技術者として成長し続けるには? という命題に対する試行錯誤

大学に興味のなかったエンジニアが、社会人大学生になった経緯

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 こんにちは。じぇねです。

 今回は私がなぜ働きながら大学に行くことを決めたのか、その経緯について書かせていただきます。

■始めは大学に興味がなかった

 高校生だった当時、将来の進路を考えたときに大学進学か就職かの2択だと思っていました。大学へ行きたいわけでもないけれど、まだ就職の心構えができているわけでもなかったため、大学へ進学するつもりでした。

 しかし、3年生の夏休みに友人から「専門学校の見学へ行かないか」と誘われ、一応見てみるのも悪くないかと行ってみることにしました。見学時には、多くの専門学校がそうだと思いますが、就職に強いことや、そのために即戦力を目指す実用的なカリキュラムが組まれているということをアピールされ、それがとても魅力的に感じました。そして結局、大学でも就職でもなく、専門学校への進学を決めました。

■社会人になって勉強したくなる

 専門学校卒業後からプログラマとして働き始めたわけですが、社会に出てみたら「もっと勉強しておけばよかった」と思うことが何度もありました。仕事をする中で自分の知識不足を感じることがたくさんありましたし、だからといって学生時代のように誰かが丁寧に説明してくれるわけではありません。

 学生の時には思いもしなかったことですが、何かを学べる環境というのはものすごく恵まれていると気付いたのです。一度学生の身分を離れることが勉強の価値を見直すきっかけとなりました。同僚と話していてもやはり同じように勉強しておけばよかった、もっと勉強したいという話が出ることはありましたので、多くの方が同じような思いを抱えているのかもしれませんね。

 大学へ行って何を勉強するのかといったことは正直に言って明確に決めていたわけではありません。プログラマとしての仕事に直接役立てるならばやはり情報工学でしょうが、ほかにも昔から好きだった物理学、プログラミングとの関係も深い数学、ITの最新技術に携わるならば英語も、あとはお客さんとの打ち合わせには心理学が役立つかもしれないし、自分の住んでいる地球や宇宙の仕組みも気になる。そんな感じで興味のあることのうちいくつかが勉強できればいいな、と思っていました。

 しかし、その考えがすぐに大学入学に結びつくことはありませんでした。テレビかなにかで社会人大学生という言葉を聞いたことはありましたが、身の回りに経験者がいるわけでもなく、仕事と大学を両立することが現実味のあるものとは思っていなかったのです。しかし、なんとなく気にはなっていてたまに社会人大学生の体験談を読んだり、大学について調べたりはしていました。

■通学しなくてもいい

 調べた中で分かってきたのは、大学の中には通学するタイプだけでなく、通信制のものもあるということでした。好きなときに勉強できる通信制であれば、授業の時間を気にしながら仕事をする、といったことはなさそうです。通学の時間も必要ないので、職場や自宅から近い大学を探さなければいけないといったこともありません。反対に、勉強のモチベーションを保つのは難しいかもしれないとは思いましたが、私は通信制のメリットの方が断然大きいと判断しました。

■学費が安く、編入も可

 通信制のなかに放送大学という大学があり、そこは学費がとても安いということが分かりました。入学から卒業までの学費が70万円ほどです。安いといわれている国公立の大学でさえ、卒業までに200万円以上かかるので、それと比べてもかなり安いと言えます。

 さらに、これは1年次から入学した場合の学費で、私の場合は専門学校での単位が認定されるため、2年次・3年次からの編入学という形を選ぶこともできました。3年次から編入した場合は卒業までに必要な単位が半分になるとともに、学費もほぼ半分の30万円台となります。 目標は学ぶことであり卒業することではなかったので、編入にするかどうかは迷いましたが、卒業後に何度でも再入学が可能なので取りあえずは3年次からの編入学を選ぶことにしました。

■自分のペースでいい

 入学したら、4年間で卒業しなければいけないというわけではありません。入学から最長10年間は在学できますし、それが過ぎてもいつでも再入学すればそれまでに取得した単位は引き継がれます。私は編入により最短2年で卒業ができますが、仕事とのバランスを考えてペースを半分にし、4年程度をかけることにしました。 授業はテレビかラジオで放送されます。すべてではありませんがインターネット上で公開されているものも多いです。今後開講される科目はすべてインターネット公開される予定のようです。授業を録画するかネットで視聴すれば勉強時間はこちらの都合に合わせることが可能です。

 期末試験時だけは大学へ行く必要がありますので仕事との調整をする必要があります。ただし、半年に一度ですし、科目登録申請の時点で日程は分かっていますので調整はそれほど難しくはないと思います。夜間や土日に試験がある科目だけを履修するということも、できなくはありません。

■仕事と両立できる

 仕事と大学を両立する時に、会社に迷惑をかけてしまうのでは?ということが気になりました。しかし、通信制の大学の場合は期末試験以外で通学する必要がないため、会社への影響はさほど大きくなさそうでした。逆に、仕事以外にやることを持つことでいつまでも残業しているわけにはいかないため、業務の効率化が図れるかもしれないと考えました。

■取りあえず始めてみる

 上記のように費用面と勉強時間の自由度を考えた結果、取りあえず始めるだけ始めてみても、失うものはそれほど多くはないと判断しました。少しの入学料と登録科目数に応じた授業料を支払うだけです。勉強を続けられなかったら、またできるようになったときに再開すればいいと思い入学することにしました。

 以上が、入学を決めるまでの経緯です。入学後、現在までには業務の忙しい時期も多少ありましたがなんとか順調に単位を取得できています。入学時には上司に「大学に通うことにしました。ある程度は迷惑を掛けてしまうかもしれません」と宣言しましたが、その後大学を理由に早退したり、休んだりといったことはそれほど多くはありません。休むのが1年で3日前後なので、有給休暇の範囲内で十分やっていけます。

授業は簡単ではありませんが、仕事とはまた違った学びや発見があります。魅力的なたくさんの科目がありますので、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。

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