現場エンジニア主観で"経営"と"技術"との乖離をあれこれと。

ITエンジニアから見た社内IT

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◆社内ITの現状

 「うちはIT企業なのに……」と揶揄(やゆ)する場面があります。

  • メールをスマホで見てはいけない
  • PC持ち出し禁止
  • IEでないと使えない業務システム

 業務上、便利になるはずのテクノロジを利用していないケースが多く、 例を挙げると、きりがありません。皆さんの会社は、どんな感じでしょうか?

 業務システム系のクラウド(SaaSやオンラインサービス)がいろいろ充実してきましたので、社内システムを世の中のクラウドサービスと同列に見てしまい、使い勝手の良くないものは使わないようになります。

 弊社は、事業部門単位さらには開発チーム単位で、業務効率が最適化されるものを(暗黙の了解で)使っています。それで良いとされるならば問題ないのですが、情報漏えいやコンプライアンスなど、気を付けなければいけないこともあるでしょう。

◆IT部門はガラパゴス

 その実情をどのように考えているか、IT部門のエンジニアに聞いたことがあります。同じような現状の認識で、さらに事業に集中できる環境にしたいと言っていました。が、社内政治やら調整やらで何かを変える決定に至るまでの業務に疲弊していました。その要因を何点かピックアップします。

  • IT部門がコストセンターであること→予算がとれない
  • 経営方針として社内IT戦略がないこと→変化に対して部門により利害が一致しない
  • IT部門が世の中のサービスに詳しくないこと

 クラウドサービスの浸透によってIT部門を取り巻く環境も変わったと思います。ITエンジニアも業務改革や求められるスキルセットが以前とは変わりました。IT部門はその性質上あまり外部にさらされないので、ある種閉ざされた環境にあると思います。それもあって世の中との乖離に気付きにくいのもあるでしょう。

◆特別チームを組む

 IT部門は社員全員が利用するようなシステムや根本的なポリシー策定、財務経理など、さまざまな役割を担っていると思います。メールやWiFi環境、開発PCさらにはオフィス内のネットワークなどの事業部門の業務スピード/効率に直接関係するところについて、営業やITエンジニアなど利用する社員(ユーザー)が一定期間召集されて期間限定のプロジェクトを組むのはどうなんでしょうか。それこそ、社内政治やら調整が激しく起こりそうですが……。

 ある企業は会社のグローバル化の前に社内システムの整備/強化は必須という判断から、役員の号令で各部門からエース級を招集し作り直したそうです。トップダウンでしかできないことだと思いますし、また、何が良いかそのレベル感を知っている人でないと、そもそも良いものを作れない、と改めて思いました。

Comment(2)

コメント

ardbeg32

というかですね、稟議がそもそも通らないんですよ。
スコープもスケジュールもリスクもコストも現場のステークホルダも調整して、さあ、と稟議を出してもトップ層でorz
ぐうの音も出ないほどの資料を作っても、「必要性はわかるけど、今はその時期じゃない」
日銭で数千円ずつコストカット、1年で初期導入費用回収可能ができるような案件でも異様に腰が重い。

逆に別の会社の話ですけど、現場が頑強に抵抗していてもトップダウンでいきなりプロジェクトが走って、現場がまじめに検討しないからダメダメ導入に終わるなんてのもあります。(後片付け+再起動で雇われたことがあります)

コラム中にもお書きになられていますが、結局のところトップダウンかよ、ということでIT部門が疲弊感たっぷりというところです。

ハス

弊社のIT部門のエンジニアから似た内容の事例を聞いたことあります。
"IT部門あるある"やったらかなりの数が出てきそうですね。

どのタイミングでそうなってしまうんですかね?
会社が小さいうちはそうではないと思うんですが。
稟議を通す(決裁者サイド)の意見を聞いてみたいです。

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