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SEは「エンジニア」なのか

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 はじめまして。

 このたび執筆させていただくことになりました、コンテンツ・プランナーの及川です。

 システム・エンジニアとしてこの業界に入り、今は自社で開設したRuby教育サービスの講師と、SIerの視点から技術動向を調査・研究する立場として活動しています。

 このコラムでは、技術的なことは控え、色々な人との出会いや会話の中で学んだことを中心に自分の意見を述べていきたいと思います。

●タイトル:おしてもダメならひいてみようについて

 「おしてもダメなら」で検索すると、水前寺清子さんの「おしてもだめならひいてみな」がヒットしますが、特に関連はありません。携った仕事の中で、意外と過去の経験から解を得ることが多かったので、「新しい情報だけでなく過去にも目を向けよう」という思いからタイトルを付けました。

 機会があればここで述べていきたいと思います。

●SEは「エンジニア」なのか

 第1回は、あえて地元の飲食店を経営されている方々とのコミュニケーションから感じたことを述べたいと思います。

 職業柄、帰宅時間が遅いのもあり、地元に戻ってから食事をする機会が増えました。少し前までは、若いなりに会社の良し悪しについて同僚と議論する飲みが多かったです。同僚と飲むより地元で飲む機会が増えたのは、地元の床屋さんで飲食店の紹介をされたのがきっかけだったと思います。後は、飲食店の方々が、閉店~片付けを済ませて集まってくる時間帯と、帰宅の時間が近かったために、知り合う機会を得たこともあります。

 その場の勢いで「行くよ」と応えますが、その後1人で訪れるのは正直、かなり勇気がいりました。今はもう、行くだけの価値があったと主張できます。まず、他の業種に関られている方は、自分にはない視点でITに対する問題を抱えていると実感できます。私はPCを必要としない方がいたことが衝撃的でした。

 飲食店の方は、市場の動向や相場、ご近所話が中心だったようで、私の仕事に興味をもってくれました。私達の中では当たり前だと感じていた内容に対して、「すごいね」と言われることが新鮮でした。

 ただ、忘れてはいけないのが、私はおいしい蕎麦をうてるわけではないし、寿司も握れない。自分で焼いた焼き鳥や、揚げた銀杏が職人さんたちよりおいしい訳がない。おいしい食べ物に出会えるのは、それを専門的にされている職人さんがいてこそだということです。

 私が利用している飲食店は、当然、おいしいと思っているから通わせて頂いていますが、それ以上に出産地に関する情報や、旬のもの、一緒に飲むとおいしいお酒まで、Webでは気付けない情報をお客さんに丁寧に教えてくれるところに魅力を感じるからだと思います。

 以上のことから、SEはIT業界の知識は多いかもしれませんが、決して世の中全体からすると、特に優位・不遇な立場にある職業ではないと考えます。個人的には、エンジニアより、ソフトウェアという工芸品を取り扱う「職人」に近い印象があります。

 その中で、頑固オヤジと称される「上から目線」でもの言うことを目標にするのもいいですが、私は、ただおいしい食べ物だけでなく、情報や雰囲気といった付加価値を提供できる職人さん達から学び、IT業界での「職人」のあり方を追求していきたいと思います。我々の場合は、あえて複雑に考えず、できることに整理することが期待されているように感じます。

 まずは「各自の立場でできることをがんばれ」ということでしょうか。

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