ふつーのプログラマです。主に企業内Webシステムの要件定義から保守まで何でもやってる、ふつーのプログラマです。

魔女の刻 (39) 若宮カズオのナラティブ(後)

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 少し前から、遠くで鳥がさえずっているような音が聞こえていた。私は気にせず若宮さんの物語に見入っていたが、若宮さんが「このまま進めます」と言ったとき、右腕の袖を引っ張られているのを感じて映像を停止した。その途端、音源が私のコートのポケットであることに気付いた。瀬端さんが私の注意を引いてくれていたのだ。私は礼を言って、スマートフォンを取り出した。東海林さんからの着信だった。
 「はい」
 『こっちで変化があった』東海林さんは前置きなしで言った。『白川さんからメッセージが届いたんだ』
 「メッセージですか」
 私は白川さんとのビデオチャット画面が表示されたままのタブレットを見た。白川さんは、まだ画面の中にいたが、真剣な顔で手元に置いたノートPC で何かを操作していて、カメラ目線ではなかった。
 『これ以上、俺たちがproduction 環境で何かしようとするなら、全てのコンテンツを回復不能なまでに消去する、とさ』
 「マジですか」
 『ただ、逆に言えば、このまま手を出さなければ、元に戻してくれる可能性が残る』東海林さんは声を潜めた。『高杉さんはそう判断して、俺たちに作業の中止を命令した』
 「それって」私も小声で答えた。「時間稼ぎじゃないんですか」
 『ああ。俺も草場さんも、その可能性を高杉さんに進言したんだが、確証があることじゃないからな。強く主張はできなかった』
 「白川さんは、今、ビデオチャットで繋がってますよ。訊いてみますか?」
 『やめておけ。居場所がわかるなら別だが。わかるのか』
 「わかりません。むしろ、そっちでアクセスポイントを割り出すとかできないんですか?」
 『鳩貝さんが、こっそりそれをやってるんだが思わしくないな。少なくとも可能性があるアクセスポイントは全部スキャンしてみたらしい。大抵のIP 偽装なら見破る自信があったと言うんだが、その攻撃を巧みにかわし続けてる。鳩貝さんも舌を巻いてるよ』
 「じゃあ、そっちは鳩貝さん以外は手持ち無沙汰になっちゃったんですか」
 『いや。白川さんのメッセージに、ヒマならイマージョンコンテンツを見ろ、とあったんだ。テスト用のゴーグルを使って、交代で見てるところだ』
 「こっちも、それを見てるところです」
 『とにかく白川さんとのコンタクトは維持し続けろ。今のところ、それが唯一の希望になってしまったからな』
 「わかりました。また連絡します」
 通話を終えた私は、スマートフォンをマナーモードに切り替えてポケットにしまった。細川くんと瀬端さんはコンテンツに集中している。白川さんは横の何かを注視している。何を見ているのか気になったが、質問しても教えてくれるとは思えなかった。私はゴーグルをかけ直してコンテンツの続きを再生した。
 若宮さんに対する弓削さんの指示は、その後も続いた。その全てが<Q-FACE>に、各システムからのデータを集約することに関するものであり、市民にも市議会にも知らされることなく、極秘裏に行われた仕様追加だった。若宮さんは、開発に参加していたベンダーを巻き込まないために、それらの仕様追加を自分の手で実装するか、機能を細かく分割してメンバーにアサインした。ただでさえ高かった若宮さんの負荷は、さらに上昇することになった。
 <Q-FACE>は予定通りその年の11 月に稼働し、くぬぎ市内の書店やスーパーなどに導入された。その直後から誤作動が頻発し、導入した事業主からはクレームが相次いだ。本来なら、Q-LIC か大元のパッケージの開発元であるHSSJ が対応すべきだが、弓削さんはそれらを若宮さんに丸投げした。若宮さんは激務の合間を縫って事業主と会って謝罪し、改修を約束して回ることになった。
 そして12 月初め、沢渡レナが万引き犯として誤認識され、そのために登校できなくなった事件が発生し、市とQ-LIC が隠蔽工作を行った事実が簡単に述べられた後、映像は暗転した。数秒後に「数ヶ月後......」のテロップが表示され、オーバーラップするように若宮さんが、まっすぐこちらを見ているシーンに変わった。それまでの4K/HDR 映像に比べて、色情報が段違いに少ない。おそらくスマートフォンで撮影された動画を、ほとんど加工なしで流しているのだろう。撮影場所は、どこかの白い壁の部屋だ。疲労の色が濃い若宮さんは、静かに話し始めた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 こんな形で君に別れを告げることになるとは想像もしていなかった。君との付き合いはもう5 年以上になる。二人の間で結婚という話が具体的に出たことはなかったが、それは申し込みと受諾、という形を取るまでもなく、僕たちにとっては既定事項だったからだと思う。僕たちは、将来、どんな土地のどんな家に住み、子供は何人作り、家事はどのように分担するのか、ということを折に触れて雑談のように口にしてきた。二人ともワーカホリックだし、どちらも専業主婦/主夫になるのは向かない性格だから、きっといろいろな問題が発生しただろうし、衝突もしただろうことは想像に難くない。でも、僕たちのことだ。常に何らかの解決方法を見出すことができたはずだ。そして、君と僕との生活は、おとぎ話の決まり文句で総括できただろう。そして二人はいつまでも幸せに暮らしました、というやつだ。
 残念ながら、そんな未来はもう訪れることがない。正確に言うなら、僕はそんな人並みに幸せな生活を送る権利を喪失してしまった。
 死ぬのが怖くない、といえばウソになる。正確に言うなら、君と言葉を交わし、君に触れ、心が通い合った瞬間の幸福を味わうことができなくなるのが怖い。でも、このまま何もなかったように、君と幸せな人生を送っていくことは、もっと恐ろしい。この告白は、君に許してもらうためではなく、君に理解してもらうためのものだ。君は理解できないことを、心底嫌う人だから。
 僕たちはお互いに仕事の話をすることが少なかった。君は国内でも屈指のSIer で将来を嘱望されたSE だったから、仕事の話イコール機密保持契約違反となることが多い。僕はKID に引き抜かれてから、呆れるほど強固な秘密保持契約で縛られるようになった。それがお互いわかっていたから、僕たちのプライベートでの会話は、仕事に関係のないことが多かった。だから君が、くぬぎ市に導入された<Q-FACE>について訊いてきたとき、僕は少し、いやかなり意外に感じたことを憶えている。
 もちろん<Q-FACE>のエラーによって、くぬぎ市の女子中学生に<要注意生徒フラグ>が立ってしまったことは聞いていたし、PL として再発防止策を検討した。だが、プロマネの弓削という男から、HSSJ とQ-LIC で適切に処理したから心配無用、と言われ、僕は愚かにもそれを信じてしまった。実際のエラーがどんなものだったのか、どのような対処を行ったのかを追跡調査することを怠ったのだ。言い訳にもならないことだが、当時の僕は、翌年の3 月にカットオーバーする複数のシステム構築の現場監督として多忙を極めていて、上司が解決済みのマークを付けた問題を掘り返している余裕が全くなかった。君とのデートを何度か先送りしてもらったことがあったのを憶えていると思う。
 それが解決済みなどではなかったのを知ったのは、ネットニュースサイトが<Q-FACE>の問題を調べていることを知ったときだった。市長の強引なICT 先進都市政策へのアンチテーゼとしての一連の記事を掲載していたサイトで、自分が携わっているプロジェクトに対して批判的な記事が載っていたから、僕も無関心ではいられず目を通していた。君にも話したことがあったかもしれない。その記事を読んではじめて、疑いをかけられた女子中学生が、いくつかの不幸なミスによって、希望していた高校への推薦を取れなかった、ということを知ったのだった。
 その知らせは、ほぼ同時に弓削の元にも届いていた。弓削は焦っているようだった。僕は内心、少しいい気味だと思いながら、どう対処するのかを見ていた。プロマネとして責任を取ると言い出すことを期待しながらだ。この問題が<Q-FACE>のカスタマイズミスに起因するものであることは明らかだったし、メディア側がどこまでの情報を掴んでいるかが不明だったので、単純に否定してしまうことはできなかった。だが、弓削も伊達にここまでのし上がってきたわけではない。システム開発についてはド素人だが、ビジネスの世界で他人を押しのけて上昇していくことにかけては人後に落ちない奴だ。弓削は、僕に指示を出した。以前に対応した脆弱性を復活させろ、という内容だった。
 僕は、またしても唯々諾々と従ってしまった。せいぜい<Q-FACE>という製品のせいではなく、Apache の脆弱性のせいだと言い逃れるためだろう、ぐらいにしか思わなかった。だが弓削の目論見は、遙かに邪悪で狡猾なものだった。女子中学生の内申データに記録されていた万引きアラートログのコピーを共通フォルダに配置した上で、学校情報システムの脆弱性がデグレしていることを意図的にリークしたのだ。リーク先は、以前に学校情報システムへの不正アクセスを繰り返していた生徒の他、ハクティビストを自称・自認している個人や団体だ。
 意図的な脆弱性によって、学校情報システムが門戸を開放していたのは2 日間だけだったが、ネット上を闊歩する猟犬どもにとっては十分すぎる時間だった。氏名や住所などは慎重にマスクされていたが、くぬぎ市、Q-LIC、<Q-FACE>、女子中学生、万引き、警察という単語は、無数に組み合わされ、ネット上に拡散していったのだ。市長の施策に賛同する者と反発する者が、それぞれ都合のいい部分をカットアンドペーストし、それぞれのストーリーを作り出し議論の土台とした。<Q-FACE>の誤動作で女子中学生が無実の罪を着せられた、という真実は、それらのストーリーの一部でしかなく、最有力な主張とはなり得なかった。後でわかったことだが、<Q-FACE>には問題がなく女子中学生は過去に何度も補導歴がある、というデマを積極的に流していた集団がいたらしい。Q-LIC が背後にいたのでは、というウワサはあったが、それが証明されることはついになかった。この事実を知ったとき、さすがの僕も弓削に抗議したが、簡単にいなされてしまった後は、それ以上の行動を起こそうとは思わなかった。そのときの僕にとっての最優先事項は、依然として3 月末のカットオーバーだったからだ。今から考えれば、恐ろしい怠惰の罪だった。
 このとき、沢渡レナ、という個人名を知らされていたら、事態はもう少し別の方向に動いていたかもしれない。だが、個人情報保護、という名目で、個人名が共有されていたのはQ-LIC 社員でも数名だけで、僕には「女子中学生」としか知らされていなかった。もちろん僕は、調べようと思えば調べることができた。PL として全てのデータリソースにアクセスする権限があったのだから。だが、このときも僕は積極的に動こうとはしなかった。
 もし、沢渡レナ、という名前を目にしていたら、いくら迂闊な僕も愕然となったかもしれない。君の4 つ上のお姉さんが結婚して沢渡姓となり、くぬぎ市に住んでいること、ご主人と死別した後も一人で女の子を育てていること、君が姪御さんをとても可愛がっていること、君の姓の最後の文字と名の最初の文字からワーニャ叔母さんという呼称を決めたことなどは、何度も聞いていたのだから。君が<Q-FACE>について質問をしてきたとき、僕はその関連性に気付くべきだった。だが、君が「そう言えば聞いた話なんだけど」などと、雑談を装って訊いたものだから、僕もそれ以上の裏を考えようとはしなかった。
 その後のことは、大部分が君から聞いた話になる。久しぶりに会った君の様子がいつもと違っていて、別のことに気を取られていたので、僕は何があったのかと訊いた。そのとき初めて、君は沢渡レナのことを話してくれた。彼女が高校受験に失敗したことに、それ以上に大人たちから寄ってたかって汚名を着せられたことに絶望し、自分の殻に閉じこもってしまったことを。僕は激しく動揺したが、君は姪御さんのことを思い悩んでいたので、僕の様子などには気付かなかったのだろう。
 君と別れた後、僕は開発センターに車を走らせた。開発メンバーが何人か残っていたので、適当な理由をつけてコマンドルームに入ったのを憶えている。通常、コマンドルームへの入室にはQ-LIC 社員の許可が必要なのだが、緊急時対応のために入室コードはリーダークラスのメンバーに知らされていた。僕はシスアド権限で学校情報システムのデータベースにログインし、<Q-FACE>からのアラートログを検索した。そこに別の氏名を見出すことを祈りながら。だが、僕が目にしたのは、やはり「沢渡レナ」の文字列だった。
 その瞬間、僕は今まで積み上げてきたものが一気に崩壊するのを感じた。僕はこれまでIT 技術は本質的に人を幸せにするためにあると信じ、自分の技術がその一翼を担っていることを誇りに思っていた。しかし、そのとき僕が見つめていた名前は、IT 技術が一人の無垢な子供を社会的に惨殺した象徴だった。そして、僕もそれに手を貸した。
 僕はコマンドルームで叫んでいたそうだ。自分では記憶していないが、モニタを壁に叩きつけて破壊した後、キーボードを拳で何度も殴りつけていたのだと、飛び込んできたリーダーから後で聞かされた。リーダーは即座に救急車を呼んでくれた。僕の身体的な傷と、精神的なそれのどちらが心配だったのかはわからない。とにかく僕は病院に搬送され、そのまま入院することとなった。
 右手の傷はすぐに癒えたが、僕のモチベーションは完全に失われていた。いや、ひょっとすると失われたというのは言い訳で、システム開発という仕事に対する恐怖心に足がすくんでいたのかもしれない。退院の許可が出ても、僕は病室から出ることができなかった。開発センターに足を踏み入れることを思うと全身が震え出した。自分の身体の一部のようだったキーボードとマウスが嫌悪の対象となった。沢渡レナに対する罪の意識がキッカケになったことは確かだが、僕は自分で気付いていなかっただけで、とても臆病で卑怯な人間だったのかもしれない。
 神経科の医師と何度も面談を繰り返し、僕は全てを話したが、二度と安らかに眠ることができなかった。自分がこんなに弱い人間だったのか、と思い悩み、ますます眠れなくなった。いつか君と観に行った芝居のセリフが頭の中でリフレインしているようだった。「眠りはない、マクベスは眠りを殺したのだ」
 カットオーバー直前でPL がプロジェクトを放り出したのだから、当然、影響は小さくなく、KID の上司や開発メンバーが次々にお見舞いに来てくれた。Q-LIC の人間は一人として来なかったが、もし来ていたら追い返していたかもしれない。リーダーたちの献身的な尽力で、何とかプロジェクトはオンスケで進んでいると聞かされ、僕は申し訳ない気持ちで一杯になった。彼らは沢渡レナにまつわる一連の事情を全く知らないから、僕が重圧に耐えかね、張り詰めていた糸が切れてしまったのだと考えているようだった。いつ戻ってくるのか、といった話は一度も出なかったが、彼らがそれを訊きたいのは痛いほどよくわかっていた。僕のどこかには、責任感のかけらが溶けない氷のように残っていた。それでも僕は仕事に復帰することができなかった。
 カットオーバーの予定日、僕は辞表を書いて、KID に郵送した。病院には何度か電話があったようだが僕は出るのを断り、携帯も着信拒否にしてあった。それからも開発メンバーの何人かは見舞いに来てくれたが、その数は次第に減っていった。僕はそれを恨みに思うどころか、むしろホッとしていた。長い間、一つのプロジェクトに身命を捧げてきた仲間だ。何かの拍子に、僕がドロップアウトした理由を話してしまうかもしれない。それは何があっても避けたいことだった。<Q-FACE>関連機能の実装には、多くのメンバーが携わっていた。彼らが知れば、僕と同じ痛みを抱えることになるかもしれない。こんなつらい重荷を背負うのは僕一人で十分だ。
 君は何度も見舞いに来てくれたが、正直なところ、僕は君の顔を見るのがつらかった。君が沢渡レナの近況を話すのを止めることはできなかったからだ。だが、君の訪問は、一方で小さな救いをもたらしてもくれた。沢渡レナが定時制高校に進学し、新しい一歩を踏み出したとわかったからだった。それは僕にとって唯一の希望、闇の中の光だった。僕の罪が消えることはないにしても、沢渡レナが幸せな人生を歩いてくれることが。
 あいにく、神か悪魔か知らないが、僕の安眠を奪った奴は、そう簡単に返却する気がなかったらしい。君が語る沢渡レナの近況は、その一語一語が僕の弱った心を少しずつ壊死させていった。彼女が学校を退学し、家にも帰らず、毎晩のように良くない連中と繁華街を徘徊しては、何度も補導されていること。君のお姉さんは心労で入院していること。君が何とか立ち直らせようと奔走していること。僕の反応が薄かったことを、君は病気のせいだと好意的に解釈してくれたのかもしれない。本当は叫び出したいのを、罪を告白したいのを必死でこらえていたためだった。
 そして、とうとう、怖れていた日が来た。僕は沢渡レナが自殺を図ったことを知った。君は慎重に言葉を選んで伝えてくれた。何とか一命は取り留めたものの、彼女はすっかり心を閉ざしてしまったのだと。それを聞いたとき、僕の中で決定的に不可逆に何かが壊れた。
 物事の多くは予想できない終わり方をする。僕は自分がこんな終わり方をするとは、全く想像していなかった。大抵のトラブルは逃げるよりも立ち向かうことで解決してきたし、逃げることを選択する人間を軽蔑してきた。なのに、今、僕はそれ以外の道を見出すことができない。死んで責任を取る、などと不遜なことを言うつもりはない。自分を悲劇の主人公になぞらえているわけでもない。ただ、これしかなかったんだ。
 君はきっと責めるだろう。僕を罵るかもしれない。一生、僕を許してくれないかもしれない。残念だが、反論することはできない。僕にそんな権利はない。
 未練がない、とは言わない。やりたいことはいくつか残っている。くぬぎ市の各システムは開発期間の関係で、僕の理想とはほど遠い仕様となってしまっている。僕はカットオーバー後の改修や、予定されていた二次開発でその差を埋めていくつもりだった。そのブループリントはドキュメントの中にメモの形で残してある。開発の隙間時間に追記していったものだ。いつか、誰かがそれを読み、実現してくれれば嬉しいのだが。もう一つ、Q-LIC が、くぬぎ市長と共謀して、くぬぎ市とくぬぎ市民を一種の実験材料とした事実を、いつの日か公にしてやりたかった。でも、それを実証する証拠を、僕はほとんど入手できなかった。これについては、弓削の悪運が尽きる日が来ることを祈るしかない。
 僕が魂とか霊とかあの世みたいなものを信じていないことは、君も知っての通りだ。でも、僕は今、それらの超自然的なあれこれが実在することを心から願っている。そうすれば君の幸せを、いつまでもどこかで見守っている、と言えるから。
 さようなら、ナオミ。

(続)

 この物語はフィクションです。実在する団体名、個人とは一切関係ありません。また、特定の技術や製品の優位性などを主張するものではありません。本文中に登場する技術や製品は実在しないことがあります。

Comment(22)

コメント

hir0

同じエンジニアとして身が引き締まるお話でした

もくろむ弟

月曜の朝からなんちゅーもんを読ませてくれるんだ(泣)
お、おぅ…。。。

匿名

> 少なくとも可能性があるアクセスポイントは全部スキャンしてみたらしい。大抵のIP 偽装なら見破る自信があったと言うんだが、その攻撃を巧みにかわし続けてる。鳩貝さんも舌を巻いてるよ』

東海林をしてこうまで言わしめるとは、やはりこの一件、高村ミスズが一枚噛んでいるのだろうか。
東海林や鳩貝の更に一枚上手を行ける技術力の持ち主というと、Press Enter 世界には彼女くらいしかいないような……。
もしくは、「プロダクション環境破壊というカードを握られておらず、攻め手を潰されずリソースが十分なら手の打ちようはあるが……」と考えるべきなのか。

匿名

ヘビーな現場だと、他のこと考える余裕が皆無なのよな...。
現役SEプログラマでもここまで酷いのを経験した人はそんなにいないだろうけど、でもなんか想像できてしまうのが怖いところで作者さんの上手いところ。

LvB

いつも更新ありがとうございます。
おおう,今回の話はかなりヘビーですね。
「鳩貝さんも舌を巻いてるよ」の件は,むしろ鳩貝さんが怪しいのか…?
でも,利害関係ないか
来週も楽しみにしております。

ところで,現実では興味深いネタが
「仮想通貨マイニング(Coinhive)で家宅捜索を受けた話」で
検索してみてください。

kemi

なんとなく予想してましたが、思った以上に重かった、、

kemi

なんとなく予想してましたが、思った以上に重かった、、

SQL

「全然違う」と言われてしまいそうだけど、『グラン・トリノ』を思い出した。
 
これでもし白川さんも亡くなったら、
沢渡さん、若宮さん、白川さんと、Q-LICの犠牲者になってしまう。
(沢渡さんは生きているけど。)
 
こういう復讐の仕方は復讐になっていないのではないかと思うのだけど、
当人からするとそれでも良いからやり遂げたくなるのだろうか。

匿名

鳩貝さんも追跡方針を誘導した節があるし、そもそもTSDが誰の味方なのかすら定かじゃない気がする
場合によっては主要人員が全て真相を知ってQLIC(弓削)に一矢報いたいKID現場部隊出身の有志で固められてるのでは
メンバーの枝切りプロセスをじっくり描写したのもそんな意味があったりして

まあ復讐劇のさなかにホイホイ恋人作るような人もおらんでしょうから、草場さんは今回は潔白だと思うけど
高杉さんは良い面の皮だなぁ

aoi

高村ミスズが噛んでる、と。
なるほど、それならこのコンテンツ群を白川さんが用意したというあたりも合点がいく。

匿名

ふと思ったけど、今枝さんの急所になった女の子ってレナ?
それなら、白川さんが写真を所持していたことも、その写真を今枝さん以外に見せなかったことも納得だが…。
そうだとすると今後の今枝さんの動きが気になるところ。

匿名

それだ!って一瞬思ったけど、あらまぁいいご趣味ですこと、みたいな言い方されてたしやっぱゲイ的なあれなんでないかい

匿名D

私だったら、そんな物を手にして、
白川さんがそれを取引材料に使えるとは思わないな。つか思いたくないです。


なんかここに来て、みなさん妄想が爆発してますね。


それにしても、いちいちセンターに警告を入れてくるとか。
鳩貝さん、いいところを突いてきたのかな?

匿名

>「私は他人の性的嗜好をどうこう言う趣味はないのよ」白川さんはスマートフォンを小さく振った。「別にどんな格好で何しようと、年齢が離れていようと、反社会的行為に荷担しない限りは個人の自由だしね」
 
上の意見に同意。
仮に今枝に未成年者へ手を出す趣味があって、レナにいかがわしい行為を働いた件を白川に握られていた、なんてことがあったとしたら、
引用のように『反社会的行為に荷担しない限り』なんて言葉が白川から出てくるはずないし。

というか、今枝がレナにマジで手を出してたら、白川が「あの程度の」仕打ちで今枝を許すとも思えない。
今枝が男性としておしまいになるところまで追い込むのでは……?

匿名

そのへんは今枝のナラティブではっきりするでしょう

匿名D

ボケを振るんだったら、もっとうまそうなネタをぶら下げないとなあ。
今枝ではちょっと物足りない。

TX2

私は、白川さんの名前からワーニャ叔母さんが導き出される理由が知りたいです。
皆さんはご存知なのでしょうか、興味があります。

匿名

>君の姓の最後の文字と名の最初の文字からワーニャ叔母さんという呼称を決めたことなどは、

とありますんで、白川ナオミさんですから、わな→ワーニャですね

匿名

TX2氏

少し調べてみたが、「ワーニャ叔母さん」というニックネームそのものは、
恐らく下記リンク先にあるロシアの戯曲のタイトルのパロディと思われる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ワーニャ伯父さん

罪と罰に続き、ロシア文学再び、だな。

ただ、なぜ白川がレナから「ワーニャ叔母さん」と呼ばれるかという背景までは、確かに謎。
レナの幼少時に大好きだったのが上記作品の絵本版で、白川がよく読み聞かせをしていた結果、レナはそれに触発されて白川をワーニャ叔母さんと呼ぶようになった、なんて裏設定でもあるのかな。

匿名N

匿名さま
>ただ、なぜ白川がレナから「ワーニャ叔母さん」と呼ばれるかという背景までは、確かに謎。

第36話の
>ワーニャ叔母さん、というのは、レナと叔母の間だけに通じる呼びかけだった。「おばさん」という呼称に抵抗感を感じた叔母が、レナと2 人で考えたのだ。その元ネタは、2 人で観に行ったチェーホフ原作のお芝居だった。

でしょうか。

匿名D

そのチェーホフの物語が、何らかの形で組み込まれているのか、
とも考えていたのだが、本当に呼び名のネタ元なだけだったのかな。

周辺住民さん

>ただ、なぜ白川がレナから「ワーニャ叔母さん」と呼ばれるかという背景までは、確かに謎

白川のさいごの「わ」と、なおみの最初の「な(にゃ)」からってことではなくて?

おばさんが嫌でも「ワーニャ叔母さん」じゃ結局おばさんなんだけどね…

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