シンガポールでアジアのエンジニアと一緒にソフトウエア開発をして日々感じること、アジャイル開発、.NET、SaaS、 Cloud computing について書きます。

大学に合格! オンラインで英会話の特訓

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 私は、曲がりなりにも日系企業の駐在員としてイギリス、アメリカに合わせて10年、フリーのエンジニアとしてシンガポールに4年と、かなり長い間日本の外で生活して仕事をしている。多分、普通の日本人から見れば英語も完璧で、海外で現地人の中でバリバリ活躍していると思われていることと思う。

 しかし、実際のところは、英語で苦労している。前のコラムで、TOEFLについて書いた。シンガポールの大学でバイオインフォマティクスを勉強しようと思ったところ、入学願書とともにTOEFLの結果も提出しなければならなかったのでTOEFLを受けたのだ。結果は120点満点中の77点。ちなみに、120点満点中80点が大学院入学に最低必要とされる点数とされており、米国の超一流大学なら学部に入学するのにも100点以上必要になるそうだ。

 実は、願書提出後、この点数では入学は無理かなと思っていたのだが、なんと入学を許可されてしまったので、思い切って点数を公開することにした。入学を許可されたのが、NTU(Nanyan Technology University)イギリスのTIMES HIGHER EDUCATION社が公開している世界の大学ランキングによると、174位。

 同じランキングで、東大が26位、京大が57位、東工大が112位、 130位に大阪大学、132位に東北大学。残念ながら私が卒業した神戸大は200位以内には入っていない。そう考えると、NTUは多分一流大学だろう。自分でも大したものだと思う。49歳のロートル。27年前に卒業した神戸大学理学部物理学科の時の成績では、大学院には当然行けず、高校の物理の先生にもなれなかった。それにもかかわらず、今回は入学を許可されてしまった。もちろん、私も分かっている。海外の大学は、『入りやすいが、出にくい』ゆえ、入学を許可されたのだろう。

 新学期は8月1日から。大学の授業についていけるのか、それだけが不安である。iTunes UAcademic Earth、そしてvideo lecture netなどで、米国やヨーロッパの大学の授業を受けてみると、なんとかついていける。

 しかし、シンガポールに来て4年になるが、いまだに慣れないシンガポールアクセントの英語にどれだけ対応できるか、それがものすごく不安だ。私が今まで一緒に仕事をしてきた日本人を見ていると、語学のセンスのある人でも、まず最初はシンガポールアクセントに悩む。とはいえ、多くの人はどうも2、3ヶ月で慣れるようだ。私はいまだに慣れていないが…。

 さて、77点と言うひどい結果になった私のTOEFLの成績。これではいかんと、一念発起、オンラインの英会話講座を受講することにした。仕事で英語は使っているのだから、今更と言う感じだが、開発者の私が仕事で英語を使う時間は、一日のうちそれほど多くは無い。話す内容も、進捗がどうかだとか、断片的なプログラミングの方法について簡単に説明したり、要件について断片的な内容を確認したりする程度だ。実は普段の仕事で全然英語力は伸びていないのだ。めでたく大学院を卒業できたら、『どこかのバイオの研究グループの中に、コンピュータの専門化としてもぐりこんで』、などと考えているわけで、そのためには論理的で複雑な内容を、人にしっかり説明できるレベルの英語力が必要だと思ったのだ。

 オンラインの英会話講座を受講するもうひとつの理由は、安いということだ。何と1日45分の、マンツーマンの授業を2コマ、毎日受けてたったの月8000円。この種のオンライン英会話、今、日本でどんどん増えているようだが、ダントツに規模が大きいのがRarejob。結局これを受講する事にした。 ということで、今流行のオンライン英会話授業を私がどういうふうに利用しているか、少し説明する。

 

 まず先生の数。これが驚いた。実は、数えられない。あまりに急激に大きくなりすぎたのだろう。先生の英語レベルをしっかり判定できないという理由で、先生は最初はフィリピン大学の在校生、及び卒業生に限ったらしいのだが、フィリピン大学の在校生、卒業生が全員いるのではないかと思うぐらいの講師の数だ。実際に知りたかったら、Rarejobのサイトにアクセスして、確認してほしい。

 講師は、大学の学部や年齢で選べる。適当な講師を自分の都合のいい時間に選んで、授業の予約を入れる。すると、その時間になると講師からスカイプコールが入り、授業が始まるという仕組みだ。

 講師のほとんどは普通の大学生や、大学卒のインテリにすぎない。英語を教えるための特別なトレーニングを受けてはいないということだ。実際、少数の『プロ』の先生もいるみたいだが、なかなか予約を取りづらい。

 英語のレベルがまだ低い人は確かにプロの先生に教えて貰う必要もある。しかし、ある程度のレベルの人にはプロは不要だろう。それより、英語を使う機会、しかも自分主導で英語を使える機会を確保するために、この授業を使うことをお勧めしたい。

 私は、TOEFLのスピーキングの成績が悪かったので、スピーキングのテストのシミュレーションをしようと、講師に科学技術関連の適当な記事を読んでもらい、それを私が聞いた後に私が要約して説明するようなことをやった。TOEFLで、大学の授業を聞いた後、その授業に関する質問に答えるようなスピーキングのテストがあったからだ。

 それを今でも続けているが、非常に集中力が必要で、毎日、45分の授業を2回、この方式でやるのは、続かない。そこで、最近は、事前に私が専門的内容を準備しておき、授業で私が講師に対して英語でそれを説明し、意見を講師から聞くようなことをやっている。これも、確かに事前に話す内容を準備したりと、負担は重い。そこで、講師を変えて、同じ内容を複数回話すようなことをして、負担を減らしている。こうすると、前の講師から教わったより良い表現法を次の講師の時に使うということもできるので、説明技術の向上につながる。そういう具合に授業を受けているので、私が選ぶ講師は生物学や情報工学、物理学、数学などを専攻している学生や卒業生になる。

 色々な講師に、このやり方、特に私が専門的内容を話すことをやっていると、講師によって、私が話すことを簡単に理解してくれる人と、理解が難しい人もいる。これが、コミュニケーション能力の違いかと思う。

 よく理解してくれる先生は、私が説明に困ると、『こう言うことを言いたいのでしよう』と、より良い英語の表現を説明してくれる。色々な先生の授業を受けているうちに、どの先生がよく理解してくれるのかが分かってくる。すると、私が予約を入れる先生が固まってくる。幸いなことに、普通の日本人で、Rarejobを使う人は、やはりプロの英語の先生を求めるようで、私が『良い』と思った先生とは重ならない。私にとって『良い』先生の予約は簡単に取れるのだ。

 日本人が英語を苦手とする原因の1つは、英語に接する機会があまり無いことであるという。それがほんの少しの金額を出すだけで、克服できる。オンラインの英会話、使わない手はないと思う。

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