株式会社ジーワンシステムの代表取締役。 新しいものを生み出して世の中をあっといわせたい。イノベーションってやつ起こせたらいいな。

なんだか今日いけそうな気がする~~!!

»

 タイトルとは違って、IT業界のブラックな会社と業界経験についてです。

 ブラックな会社(案件)って、わたし自身には「ブラックな」という基準はないのですけれど……。

 わたしがこの業界に入った時の話です。

 まず、履歴書ではなく経歴書(スキルシート)が大事だということを知らなかった。業界経験はないので、ほとんど白紙の経歴書でこの業界に入りました。しばらくして、

営業  「お前、本当にやったことなかったの?」
わたし 「派遣で研究所に行ってた時、あんなことやこんなことやってました」
営業  「アホか、それ全部スキルシートに書け!」

ってことになりました。

 わたしも経歴書の書き方を知らなかったのです。その時点で、給料にして10万以上は差がついたらしいのに、契約しちゃったので2年は年俸300万(160-180hのやつね)。給料はどうでも良かったし、「それでは飲み歩くのには足らん!」と思ったから、土日にウェイターとかしていたし……。

 まぁ、そんな失敗をしたので、へたくそなスキルシートの書き方をしているのを見ると、直してあげたくなるのね。

 それはさておき、進学塾のシステムをやったことがあるのですが、本当に小学生が終電まで勉強していて驚いた。日本では(わたしの世代)、履歴書に

    東京大学卒業(XX大学で良いけれど)

の一行を書くために、親が多額の教育費をかけて、青春の貴重な時間を捧げている人が大勢います(もちろん学問を修めたい人もいるでしょうが、その割合は少ないというと怒られるかな? わたしは学歴はいらないから受験勉強はしなかったけれど、修めたかった学問はいっぱいある……)。

 一方で、わたしはアホなことをして、怠惰に青春時代を過ごしました。

 結果は履歴書に出て、その後は職に出ます。良い職に就けないことを怨む相手は、怠惰に青春時代を過ごした過去の自分しかない。

 しかし、何年かかけて経歴書を作り直せば、案外簡単に人生が開けることが分かったわけです。ですから、ツラいとか、給料が安いとかではなく、「経歴書の次の一行にこれを書きたい」と思うことを選んで仕事をしていました。

 しかし、次の一行に書きたいというのは、自分にない経験ですから、常にチャレンジです。おいしい仕事は当然、既得権を持っている人が取ることになりますから、チャンスをもらえるというのは、人が足りない一般的にいう「ブラックな案件」が多いのも、これまた仕方のないことなのです。

 ですから、スキルシートを作っている間は、常に苦しいことの連続(やったことがない上にキツい案件)ですけれど、それは東大へ行くほど努力しなかった過去の自分が悪いし、「経歴書の次の一行にこれを書きたい」という思いでやっていたので、相当ツラいことでもできました。「なんてブラックな」とか「搾取されている」と思っていたら、精神的にもたなかったと思う。

 学校へは金を払わないと行けませんが、少なくとも生活できるだけの給料をもらった上で、経歴書を充実させていけるのですから、本当にありがたいチャンスだったわけです。

 もちろん、安定したポジションを取らず、守られていなかったから仕事を選べたわけで、大企業で守られていたらほとんどの人は仕事を選べません。リスクを取るか安定を取るかの自由は、今の時代でもみんな持っていますが、両方を求めたら……ことわざのとおりです。

 で、タイトルに戻って。

 「なんだか今日いけそうな気がする~~!!」と、エロ詩吟という男心を詠むお笑い芸人がいますが、いやらしいことを考えていると何を見てもそう見えます。

 ネット上の評判では、この業界は大層ひどいらしく、ブラックだの、人身売買だの、奴隷だの、いろんなマイナスな言葉が踊っています。そんなマイナスのイメージをインプットをした状態で見れば、全部そう見えるでしょう。

 飢え切った男心で見れば、女性の何気ないしぐさも、誘っているように見えるのとまったく同じです。女性がエロいのではなく、エロく受け取る男性がエロいのです。

 しかし、前にも書きましたが、無理めの仕事(チャンス)を与えるということは、与えられた側ではなく、はるかに与えた側の方がリスクが大きい。経営者としては、はっきりいってそんなリスクは負いたくはないです。

 経営者は搾取しようなどとは思っていなく、ただ成長してくれたらと願っているのに、違う方に受け取るなら、受け取った方の心の内がエロいのではなく……。

 もっとも、会社は儲けるために存在していますから、「チャンスを与えるのも、結局は会社が儲けるためだ!」というのは間違っているとはいえません。

 しかし、少なくとも「搾取してやれ」とは思っていないのです。中には「搾取してやれ」というひどい経営者もいるかもしれませんが、それでも見方を変えた方が健全ですよ。

 健全な見方というのは、「スキルシートを作るために今はある」と思うことです。ひどい経営者であったとしても「利用してやれ!」って思えばよいわけです。

 もし、あなたがスキルシートを意識する必要を感じないときは、売れるスキルシートになっているということですから、回収の時期、つまりたくさんの報酬を得るための交渉をする時期ですし、転職のチャンスでもある。

 ただ、そこまで育ててもらった義理は意識した方がいい。教育だけを受けて、「ステップアップ」と称して転職をくり返す人が多いと、企業は他所で育った人を採る方が効率が良くなります。結果、新人を採らなくなってしまいます。

 そしてスキルシートの見栄えが悪くなってきた(つまり持っていた技術が陳腐化してきた)ら、またスキルシートを作る時期になるわけです。

 「俺は大卒だし」って思う人もいるかもしれませんけれど、それで思うようなポジションにつけないなら、「大卒」という資格は陳腐化しちゃったということで、スキルシートを作る時期ですよ。

 このようなスキルチェンジの時期は、他の業界では人生で何度もないですが、IT業界ではこのサイクルが非常に短いので、自分で考えて切り替えていくしかなく、サイクルが短い分チャンスも多いです。

 ネット上にこの業界の悪口が多いのは、この業界の人がネット上に生息している割合が多いだけの話で、愚痴っている人のモノの見方に、みんなが感化されているためではないでしょうか。

 チャンス、ラッキーと思っている人は、精神的には壊れない(体も精神から異常をきたすことも多いので、体もそうそう壊れない)。タフさも、スキルの伸びも、まったく違います。フリーでやっていた時は、時間ナンボの契約で、他人の仕事に手を貸して仕事を振られたら損という考え方を持つ人も多かったけれど、わたしはチャンスと思っていたのでさらに「仕事が振られたらいいな」と思いながら、いろんなところに顔を出していました。

 1年で普通の倍の仕事をして、倍の経験ができて得したと考えるか、半分の報酬しかもらえなかったと考えるかの違いですね。

 厳しいプロジェクトで、イヤでも倍の仕事が回ってくることはありました。そこで、一緒に苦労している中で「搾取されている」というような愚痴が出始める人がいましたが、そうなると一気に鬱などの危険な状態に向かいます(前兆でしょうね)。やってることは同じだったり、わたしの方が給料安かったりするのに……。

 重要なのは、ポジティブシンキングですな。ネガティブに考えたらどこまでも落ちちゃいます。どちらに考えても、やらなきゃいけない仕事量は変わらないのですから、ポジティブに考えましょう。

 まだまだ、チャンスの多い良い業界だと思います。今、わたし自身がネガティブモードなので反省を込めて。

◇  ◇  ◇  ◇

 みんな、社長をやってみたらどうでしょう。独立するとか、フリーランサーの法人成りなどは、不況の今が一番やりやすい時期です。

 優秀な人がいっぱいあぶれているから人は集めやすいし、助成金や公的サポートも、わたしが始めた頃よりもたくさんあります。弊社のような中途半端な実績より、まっさらな方がはるかに有利でうらやましい限りです。1回つぶして……というのは認められないし(苦笑)。

 たとえば、こんな助成金があります。http://www.ehdo.go.jp/gyomu/kiban.html

 あなたがどこかの会社の社員だったとして、フリーランサーを5名(自分を入れると6名)集めます(フリーランサーは創業と認められない可能性がある)。

  会社を登記します。

  改善計画を書き、助成金を申請します。

  250万円分の設備投資をします(事務所家賃の1年分を引く)。

  フリーランサーを5人を、基盤人材として雇い入れます。

 これで、700万円(疲弊している地方なら1050万円)、国からもらえます。

 フリーランサーの人ならすでに仕事を持っているでしょうが、不況で個人ではなかなか仕事が取れなくなっている。しかし、合わさって法人成りすれば仕事も取りやすくなり、それなりの力を持った会社になるでしょう。

 で、初年度に700万円は、かなりありがたいはず。癖の強いフリーランサーを5人もまとめるのは大変でしょうけれどね。

 他にもいっぱい助成金がありますから、本当にチャンスです。補正予算が通ったら、もっといろんな種類の助成金ができるかもしれませんし、額も増えるかもしれません。

 上のようなやり方で起業すれば、大概、特定派遣の認可を受けて、派遣型からスタートすることになるでしょう。ベンチャーじゃなく中小企業ですね。

 わたしは派遣型の会社も否定するつもりはないです。それだけになるのは良くないけれど、技術者にとっても、それを使う大企業にとっても必要なことだと思っています。

 とにかくやってみれば、今までとは違う、良い面も悪い面も見えることになる。

 多くの人にチャレンジしてもらって、この閉塞感を打破してほしい。でないと、せっかくのバラマキも無意味なものになってしまう。

 わたしが起業した頃は、今ほどの額は出なかったのですが、それでもめちゃくちゃ複雑で、手順を間違えて助成金がもらえなかった。助成金をもらうのはそれなりに知識が要るので、プロに相談するのが良いでしょう。弊社には、今ではプロ(行政書士)もおりますので、お近くでご興味のある方は、ご相談ください。 info@g1sys.co.jp

Comment(8)

コメント

インドリ

>経営者は搾取しようなどとは思っていなく、ただ成長してくれたらと願っている

本当にブラックな会社に遭ったらそんな事いえませんよ。
給与さえ支払われない、言葉通りの奴隷の状態です。
※生命の危機すらありました。
それを除いておおむね同意します。
よい記事だと思います。
私は色々ありましたが、生きている素晴らしさを真に理解する事が出来ましたので、自分の人生に悔いは一片もありません。
今日も生きている幸せを噛みしめながら仕事と研究に没頭しています。
生島さんが仰るとおりで、前向きな姿勢こそ大事だと思います。
不幸/幸福なんて個人の考え次第です。
自分以外の全ての人間が自分を不幸だと定義しても、
自分が幸せだと定義すれば幸せなのです。

まぁ、ブラック、ブラックというけれど、その社長さんは元気なのですかね。
何もかも無くしたんじゃないかな。

社長が全責任というのは分かりますけどね。

小さい会社がつぶれるとき(オーナー会社ね)給料が払えなくなるときは、まぁ、大体、年商から倍ぐらいの借金になっています。5人の会社なら4~7千万ぐらいかな。
10人の会社なら8千万~1億超ぐらいですね。

自分が儲けるためにやっていたのか、力なく失敗したのか。

社長に責任があるのですけどね。

5人の会社なら、社員に10%ぐらいの責任があるかもしれません。
……ないのかな。

インドリ

>まぁ、ブラック、ブラックというけれど、その社長さんは元気なのですかね。
何もかも無くしたんじゃないかな。

これは個人的経験に基づく意見ですが、そういう社長は生まれたときから金持ちで、情報処理技術にも愛着が無く、「知っている人から搾取すれば簡単に儲かる」と考えて行動しています。
※実際そういうふうな発言をしていました。
それに、雇われる方の身になって考えてください。
その社長が自分の愚かさから破滅するのは自業自得ですが、普通の会社だと思って入社して、その後の人生を狂わされる社員の事を・・・
日本は新卒信仰が酷く、能力とは関係なく看板だけで判断しがちです。
ですから、ブラック会社に入社してしまったら普通の人生は遅れません。
そういった金さえあれば人を奴隷に出来る現状は問題ではないでしょうか?
会社が生殺与奪権を持つというのはおかしくないですか?
私はまともな状態だとは思えません。
この問題を解決しない限りこの業界に明日はないでしょう。

ご経験があるなら、そういう人もいるのでしょうけれど……。

金を持っていて儲けようとする人は、普通は派遣型を選ぶでしょう。
派遣型なら、給料が払えなくなる前にクビを切って終わりか、不幸な連鎖倒産でしょう。いずれにせよ、ハケンでやってて身銭を切らずに社員に転嫁する社長は私も最低と思いますよ。
派遣型で給料を払わないなら上前をはねる資格はない。

しかし、受託でやっている社長は、また、別の考え方をしていると思いますよ。
半端じゃないリスクですからね。

>「知っている人から搾取すれば簡単に儲かる」
> ※実際そういうふうな発言をしていました。

能力がある人から買ったらいいということで、「タイヤから作る必要がない」ってことで間違いじゃない。
というか正解。
逆だったら愚か者ですね。

言った方の言い方もあるけれど、聞いた方の受け取り方はないですか?

よくあるのが、タイヤから開発せずに買った。
ここまでは正しい判断です。

買った方は「ホイールも」買ったつもりだった、売った方は注文を受けたのは「タイヤだけ」ってパターンとか、サイズがまったく合ってなかったり、用途がぜんぜん合ってなかったり、いろんな部分で見積りとはかけ離れていって、全体がトラブって払えなくなった……。

まぁ、世の中にないものを作っているので、見積りなんてあってないようなものですから、目論見が外れる確立は99%以上、外れても生き残るのが5%ぐらいってのがベンチャーです。

潰れるときはみんなブラックですけれど、それをことさらに叩いたら、誰も起業しなくなるからね。

会社がつぶれたぐらいで、社長ならともかく、社員なら人生は終わらないし、運不運は誰にもありますよ。

tripod

インドリさんの発言が事実だとすれば、IT業界は確かにひどい状態なんでしょうが、

http://indori.blog32.fc2.com/blog-entry-752.html

を見る限り、とてもじゃないですが信じられないです。
インドリさんがブラックだと思いこんでいるだけで、普通の会社がほとんどではないですか?


という「あなたの体験を客観的に見直してみたら?」的意味合いの、半ばインドリさん個人に向けたエントリですよね、これ。
本人にはさっぱり通じてないのが悲しいところですが。

tripodさん、ども。

インドリさんを意識して書いたつもりはないけれど。
入ってきた時点から、「ブラックなことに巻き込まれないように…」って身構えている人が多いから、その人たちに向けて書きました。

> http://indori.blog32.fc2.com/blog-entry-752.html

具体的に何があったか分からないのですけれど、見ようによっていかようにも見えているだけとも思います。

たとえば

>「知っている人から搾取すれば簡単に儲かる」
> ※実際そういうふうな発言をしていました。

これはおそらく「タイヤから……」だと思いますよ。
見ようだし、聞きようだし、言いようだと思います。

なんだか今日いけそうな気がする~~!!とポジティブに考えるのもよいけれど、勘違いだったらストーカーになる。
逆に誘われていても、気づかない鈍い人もいる。
男女関係の機微というのは、小さいころからの周りとの人付き合いの中で形成されていきます。

会社と社員の関係も同じです。
私も新人類といわれた世代なのですが、やっぱり若い人は本当にものを知らない。

だから、会社と社員の関係の機微というものが分からない。
男女関係よりかなりひどい無理解な状態で会社に入ることになります。

で、何が言いたいかというと、若い人は社会を知らないので大きな勘違いをするのは特権みたいなものですから、ストーカーにならない程度で馬鹿になってほしいと思うのです。(異性に対してでなく仕事に対してね)

私などは馬鹿なので、「自分は世界一の技術者になってやる(なれる)!」って思い込むぐらい若者の特権を活かしてやっていました。
私ぐらいの世代までは、そういう典型的な馬鹿が結構いたと思うのですけれど。

今の若い人たちは、社会を知らない目で見た権利を守ることに汲々としているように見えます。

大手に入っても、同期(前後)と熾烈な出世競争しければ意味がないのですけど、安定だけしか見てないんじゃないかと、若いのに縮こまりすぎと思うのです。

ブラックな会社に入ったら、「のし上がって実権を握ってやる!」って思ったら乗り越えれますけどね。

生島さん、お久しぶりです。JWNTUGの記事にコメントどうもです。今回のコラムは、起業のバイブルですねっ!!

僕は、18歳で、突然母親を養うことになったので、嫌が上でも自立しなければなりませんでした。それから約20年はこちら(近畿)です。ですので「自分の学歴は自分でつける!!」と、若い頃は(今でも若いつもりですが;)気負って、鼻息が荒かったです。

正式に履歴書に書くと、千葉県立千葉工業高校情報技術科3年次中退、兵庫県立青雲高校通信制4年次卒業、ポリテクセンター兵庫修了、放送大学学園中退、とまあ、勉強嫌いだったのが、ずいぶんと粘ったものです(苦笑)こんど、ケーブルTVが来たので、放送大学もライフワークとしてちびちび頑張ってみたいと思っています。(まあ、MCPやCCNA、LPIC、TOEICが先ですけどもね)

おかげさまで、すんなり学力をつけた人より、なにくそで、こんにゃろな、ナニワのど根性がつきましたが(笑)

田所 さん、ども。

バイブルというほどではないけれど……。
起業するならここ2、3年はあたりでしょうね。

営業力のないフリーランサーをまとめられたら……、結構なチャンスだと思いますよ。

私はそういう方針は考えていなかったけれど、そういう会社が悪いわけではないし、フリーランサーも困っているし、彼らを使っている会社も困っているわけです。

まとめられるかは、それだけで大変な能力ですから出来る人はやるべきです。

コメントを投稿する