オフショア開発におけるプロセス定義の工夫
こんにちは、ベトナムオフショア開発会社を運営しております、IDS Vietnam CEOの柴田達真と申します。
今回は「オフショア開発におけるプロセス定義の工夫」についてお話しさせて頂きます。
オフショア開発は国や文化の違いにより認識のズレや時差による進捗への影響など、少なからず課題が発生します。オフショア開発を成功させるには、その起きうる課題を予め管理することを目的とした、効果的で効率的なプロセス定義が重要となります。
どのような工夫をすればよいか、ご紹介していきます。
オフショア開発におけるプロセス定義の工夫
①コミュニケーションプロトコルの確立
コミュニケーションプロトコルとは、コミュニケーションを行う手順や通信方法を予めて決めておくという意味です。
時差や文化の違いのあるオフショア開発では、いつ・どこで・どのような内容を話すのか・ミーティング方法・所要時間・参加者など予めルールとして決めて置くことが必要です。
また"どのような内容を話すのか"ついても明確にする必要があります。
進捗状況、課題、課題の対応策について誰がどのように報告を行うのか細かく決めておきましょう。
抜け漏れがないように、報告書のテンプレートを作成し、すべて記入して会議に臨んでもらうように徹底するのも、良い方法です。
また、進捗がない場合でも、ミーティングを行うようにして習慣化させましょう。
時間が余るようであれば業務以外の会話を行うなど、定期的にコミュニケーションをとることで、遠隔地にいるオフショアメンバーと親睦を図ることもできます。
②タスクの分割と責任の明確化
遠隔地かつ人数の多い開発現場では、各人の進捗が全体の進捗に大きな影響を及ぼします。
各人にタスクを割りあて、予定通りに進捗してもらう責任感を与えることが重要です。
具体的には、プロジェクト内のタスクは小さい単位に分割し、それぞれに担当者を予め割り振ります。いつまでにタスクを仕上げられるか、事前に担当者をすり合わせを行い、その意見を基に全体のスケジュールを組み立てます。
そうすることで、担当者に責任を与えることができ、また進捗管理が行いやすくなります。
ここで気を付けて頂きたいのは、「このタクスはきっとこの担当者がやるだろう」と希望的観測を持ち、作業担当者を曖昧にしてしまうことです。
オフショア開発現地では依頼された作業はしっかり行いますが、日本人のようにあいまいな指示を深読みして動くことはありません。
タスクは担当者を明確にし、タスク割りや新たな作業依頼などは、ミーティングを設定して口頭できちんと伝えるなど、本人がタスク内容や実行日をきちんと認識できている状態を作りましょう
③共通のツールやプロジェクト管理システムの採用
オフショア開発側と日本側で別々の管理を行うと、収集がつかなくなります。
またエクセルなど自身でカスタマイズできてしまうもので管理してしまうのも避けたいです。
タスクの進捗・課題・資料の管理などを一元管理が行える、共通のツールやプロジェクト管理システムを活用しましょう。
ツールとしてはNotionやBacklogなどはガントチャート作成機能がついており、チームの生産性向上にも繋がります。
ツールの利用ルールについても、プロジェクト開始前に日本側とベトナム側で認識合わせを行い、またうまく利用できていない担当者には改めてルールの徹底を依頼するなど心掛けましょう。
全員が慣れるまでは、時間がかかるかもしれませんが、結果的には生産性が向上に繋がります。ナレッジを貯めていくという点でも活用できます。
④時差をうまく活用する
オフショア開発では時差をうまく活用することができます。
ベトナムを例にあげると
ベトナムは日本との時差は-2時間。日本時間AM11時がベトナム時間AM9時となります。
この場合は、日本時間11時と日本時間18時に進捗の確認や課題の報告を行うことをお勧めします。
まず午前中の11時にミーティングを設定することで、日本側は11時までに、業務や指示内容を整理することができます。一方、ベトナム側は始業開始直後に前日課題や本日の進捗予定を報告できます。
続いて18時にミーティングを設定することで、双方の進捗や課題の共有ができ、またベトナム時刻は16時の為、もしも緊急のタスクなどが発生した場合も、メンバーが帰宅してしまっているとことはなく、スムーズに対応してもらえるといった形をとることができます。
時差を逆手にとり、うまく活用することがオフショア開発の強みとも言えます
まとめ
オフショア開発におけるプロセス定義は早期に着手し、整った状態でスタートを切ることが重要です。
上記であげたコミュニケーションやタスク割りも大事ですが、オフショア開発先国の文化や商習慣を予め認識し、どのような課題がでてきそうかを予測した上で、どのようなプロセスが必要か検討することでオフショア開発の成功に繋がります。
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本記事では書ききれないアドバイスやオフショア開発を開始するまでに確認しておいた方がよいことなど、お伝えできることがまだまだありますので、もっとお話しを聞きたいという方はぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
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