新しいパラダイムシフトについて肩ひじはらずにマジメに語ります。

『クラウドコンピューティング日記』を始めるにあたって

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はじめまして。自己紹介させてください。

 はじめまして。野村と申します。このたび、『クラウドコンピューティング日記』なるコラムを連載することにしました。

 以前に、@ITさんで「ITエンジニアを続けるうえでのヒント」という連載を執筆しておりました(連載初回はこちら)。この連載を読んで下さった方も、今回が初めての方も、今後ともよろしくお願いいたします。

クラウドコンピューティング日記を始める背景

 最近、「クラウドコンピューティング」という単語がIT業界のみならず、一般的なメディアでも取り上げられています。

 取り上げられること自体は、とてもよいことだとわたしは思います。なぜならば、今後の5年から10年のIT業界の動向としては、クラウドコンピューティング抜きに語ることができない、とわたしは確信しているからです。

 一方で、「クラウドコンピューティング」という言葉の定義があやふやだなあ、とも思っています。確かに、「クラウドコンピューティング」という言葉自体がいわゆるバズワードというか、あやふやな側面を持っています。

 ですので、ITベンダ各社が自社の製品を市場に出すときに、とりあえず「クラウドコンピューティング」と言ってみる、という傾向にあるのも事実と思います。

 あえてどこの会社とはいいませんが、インターネットを使って提供するサービスであれば、即「クラウドコンピューティング」としてしまうのが、現実としてありますからね……。このようにクラウドコンピューティングという言葉の定義がいい加減であるがゆえでしょう。

 一部の心あるIT業界の重鎮? の方でも「クラウドコンピューティングという考え方は間違っている!」と主張される方も多くいらっしゃることも事実と思います。

 あえてクラウドコンピューティング日記

 とはいえ、上記のとおり、今後の5年から10年のIT業界の動向としては、クラウドコンピューティング抜きに語ることができない、というわたしの確信があります。

 もうちょっと正確にいうと、以下のようになるでしょう。

 「現在一般的にクラウドコンピューティングといわれている領域に含まれる要素が、今後の5年から10年のIT業界の動向を左右する重要な要素である」

 このような確信のもと、あえて、言葉の定義がいい加減なクラウドコンピューティングという領域について、コラムを書くことにしました。

 また、コラムという性質から、高尚な学術論文のような内容にはしないように考えています。クラウドコンピューティングの論理的な論評は、他の記事や良書に譲ります。

 このコラムでは、わたしの日々の実務から見え隠れするクラウドコンピューティングの実態について、わたしの意見や、身の回りのクラウドコンピューティングに近い領域で活躍されている方々とのインタビューなどを中心にしたく思っています。

■ クラウドコンピューティングの言葉の定義

 前置きが長くなりました。すみません。

 さて、当コラムの初回記事としては、クラウドコンピューティングの言葉の定義をしていきたく思っています。上記のとおり、クラウドコンピューティングという言葉の定義があいまいですからね。

 まあ、あいまいなママのほうが良いのかもしれません。あいまいなママのほうが議論の幅が広がるという側面がありますからね。場合によっては、定義することが困難なのかもしれません。人によって定義が異なるでしょうから……。

 ただ、このコラムを続けるにあたっては、あえて「クラウドコンピューティング」という言葉の定義をある程度しっかりしておかないと、誤解が誤解を生んでしまうのでは、とも思うわけです。

 それでは、クラウドコンピューティング日記をはじめるにあたっての前置きはこれくらいで終わりにさせてください。次回以降、クラウドコンピューティングという言葉の定義についてのコラムを書かせていただきます。タイトルは、以下です。

 「クラウドコンピューティングは売り物ではありません」

 それでは、次回のコラムでお会いしましょう。

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