IoT技術開発者が、IoT技術について、コラムを書いていきます。

#2 「IoT基盤」開発の必要性について

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こちらは「IoT技術開発者のコラム」です。今回は「IoT基盤(IoTプラットフォーム)」が題材です。

いまや「IoT技術を自社に活用」というフレーズは、単なる掛け声にとどまらず、多かれ少なかれ社内で取り組みが行われているのが現状かと思います。さて、そのような状況を経て、社内の機運が高まると、誰かがこう言いだします。

「我が社もIoT基盤(IoTプラットフォーム)を開発して、共通化・横展開を推進しよう」

結構の話のようにも感じますが、ここで問題です...そもそも「IoT基盤」って何

IoT基盤って、たとえばAWS IoTや、Azure IoTみたいなことを言うのでしょうか? それとも「デバイス→エッジ(ゲートウェイ)→クラウド」のレイヤで描かれるあの絵のどこか(一部or全部)なのでしょうか? でも、それってもうたくさんの実装例がこの世に存在しますよね? 車輪の再発明に何の意味が?

「市販のものはただの調達品だ。ここに我が社なりのノウハウやユースケースをパッケージしたものが、我が社にとってのIoT基盤だ。わかるだろ?」

IoTにおけるノウハウとは何でしょうか?

たとえば、デバイス設置のノウハウがあります。またデータクレンジングのノウハウがあるかもしれません。でも、これらはIoT基盤になるような性質のものではありません。たとえば「デバイスからのデータを入れたら、ポンとクレンジングされたデータになって出てくる」みたいなことができないのは、デバイスやデータ収集環境の特性を毎度毎度考慮する必要があるからです。

「我が社なりの制約事項を加味したシステム構成、そして我が社で行われている業務を分析すれば、必ず共通点が見つかるはず」「その共通点をパッケージし、誰でも使えるようにしたものが、我が社のIoT基盤だ」「共通化できるものを独立で作ると、コストが倍かかる。共通化することでコストダウンが可能だろ?」

共通点はあるのかもしれませんが、共通化開発をする意味があるのでしょうか?

少し視点を変えて考えると、たとえば「みんなExcel使って仕事してます」という共通点があるとします。でも、いまさらExcelは開発しないし、むしろ一括購買でコストダウンを実現しています。Excelが高いと判断し、社外にデータを置くというリスクを飲めるのであれば、Googleスプレッドを使うという選択肢もあるかもしれません。でも、やっぱり表計算ソフトを開発しようという話には普通ならないと思います。

一方で、Excel上で動くマクロはあまり会社で共通化されているという例は聞きません。共通化できるならした方がいいと思う人もいるかもしれませんが、普通は「個人個人がやりたい方法でやったらいいんじゃない?」と言われます。

なぜ、IoTだとそれが求められるのでしょうか?

みなさんが言わんとしていることは、わからなくもないような気がしないでもないです。何故みなさんが「IoT基盤」が作りたがるのか。しかし、それを突き詰めるよりも、もっと新しい課題に取り組む方が進化に取り残されないために必要なことなのかもしれません。

それでは。

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