現場エンジニア主観で"経営"と"技術"との乖離をあれこれと。

ITエンジニアが思う魅力的な職場

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 2~3月ころだったでしょうか、米ヤフーの在宅勤務プログラム廃止が物議を醸していました。日本でも東日本大震災のときなど、何かと話題となりやすいですね。インターネットの普及や関連する技術革新によって、多様な働き方が実現できる時代になっているように思います。

 以前の「在宅勤務」は定型業務のアウトソースのようでしたが、現在はクリエイティブな業務も含まれます。生産性を高める手段として、働き方についても考えられるようになりました。そのことが、企業の競争力に直接影響している時代とも言えると思います。

 今回のコラムは、在宅勤務をITエンジニアにとっての職場環境の1つとして書きたいと思います。

 ここでぼくの意見を言っておきます。賛成です。

 [賛成派]

  • 生産性が高くなる
  • どこで仕事しても同じ

 [反対派]

  • さぼる人もでてくる
  • 一体感がでにくい

 どちらも、そのとおりだと思います。立場や観点によって見え方が異なるものです。ただ、もし、さぼる人が出てくるのであれば、何か対策をすればいいわけです。

 ぼくは、先に経営判断がある方が好ましいと思います。

 在宅勤務は、組織体制の上でも良い面があります。オフィスに来ていたらアウトプットがそこそこでも問わないが、在宅勤務だとさぼっていると評価されるのはおかしいと思います。

 「エンジニアとして技術力が上がる環境がある職場」とは、「経営や社会(ユーザー)が欲しているモノにチャレンジできる職場」「作ったモノに対する正等な評価やフィードバックがある職場」だと思います。

 このような環境には、いわゆる「スーパーエンジニア」が良い意味で長居するのではないでしょうか。そのようなエンジニアと一緒にモノ作りできることは、魅力的です。

 在宅勤務は、ぼくは賛成です。なぜなら、仕事をする上で、オフィスにしばられる必要はないと思うからです。

 コーディングなどのフェイズでは、1日隣の人とも会話がなく帰宅することはザラです。良いか悪いかの二者択一ではなく、業務内容によって選択(調整)できたり、例えばオフィスに全員が出る日なり曜日なりを決めておくなども、現実解かと思います。

 どんな形でもテレワークありきの組織体制にすることは、ITエンジニアがより魅力的に感じる職場に寄与すると考えます。それが企業競争力(=優秀なエンジニアが集まる)につながるのであれば、以前は非常識のように思われていたカジュアルな服装やフレックスタイム制のようにいつか常識になる日がくると思っています。現時点では、「在宅勤務」が企業の魅力の1つですが、いずれ普通のことに感じるんでしょうね。

Comment(6)

コメント

Rejaxon

私も在宅勤務は大賛成です。

しかし、今のままでは開発者、
特に社員に適用するのは難しい気がします。

まず、マネジメントを行う人間が開発者に在宅勤務を許可するには、
その開発者が人間的に信用でき、有能であることが重要だと思います。
つまり、自身で自分の仕事の進み具合を把握し、コントロールでき、
問題が起こった場合はすぐに連絡し、
また複雑な事情もメール・電話で
要領よく報告することができる能力を持った人間です。

時々いませんか?

・何が起こっているのか、要領を得ない報告をメールでも会話でもする人

・自分のタスクがスケジュール通り進んでいないのに、
 ギリギリまで一人で頑張って連絡しない人

・解らないことがあるのに質問もせず調べる事もできず、無駄な時間を過ごす人


PMでこういう事をする可能性のある人間に開発タスクを渡して、
在宅勤務させてたらどうなるでしょうか?
はい、とても楽しいプロジェクトになります。

しかし、人の能力や性格を他人が推し量るのは難しいです。
この問題に加えてサボリ癖のある人も加わってきます。
社内の人の目と言う圧力がなくなるのですから。


日本では「部下の責任を上司がとる」など言う言葉がありますが、
在宅勤務を自分で選択した人間の場合、
自身が責任を取る制度が必要だと思います。

1日であろうと在宅勤務が原因で問題を起こした場合、
その人は「減給」、
その人が在宅勤務で起こす問題が頻繁に続いた場合は「強制退職」
それくらい厳しく徹しないと、駄目だと思います。

その点、派遣やフリーの人間はどんどん在宅勤務化を進めれば良いと思います。
何故なら、仕事ができなければ簡単に首を切れますから。

abekkan

個人的には在宅勤務は賛成です。しかしながら、現状では問題点がたくさんあってとてもできそうにありません。例えば、
1.私の関わる組込み系では、数に限りのある実機で動作確認をしますが、会社にいないと実機がない。
2.セキュリティ漏洩の問題。あるチームでは社内でも特定の個室に隔離してセキュリティを確保しているくらいですし。
3.在宅環境の問題。私の家では4人の子供たちがうるさくて仕事なんてできません(+_+)。

今後これらの問題が解決されることがあるんでしょうかねえ。

ardbeg32

私も基本Rejaxo様と同じ意見です。
更に意見を重ねるとしたら、会社の仕事ってコーディングだけでしょうか?ISOやらナントカ委員会やら、売上には直結しないけど必要な作業って結構あります。
会社のルールをきちんと守れているか、管理部門のチェックだってあちこち全国に支店があるだけでも大変です。
そういうのを全部ぶっちぎって(というかそういうのが煩わしいから?)在宅を選んでもらっても会社としてメリットが有る人って、一部のスーパーエンジニアだけに限られると経営目線から見るとそう考えられます。

並のプログラマーなら、フリーや派遣でないと会社としては魅力がないような。
会社に守ってもらうなら(権利)、ある程度出社(義務)も必要ではないかなと思います。

あ、それとどういう会社形態を想定されているかですけど、完全請負ならともかく元請けだのソリューションビジネスだのを考えてるなら、マネジメント訓練も必要になってくるわけで。
在宅メンバーからそういう人を輩出しない前提ならともかく、そうじゃないなら在宅オンリーって難しいような。
ま、マネジメントするのも煩わしいから在宅という動機もあるんでしょうけど、50過ぎてもプログラマなんて業界見渡しても10%いるかどうか?残りの90%に入っちゃうと後が辛いです。

ハス

Rejaxonさん、abekkanさん、ardbeg32さん、
ご意見ありがとうございます。
現状ではおっしゃるとおり様々な問題があると思っています。
議論が絶えないと思います。

以前に成果主義vs年功序列の議論がありましたが
立場や観点によって捉え方が様々です。
「テレワーク」の議論も似たように感じています。

やはり重要なことはその手段を採用して
企業価値や社風、社会貢献度が結果的にどうなるか、
もしくはどうしたいか。経営サイドのその判断如何と思っています。

新しい概念はネガティブな面から見られがちですが
ポジティブな面を"良し"とした場合、
いかにそれに関連することを変化することができるか、
その観点での議論が増えてくると
社会的な準備が整いだした証拠ではないでしょうか。

「テレワーク」はグローバルな視点ではトレンドですが
そういった意味で日本ではまだまだ先な気がします。

ardbeg32

テレワークがグローバルではトレンドか、という点でも米ヤフーの件やGoogleの職場の例もありますし、既に旬を過ぎている気もします。
フリーな方の完全請負型の仕事なら、期限までに成果を出せられればそれで企業としても十分なので、テレワークによって生産性が上がるなら経営判断的にもそのほうがいいのは間違いありません。サボるサボらないは全く関係ないですし。
会社員としてサボらないよう手を打ちつつセキュリティにも気を使い、安くない回線使用料を払ってでもテレワークを優先すべきという経営判断理由はあまり思いつかない気がします。Googleの職場を見てると特にそう思います。
両米企業を見てますと、テレワークの利点はテレワークでなくても実現できるのではなかろうかと感じますが如何でしょうか。

ハス

ardbeg32さん、ご意見ありがとうごじざいます。

>会社員としてサボらないよう手を打ちつつセキュリティにも気を使い、安くない回線使用料を払ってでもテレワークを優先すべきという経営判断理由はあまり思いつかない気がします。
私もそのように思います。

>両米企業を見てますと、テレワークの利点はテレワークでなくても実現できるのではなかろうかと感じますが如何でしょうか。
"テレワークの利点"は具体的になにを指していますでしょうか?
場所的な制約以外は、テレワークでなくても実現できると思います。


本コラムでは「テレワーク」、その是非を問うというよりかは
「テレワーク」を"是"した場合に
人事評価制度の変革や生産性に有利に働く側面があると思っていて
その状態が魅力的な職場と感じる、という職場環境のひとつとして取り上げました。

ITエンジニアの中には「テレワーク」うんぬんではなく、
どこで業務をしても同等の成果を出せると言うエンジニアは多いです。
またサーバ障害などの対応をしているエンジニアは即時対応する必要があるため
どこにいても何時であってもリモートから対応することが普通のことだったりします。
そういった日常業務も大いに影響していると思います。

あるITエンジニアが業務内容や開発フェーズなどで
パフォーマンスを最大化しやすい手段として
柔軟に「テレワーク」を選択できる仕組みがあるほうが魅力的と感じます。

サボる人はきっとでてきます。
この面でも「テレワーク」を"是"した場合に
そのサボるサボらないまで管理することが現実的か否か、
成果ベースでの評価を課せば管理する必要はないのではないでしょうか、
と思っています。
管理しないと成果を出せない人は許可しなければよいと思います。

「作ったモノに対する正等な評価やフィードバックがある職場」
を魅力的な職場と感じますが、
 サボって100の成果を出す
 サボらず100の成果を出す
業務を行う場所に依存せず同じ評価が良いと思います。
ただサボって100の成果を出す人のほうが技術力なり実力があるのでしょうし
多くのひとはサボらず200の成果を出すのでしょう。
また次の技術の勉強に時間を充てれます。
そのひともそれをやめた時点で成果を出せなくなりますから。

サボらず業務したから評価が高くなるわけではないと思います。
他人が1日かかる成果を半日でできる人が
高く評価されるような制度で運営されている組織に魅力を感じます。
他人が半日でできることを1日かけて
一生懸命にやっている姿でサボらずやったほうが
評価されているケースが意外にもあります。
これは評価する側の能力の問題が大きいですが
そういったことも成果ベースにすることで少なくなるのではないでしょうか。



(メディアや噂でしか聞いたことないですが)
Googleの職場のような環境が実現されれば
「エンジニアとして技術力が上がる環境がある職場」と感じます。
オフィスに行くほうが技術力が上がりそうに感じますので
どこでも業務ができる前提であれば、オフィスで業務を行うと思います。

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