あなたの「いいね!」は、ホンモノか
前回「次回は任せる勇気について書く」と宣言していた私ですが、考えているうちに路線がズレてきたので、ま、いっか、とテーマを変えてみました。
◆ほほえましい光景
先日入った喫茶店での出来事。隣客は、商談中のようだ。
隣客の部下らしき男性が、自分の上司のことを
「○○とは付き合いが長いので、○○の考えてることは分かりますから、大丈夫ですよ」と、お客さまにとても優しい表情で話している光景に出合った。
この男性の素直な気持ちが、この言葉を言わせていることが分かるのは、表情からも見て取れた。また、その部下と上司の信頼感が手に取るように伝わってきて、なんともあたたかい気持ちになった。
で、なんでこんなにも良い表情でこのセリフが言えるのか。
しばし、持論にお付き合いいただければと思う。
◆あなたの「いいね!」は何かがちょっと足りない。
褒める、認めるということができない人って、結構多い。
部下が「これ、見てもらっていいですか?」と聞きにきたとすれば、OKをもらいたいと思っているか、上司の視点からアドバイスを受けたいと思っているか、だと思う。
このような場面で、部下に対してあっさりと「いいと思うよ」ナンテ言ったことはないだろうか。
上司の方は、“良い”と言ってるんだからいいじゃない。と思うかもしれないが、どこがどういいのか、きちんと説明してもらわないと、部下の方は「適当に言いやがって」と思うものである。
また、何らかのアドバイスを求めているかもしれないのに、何ももらえないと成長も妨げられてしまいかねない。
こういう積み重ねが意外と怖い。
「上司に聞いてもこんな調子なら、聞かなくてもいいか…」
「少しぐらい仕事の精度が低くてもいいか…」
と、上司がいい加減な態度を取ったばかりに、部下の仕事へのモチベーションが低下しまい、仕事の質まで低下させてしまう可能性があるのだ。
ほら、結構怖いでしょ。
Facebookでは「いいね!」「いいね!」って言ってるけど、生のコミュニケーションは、それだけではダメなのです。
◆では、何をすれば?
先の事例で言えば、
- どの内容がどう良かったか(簡単でヨシ)
- 付け加えるとすれば、こんな内容はどうかな?
を、言ってあげるだけで、上司への信頼度はアップします。
そう、もう少し、部下に対して注意・関心を持ってみませんか?
自分から興味を持たない限り、上手に褒めてあげることはできません。「褒めるとこがない」とか「アイツには、何の仕事も触れない」とか言う人がいますよね(もしかして、これを読んでいるアナタも身近な部下にそう思っていたり!?)。
そりゃ、経験豊富な上司から見れば物足りないことだって多いでしょうが、その部下を一人前に育てるのも上司の仕事ってもんです。納期に追われて忙しいのは分かりますが、いつでも仕事に追われるのは自分だけ、という構図は恐ろしいですよね。なので、教育をおそろかにしない、というと壮大なので……コミュニケーションをおろそかにしないでほしいです。
信頼関係が、将来のあなたの仕事を気持ちよく運びます。最初の話の彼もそんな信頼関係を築いているからこそ、素直に出る言葉だったんでしょうね。
そのためには、「いいね上司」から今すぐ脱却しなきゃ!