ち着いて作業するにはいろいろ敵があります。ガマンできる条件と譲れないポイントをリストアップして、候補を吟味しましょう。 - 立地
⇒ そこに行くためにコストがかかると、無駄な負担が増えて敷居が高くなります。もし、あなたが定期券を持って通勤している会社員ならば、通勤ルートのどこかを中心に探しましょう。
わたしにとっては、必須条件が「イーモバイルがつながる」「煙くない」、譲れる条件が「電源(フル充電で3時間程度使えるので)」「静寂(ヘッドホン+ネットラジオで耳を塞げるので)」、となりました。
都内で探すなら「ハックスペース」というサイトが大変便利です。電源や無線LANが設置されたカフェなどの情報が集積されています。
■そしてwifeをhackする
いろいろ書いてきましたが、「仮想書斎」についてご理解いただけたでしょうか。こうして装備を整え場所を確保しておけば、毎日の仕事をちょっと早めに切り上げ、帰り道に「仮想書斎」にこもることができます。つまり仮想書斎とは「平日夜にhackする時間と環境を確保しようプロジェクト」と要約できるのです。
当面、wifeには「会社で残業している」ことにしておきましょう。わたしの経験上、家に帰ってからパソコンに向かって作業しているよりは、残業で遅くなっている状態の方が比較的「不機嫌メーター」の上昇率が低いようです。
本当はhackしている時間を容認してもらうのが理想です。hackの時間はスキルアップのための時間。結果的にエンジニアにとっては、自分の価値を高めるための大事な投資です。残業と同じかそれ以上に価値があり、かつ必要な時間だということを理解していただきたいと、wifeのみなさまには強くお願いいたします。
■まとめ
今回のコラムの原稿も、とある「仮想書斎」で仕上げとアップロードを行いました。まあまあ快適な場所なので気に入っているのですが、妻に読まれるとバレてしまうなぁ……。これは困りました(笑)。
きょうのwifehack:
- 「仮想書斎」を実現するためにノートPCと通信手段を入手しよう
- 「仮想書斎」にこもるためにハックスペースを確保しよう
- wifeの「不機嫌メーター」を上昇させないために、必要であれば「偽装残業」しよう
最後に。「偽装残業」にしても「正直申告」にしても、ハックスペースの場所だけはwifeに秘密にしておきましょう。「マクドナルドにwifeがお迎えに来た」なんて事態だけは避けねばなりません。
■Links
●書斎 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9B%B8%E6%96%8E
●電源のあるカフェを探すなら【ハックスペース】
http://hack-space.com/
●hack_space (hack_space) on Twitter
http://twitter.com/hack_space
●ITmediaニュース:出先でノートPCが電池切れ、“窃盗”せずに使えるコンセントはあるか?
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0403/23/news001.html
■告知 :
「はじめての勉強会参加ストーリー」をお聞かせください
さて、ここでお知らせとお願いです。勉強会主催者のためのコミュニティ「勉強会×勉強会」が、10/30、31日の2日間、「オープンソースカンファレンス2009 Tokyo/Fall」にてセッションを行います。
タイトルは「はじめての勉強会参加ストーリー」。
みなさまが初めてIT勉強会に参加したときの体験や思い出などをお寄せいただき、ラジオ形式でご紹介します。
このコラムのテーマとは少しずれていますが、わたしも勉強会主宰者の端くれ。参加者を増やしてコミュニティを盛り上げるために、ぜひみなさまの体験談をお寄せいただきたく、この場をお借りしてお便りを募らせていただくことにしました。
詳細と応募テンプレート、メールの送り先はわたしのblog『「勉強会 x 勉強会(metacon)ラジオ」について告知する: Kwappa開発室』にまとめてあります。
みなさまの体験談をどうぞお寄せください。よろしくお願いいたします。
●「勉強会 x 勉強会(metacon)ラジオ」について告知する: Kwappa開発室
http://kwappa.txt-nifty.com/blog/2009/10/x-metacon-cb5b.html
コメント
ヴァン
こんにちは。
書斎は自宅を建築するときに無理やり一畳ほどのスペースを確保しました。
夜な夜な、こっそりネット見たり、DVDを見たりしてます。
次に自宅を建てるときはソファーに座って大画面でDVDが見れるようなスペースが欲しいですね。