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我がエンジニアライフに悔いなし? -第2話(前編)

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第2話 前編 ITエンジニアの宿命

 

■朝の日課

 私、薮田太志。41歳120キロ。バリバリのプログラマー。

 朝は駅前のファミリーマートで弁当とお菓子を買うのが日課になっている。今日はどのお菓子にしようかな。同じポテトチップスでも、手に油がベッタリついてしまうものとそうでないものがある。値段や新製品につられてはいけない。仕事しながら食べやすいものを選ばないと。毎日買っているとそんな選球眼もついてきた。

■座りっぱなしのプログラマー

 職場に着いて一度パソコンの前に座ると、トイレ以外はもうそこからほとんど動かない。業務連絡はメールかRedmineだし、話すことがあっても隣や向かいの席の相手とばかりだから座ったままでことが足りる。だからずっと座りっぱなしだ。

■ささやかな楽しみ

 ずっと同じ体勢で座っているというのも辛いものだ。

 バリッバリッ!

 眠くなったときはときどきお菓子の袋を開けてかじる。これが仕事中の唯一の楽しみになっている。

 うちの会社、磯樫システムズはいつも忙しい。受注開発で小さな短納期の開発案件ばかりを受注してくる。人月計算システム・ニンニンジャーだの、おかわりシステム・五連ジャーだの、台風情報収集システム・ハリケーンジャーだの、暴力追放システム・アバレンジャーだの、天体システム・サンレッドだの、宴会幹事システム・アフターファイブだの...(誰か止めてくれー!)。

 そして納期はいつも短い。みんなで毎晩遅くまで働いて納期ギリギリでなんとか作り上げる。そんなことをずっと繰り返してきた。忙しい生活がずっと続いている。

 今週も締切りが迫っている。アイスティ・メディアがいつも無理な納期を要求してくるからだ。だけどお得意さまの大手企業だから文句は言えないのだ。無理な納期をこなそうとして、今日も23時過ぎになってしまった。

■仕事のあとの至福の一杯

 深夜に仕事を終えて、ラーメン屋で一杯というのも日課になっている。私が好きなのは天下一品のこってりラーメンと横浜家の家系とんこつラーメンと幸楽の鬼担々麺。今日はどれにしようかなあ。

 幸楽にしよう。以前は泉ピン子似のおばちゃんが注文を取りに来て、「鬼担々麺と生ビールでいいわね」 と覚えられていたけど、この前から食券の券売機が設置された。ときどきこの店で会社の後輩の株田君と会うことがある。今日は来ていないようだ。彼はこの幸楽と岡倉が好きみたいだから、今日は岡倉かな。

 あれ? 財布がないぞ。おかしいなあ。さっきはあったのに。会社に置き忘れてきちゃったかな。あ、この券売機、Suicaも使えるぞ。じゃあSuicaで。

 「生ビール、お待たせしました」

 うーん、旨い! この一杯で生き返る(^^♪。

 生ビールを飲んでラーメンを食べると、一日の疲れも忘れられるのが不思議だ。

■ITエンジニアの宿命?

 一日中座りっぱなしで夜遅くにガッツリ食べる。間食も多い。こんな生活を続けていると体にはよろしくない。私は体重120キロの巨漢になってしまって横綱と呼ばれている。健康診断では毎年医者に怒られてしまう。タバコをやめただけでも誉めてほしいのに。もっとも、タバコを吸っていた頃は体重はもう少し軽かったんだけどね。

 体にはよくないかもしれないけど、お菓子とビールとラーメンでストレス解消ができている。ストレスを溜め込んで精神的にまいってしまうよりは健康的なんじゃないかな。

 私と後輩の株田君を筆頭に、うちの会社はメタボばっかりだ。以前は渋田部長もいて三横綱と言われていた。うちの会社でスリムなのは宇奈木課長くらいだ。夜型の生活、食べ過ぎ、運動不足、でも、メタボになってしまうのはITエンジニアの職業病というか、宿命みたいなものだ。仕方がない。宿命として受け入れよう。これが私のエンジニアライフなのだから。

 (後編に続く)

 

■あとがき

 この話はフィクションです。実在する人物や戦隊ヒーローとは関係ありません。

私も薮田くんと同じような生活をしています。さて、この薮田くん。このあとどうなることやら!

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