「エンジニアと結婚」について考える
第3回は「エンジニアと結婚」について述べたいと思います。
まず、私は独身です。幸か不幸か結婚について真剣に考える機会は少ないです。
●なぜ?
働いている時間帯が不規則になりがちなので、家族の理解を得がたい職業だと思うからです。
そして、今は仕事が充実している分、限りある自分の時間を他にとられるのが窮屈だと感じるからです。
あとは、性別を問わず、相談も馬鹿騒ぎもできる仲間に恵まれているからです。
一方で、何よりも仕事に絡んだ弱みを身内に悟られるのが怖いからだと思います。
●「余裕」と「自由」のバランス
結婚している同僚や友人と接していると、「余裕」があるなと感心します。それは金銭的、物理的なものからくる「余裕」ではなく、雰囲気や精神的な面において感じます。私は上司をはじめ、周りに「結婚していい加減に落ちつきなさい」とよくいわれます。たしかに、仕事も趣味も「自由」にさせてもらっているので否定できません。
しかし、「結婚=落ちつく」という考えには疑問があるし、多分、今のままでは結婚しても落ちつかない気がします。
反対に、デスマーチ中やトラブルを抱えた時期に「相方や子供に口をきいてもらえない」という話も耳にします。実際、ここでは書けない修羅場を目の当たりにすると、誰に迷惑かけることなく1人でいることに「余裕」を感じる場合があります。
つきつめていくと、既婚者も独身も「余裕」と「自由」のバランスが維持できていれば幸せなのではないのでしょうか。
●「出会う機会」は少ないか
相手がユーザーのシステム担当の方だったり、同僚と結婚している仲間を見る限りでは、機会に恵まれていない訳ではないと考えます。ただ、エンジニアという職業を理解してもらうのはなかなか難しいのではないでしょうか。3Kのイメージしかり、21時、22時を回ってから飲みにいくとか、定時で終わる職の方には理解されにくいと思います。
●結婚式は「プロジェクト」だ
余談ですが、友人が結婚式で計画やリスクマネジメント、担当割当などの面でエンジニアのスキルが活かせたといっていました。その時に司会を任された側からすると、競合とのコンペの方が余程気が楽でしたが……。一大イベントで役に立つならエンジニアも良い職だと思います。
●仕事は「相方」になりえるか
成果・成功を仕事に求める部分はあるけれど、仕事の道具は仕事以外で目にしたくないですね。そして、いつも外で忙しく動くのが好きな裏には、自分自身「孤独」を恐れているからだと思います。
仕事に没頭していると、ある程度の充実感に満たされるため、深く考えたことはありませんが、やはり仕事だけが「相方」だと寂しい気がします。
●結婚した後もエンジニア
選択肢の提供という意味でも、ぜひ環境を整備するべきだと思います。せっかく培ったスキルだし、退職を惜しまれる方もいらしゃいました。幸いにも我々は「プロジェクト」という形で期間が区切られるので、短期間の復職が可能な制度や、在宅で可能な環境が整備されていくと良いと思います。
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以前に比べ、仕事のスタイルや個で生きていく選択肢が増えたので、個人的には「生活のために結婚するのはあたりまえ」という意見には賛成し難いです。まだ色々できることがあるのに、「結婚」を終着点とされるのが残念です。今は、弱い一面を見せられる相手が1人いれば、形式にこだわる必要もないと考えます。
私は独身なので「結婚」の深い部分は見えません。とはいえ、エンジニアとしての仕事も、結婚も、結婚されたご家族とのおつきあいも、結局は人との関わりを避けて通れないと考えます。
年齢や周囲の意見に左右されることなく、共感できる相手、自分にないものを持っている相手が見つかった時に「結婚」を考えればいいのではないでしょうか。