デクレッシェンド
夜。残業中。おなかのあたりが痛む。「食べすぎ?」……まっさきに疑う。今日は遅くなるのが分かっていた。いつもより多めの夕食を食べたからだ。少し気になるものの、放置していた。風邪が長引いているから疲れもでてきているのだろう。
難しかったバグをやっつけた。ようやく帰れる状況になる。時計をみると終電が近い。いまならまだ間に合う。おなかをかばいながら駆け足。急げ。
■フェルマータ
体調が悪いときは、早めに眠るようにしている。と、そんな心がけもむなしく、日付は次の日である。それでも、やれることはちゃんとやろう。なるべく早く床に就く。眠れば治るさ。
深夜。痛くて目が覚める。何かヘンだ。というか、ヤバいかも。
朝。体が動かない、こともない。が、痛い。ゆっくり、ゆっくりとベッドから抜け出す。立ち上がる。うぐぅ。右足を一歩。ぐはぁ。左足を前へ。……めんどうになってきた。普通に書こう。正常に歩けない。じっとしているだけで痛い。体をひねるとが痛みが増す。
で、仕事をお休みして病院へ行く。どうやら十二指腸潰瘍らしい。原因は過労とストレス。いかにもエンジニアらしい病気だ。
こんな体に誰がした。誰かのせいとか、仕事のせいとか、そうゆうのは好きじゃない。自分の心と体が弱かったからこうなった。ということにしておこう。
■ブレイク
音楽には休符という記号がある。音符と音符の間にあって演奏を休むというイメージがあるが、そうではない。休符に記号がつく場合がある。強調するf(フォルテ)や、弱く弾くp(ピアノ)の休符も存在する。音を鳴らさないのに強弱緩急の表情をつけることが可能だ。休符は「休む」という演奏である。無音は音楽を構成する一部だ。
なってしまったものはしかたがない。十二指腸潰瘍ごとき雰囲気出してもしかたない。寝よう。休むことも自分の音のひとつだ。音が鳴っていなくてもまだメロディは終わりじゃない。全休符にpp(ピアニッシモ)……そして、静寂。オヤスミ。
どこか遠くからレベルアップを告げるアラート音が鳴り響く……。
【本日のスキル】
- コラムニストスキル:レベル28
- 腹八分目スキル:レベル1
- 短気なスキル:レベル8
- 安静スキル:レベル15