キャリア20年超。ずっとプログラマで生き延びている女のコラム。

夢はプのつく自由業!

»

 気が付けばもう49歳です(←大台一歩手前)。

 今のところまだなんとかプログラマの稼ぎだけで食べていけてます(←逆を言えば、プログラマ以外の仕事で稼げる気がしない)。なしくずし的にフリーランスになって1年半になりますが、なんとかなるものですね。

 正社員を辞めたという話をしたら、「起業するんですか?」というご質問をいろいろなルートでいただいたんですが、起業の夢なんて1ミリも持ち合わせていません。「できればプログラミングだけしていたい」なんて人が起業するメリットって思いつきませんし、それよりなによりめんどくさい。

 会計ソフトを頼りに確定申告する程度が、わたしの事務処理能力の限界です。もしいつか、起業するのが一番効率がよいと判断できる夢ができたら、その時はがんばるかもしれませんが。

 そもそもだよ。やりたいことがあるからフリーランスになったんじゃないんだよ! やりたくないことがあったからフリーランスになっちゃったんだよ! むずかしいこととか、ちゃんとしたことなんてなんにも考えてないよ!(←開き直った)

 ところで、去年の暮れに「夢は正社員になること!」というキャッチコピーが話題になりましたが、それをみて、「起業する気はないけど、正社員もどうも向いてない。でも仕事をする気はあるんだよ」というわたしみたいな人は、世間的にはどうにも中途半端な存在にみえるのかもなあ、と思いました。

 「集団の上に立つ」or「集団の中に入る」という二択が基本で、どちらも選ばないというのは、社会人としての信頼度が下がる、というか、ギャンブラー系もしくは非コミュ系の人だと判断されてしまうのかなあ、と。

 実は、去年、引っ越しをしたんですけど、新しい部屋の申し込みの際に書類に「個人事業主」と書いたらそれでちょっと揉めました。噂には聞いてましたけど、本当にそういうのがあるんですねえ。「ある程度の貯金はあるし、収入も今のところ安定してるし、借金もない」と主張したんですけど、「でも、個人事業主なんですよね」と言われて、結局、保証会社を通す、ということで決着し、余計な書類と支出が増えました。

 で、考えてみたら、わたしが派遣社員だった時期も引っ越しはしてたわけで、その時はまったくそういったことは問題になってなかったんですよ。

 お金がどこを経由するかが違うだけで、フリーランスも派遣も似たようなもの、というのがわたしの認識だったんですが、派遣社員よりもフリーランスの方が信用度が低いのか、たまたまそういうのを気にする大家さんに当たらなかっただけなのか、どっちなんだろうなあ、と考えてしまいました。

 で、派遣社員も「集団の中に入っている人」と認識されているのなら、フリーランスよりは信用度が高いのかもしれない、という可能性に思い至ったんですよね。データが少なすぎて、実際のところどうなのかはわからないんですけど。

 わたしは、自分が生きやすいと思えるポジションで働きたい、と思っているだけです。これまで、生きやすそうなところを求めてうろうろしてきて、いろんなことがあったけれど、今になってみればどれも結果オーライな感じになってます。

 そういう行動が傍から見て挙動不審(?)ならば、それは受け入れるしかないんでしょう。何を基準にわたしを信用するかしないかを決めるのは、相手の自由ですしね。

 わたしと一緒に働いている人が、わたしをプログラマとして信用してくれるかどうかだけが、わたしにとっては大問題です。

 「この人、わざわざおかしなルート選んでバカだなあ」と思われるのはいいけど、チームのみんなに、「こいつ、使えねぇプログラマだな」と思われるのは怖いです。

 そういえば、「集団の中の人」でなくてもいいと思っているわたしでも、「チームの一員」ではありたいと思っているんですよね。ここらへんどこがどう違うんだと問われたら、ちょっと答えに窮するところなんですけど。

 そんなこんなで、今年もプログラマとして、ぼちぼち稼いでいけたらよいなあ、と思っています。

 なにかおいしい話があったら教えてください(笑)。

Comment(6)

コメント

「集団の中の人」にとっての義務は「全人格を捧げて、集団を維持すること」
「チームの一員」にとっての義務は「持っている技能を提供して、仕事を進めること」
こんな感じでしょうか?

私も、5年くらい前に正社員を退職しました。
以降、同じ会社に約半年ごとに有期契約して、今に至ります。
「結局、同じ会社なら、退職の意味ないじゃないか!」
と言われるかもしれませんが、顧客から仕事継続を求められているのを背景にして、
「この顧客の仕事をするためだけに会社に所属する。仕事を通じて一定の利益を安定して会社にもたらすが、それ以外で、会社という集団の維持に貢献するつもりは一切ない」
と宣言して、その通りやってます。

顧客から「ウチに来ない?」と転籍を勧められたこともありますが、断りました。今の、自社とも顧客とも「純粋に仕事を通じてのみ」繋がっている状態が、いちばん心地よいからです。

ヤドカリが、やっとこさ自分にフィットする殻を見つけたのに、周囲は、
「そんな殻に安住していちゃだめだろ!」
「そんな殻はあと3年でダメになるぞ、新しい殻を見つけないと時代に乗り遅れるぞ!」
とかうるさく言う。

ひでみ

こんばんわです。ひでみです。

ジェットマグロさん。

なるほど、「集団」の一番の目的は「集団の維持」で、「チーム」の一番の目的は「目的の達成」とイメージすると、私がいやになったこととやりたいことがわかるような気がします。
ありがとうございました。
うまいぐあいに両立できれば、居心地がよくて安定している職場になるのかもしれません。むずかしそうだけど。

> ヤドカリが、やっとこさ自分にフィットする殻を見つけたのに、周囲は、
> 「そんな殻に安住していちゃだめだろ!」
> 「そんな殻はあと3年でダメになるぞ、新しい殻を見つけないと時代に乗り遅れるぞ!」
> とかうるさく言う。

それに似たようなことを、私もよく言われます。
よかった。私がよっぽど頼りなくみえるのかな、と思ってました(実際そうかもしれないけど)。

仲澤@失業者

四捨五入で還暦プログラマです。アラカン?

一時期、逆に、会社員不可のマンションで暮らしたことがあります。
役員以上のみってやつですね。
まぁそんなことはどこでもあり得るので気にしないようにしましょう。

ところで、私が独立したころに比べると、仕事マッチングサイトやらが、
相当発達して便利になりました。
プログラマの派遣業もいっぱいあり、それぞれ得手不得手があるようです。
これから先の時代は、むしろ腕に自信のある人には、生きやすい世界化も
じれませんよ(笑)。
あかるく行きましょう。

Buzzsaw

奇遇ですねぇ。私も去年引越ししました。
個人事業主扱いで、その間、確定申告はずーっとやってない。
保証人はなるべく立てたくないが、今お世話になっている会社の社長がなって
やっても良いと言ってくれている。

この条件を話したのですが、私の場合は個人事業主よりも、税金払って
ないことがネックになる可能性があると言われました。収入の大小よりも、
毎年税金ちゃんと払っている「まともな人」であることが大事だと。

ま、結局、目当ての物件の提出書類に税金や保証人に関するものが一切なかった
ので審査通りましたけどね。あー、まとめて確定申告しないと。。

ジェットマグロ

>> ヤドカリが、やっとこさ自分にフィットする殻を見つけたのに、周囲は、
>> 「そんな殻に安住していちゃだめだろ!」
>> 「そんな殻はあと3年でダメになるぞ、新しい殻を見つけないと時代に乗り遅れるぞ!」
>> とかうるさく言う。
>
>それに似たようなことを、私もよく言われます。
>よかった。私がよっぽど頼りなくみえるのかな、と思ってました(実際そうかもしれないけど)。

そのお節介にも、確かに一理はあるんですよね。
でも、常に「新しい殻…新しい殻…」と求め続けるのではなく、今の殻がフィットしているなら、それを微調整しながらやっていってもいいじゃん…という考えにも、同じくらい一理あります。

ありり

「やりたくない事があったからフリーランスになった。」←感激しました。
自分も40過ぎてプログラマからマネジメントな仕事を数年やってみましたが、やっぱりなんだか無駄な時間を過ごしたみたいに最近思えてきて…やっぱりプログラマは天職なんだな、と最近改めて思います。
還暦プログラマ目指して自分ももう一度やり直しみたいと思います!

コメントを投稿する