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相手のユーザーレベルに合わせた説明、できますか?

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 こんにちは。CompTIA日本支局の吉村です。

 突然ですが、先日オフィスで使っているPCを買い換えました。

 前回のコラムで、「次回それぞれの資格についてご紹介します!」と書いていたのですが、PCの買い換えに関連して、CompTIA認定資格が求めるスキルは「これ!」という事例がありましたので、今回はこちらをご紹介させていただきます。

 以前のPCは、4年近く連れ添ったのですが、1つのアプリケーションを開くのに「考え込んでるなぁ」と思うくらい時間がかかるようになってしまいました。

 いらないファイルを消してみたり、デフラグをしてみたり……と試してみたのですが、あまり改善が見られず……。上司に相談の上、新しいPC購入の許可がおりました。

 新しいPCですし、せっかくなのでと思い、OSはWindows Vistaにしてみました(一応、XPのライセンスもついていて、お好みでどちらにも変えられますというのですが)。一般ユーザーの私としては、新しいOSにはちょっと不安がありましたが、意外と(すみません)使いやすいVistaに大満足でした。

 メールを含め様々なアプリケーションを設定して、プリンタも設定して、と仕事の態勢も整いつつあったのですが、オフィスにあるファイルサーバにだけ、どうしてもアクセスすることができません。素人ながらいろいろな方法を試してみましたが……ダメ。

 当局のオフィスでは解決できそうな人がいなかったので、これはと思い、CompTIA Network+を取得されている知り合いの方にメールで相談をしてみました。

 サーバ側とクライアント側の環境やエラーメッセージを説明したところ、これを試してみてくださいという、とても丁寧なメールの返信をいただきました。2度のやり取りをする中で、結局はPC側とサーバ側のセキュリティレベルの問題が原因と分かり、解決。無事に接続することができました。

 分かっている方であれば当然というようなこの現象も、素人同様の私には解決できませんでした。

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 さて、今までのお話とCompTIA認定資格で求めるスキルとの関連のお話です。今回の事例から、「仕事に必要な3つのITスキル」に絞ってお話をさせていただきます。

1. ITの原理原則を知り、「何か」を的確に説明できる

2. 少ない情報から利用されているH/W、S/Wを特定できる

 今では仕事の必須ツールとなっているPC(クライアント)。利用しているユーザーのレベルは様々です。使われている「言葉」自体が理解できないというようなことがあるかもしれませんし、こんなことも知らないの? ということもあるかもしれません。

 ただし、ユーザーに意識をおいた場合(特に仕事上では)、「相手のユーザーレベル(どのくらい詳しいか、用語は理解できるかなど)に合わせた説明をできるスキル」が必要となってきます。その前提として、「相手のユーザーレベルを見極めるスキル」も必要となってきます。

 また、あまり詳しくないユーザーに対して指示や説明をする場合、IT用語をなるべく分かりやすく、具体的に説明することが求められます。

 そして、少ない情報からクライアントを構成しているそれぞれの要素を分析できるスキルが必要となります。

 そのためには、自身がITについて正しい知識を身につけていること、そして幅広い知識を持っていることが必要となります。

 ちなみに、クライアントの実務能力を問うCompTIA A+では、現在OSとしてWindows2000からXPまで、それぞれのOSの特徴や違い、Windows95、NTからのアップグレードなどが出題されています。OSによって異なる機能の名称などを正確に覚えておくことによって、利用されているOSを分析することが可能となります。

3. 最短で問題解決できるような質問ができる

 今回の事例でも「数度のメールのやりとり」「実際に作業をしてもらう」など、解決する方法はいくつかあると思います。しかしながら、実作業をストップしなければいけないといった不便や、訪問の面倒さなどが付きまといます。

 もしこれが「対顧客」であった場合は、「対価」や「時間」、そして「顧客満足度」などに影響が出てきます。

 あるトラブルが起きた場合、その事象を正確に把握するため、ユーザーに対して「何を質問するべきか=どの情報を収集すべきか」ということを理解しておく必要があります。

 そして収集できた事象から、問題解決のために「簡単にできることから調べていく」というトラブルシューティングの基本の行動プロセスを身につけることが重要となります。

 「ネットワークがつながらない場合」というトラブルに対しての行動プロセスで、最短の解決方法は「ネットワークケーブルがきちんと挿されているか確かめる」です。これが解決されていれば、次の確認事項は……といった行動プロセスが、CompTIA認定資格の中では問われます。

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 私のPC買い換えに関連して、「CompTIAらしい」お話がありましたのでご紹介をさせていただきました。

 当たり前じゃないか……と思われる方も多いかと思いますが、意外に身についていないのスキルです。

 コラムをご覧いただいてCompTIA認定資格にご興味を持たれた方は、下記Webサイトで認定資格試験の類似問題を公開していますので、ぜひご覧ください。

 CompTIA認定資格 類似問題

 では、また次回のコラムをお楽しみに! すっかり寒くなってきましたが、お風邪に気を付けてください。

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