あなたが殺ったのね-岸壁で言ってはいけないセリフ
「あなたが殺ったのね」
岸壁に真犯人を呼び出してこんなことを言ってはいけない。突き落としてくださいと言っているようなものだ。でもサスペンスドラマで真犯人を呼び出すのは必ず岸壁かそうでなければ無人の倉庫だ。間一髪で船越英一郎が助けに来てくれればいいのだが。
■やめろっと言われても♪
これだけはやるなよ、と言われていても、やってしまうヤツはいるものだ。新しいソースをコミットするときに定義ファイルを入れ忘れるヤツ。最新のリソースを使わずに、修正されたはずのバグを復活させてデグレさせるヤツ。失敗が許されないときに限って、誰かが初歩的な失敗をしでかすものだ。「おまえわざとだろっ!」と怒鳴りたくなったことはないだろうか。
■知らない方がいいのかもね♪
会社で、過去の失敗プロジェクトの事例やバグやインシデントの内容を、再発防止のために公開することがある。悪い例を知って同じ轍を踏まないように気をつけることはもちろんいいことだ。
だが、ここには落とし穴もある。思いもつかなかったような失敗のパターンが脳裏に焼きつく。通常なら同じ過ちは犯さない。だが、パニクっているときに脳裏に焼きついていた失敗パターンを無意識のうちにやらかしてしまうこともあり得る。
失敗パターンは知らない方がいいいのかもね。岸壁に犯人を呼び出した片平なぎさも、「あなたが殺ったのね、とここで言ってはいけない」と知っていたからこそ、パニクったときに言ってしまったのかもしれない。
■い・け・な・いルージュマジック♪
神経言語プログラムに詳しい(?)第3バイオリンさんに聞いた話によると、人間の脳は「○○してはいけない」という否定のメッセージを理解するのには時間がかかるらしい。「○○してはいけない」と聞いたとき、まずその「○○する」とはどういうことかを先にイメージする。なので慌てたときにそのイメージが先に浮かんでしまうということがあるらしい。
いけないと言われたことをやってしまうのは、脳神経のこんなマジックが原因のようだ。だとすると悪い事例を公開するときは、「してはいけない」を強調せずに、「こうすべきだ」を強く印象づけておいた方がきっといい結果になるだろう。
「で、あべっかんはどんな失敗をやらかしたんだ?」
えっ、わ、わ、私は失敗なんてやらかしてませんよ(汗!?)。
abekkanでした。
コメント
ちけんち
なるほど!
「押すなよ、絶対押すなよ!」には、脳科学的な裏付けがあったんですね(笑)
第3バイオリン
なんだか呼ばれたようなので(笑)
>神経言語プログラムに詳しい(?)
いえいえいえ!そんなめっそうもないです。
このお話は、同じエンジニアライフのコラムニストである竹内義晴さんのセミナーで伺ったことです。
abekkanさんのコラムを読んで「えー第3バイオリンさんってNLP詳しいんだ」とNLPに関するご依頼、ご相談が殺到してしまったら対応しきれない…と、ついつい余計な心配をしてしまいました^^;
通りすがり
名前間違えるなよ、絶対名前間違えるんじゃないよ!
と思って、「ちけんち」さんの名前間違えたんでしょうね(^ ^;
通りすがり
2時間ドラマの帝王は「船越英一郎」さんです。「栄一郎」さんは冒険漫画の帝王ですよね。
あ
短いやり取りの中で、2個も typo が見付かってしまいましたが、
自分も人のメールとか文章とかで、なぜか人の書いたものはすぐに見付かるのですが、気になってしまいます。
その分、自分の書いた文章は、typo がないか、いつも緊張して読み直します。
それでも、100パーセント完璧にはできないですよね?
これって、プログラミングで言えば、やっぱりバグであって、自分を含め、プログラミングを職業にしてる人は、やはりそういう傾向にあるのでしょうか?
プログラムのバグはまずいですが、文章は、読み手の人は人間であってファジーなわけで、多分意味はわかりますから。だから、あえて指摘することもないのかな? とも思います。
しかし、一方で、文章に typo はつきものだ、みたく、全く自分で読み返しもしてないだろうなと簡単に想像できる文章に出会うと、それはそれでむかつきますが。
abekkan
> あ さん
↑さすがにこのハンドルネームは間違えようがないですね(^^)
プログラマがtypoが多い というのは新説ですね。
プログラマでなくっても、typoが多い人はたくさんいそうですが。
自分の書いた文章を読み直すときは、「こう書いたはず」という先入観があるので間違いに気づかないのかもしれません。
私はプロのコラムニストとして恥ずかしいです。
あっ、私はプロじゃなかった。ボランティアでした(^_^;)。