もはや男の30歳は結婚適齢期ではない
新婚をネタにコラムを書いているからには、結婚について書かないわけにはいかないのである。
最初にことわっておくが、今回は特に限定的な立場で書いたコラムである。独身ではなく既婚者で、地方ではなく首都圏のIT企業に勤務し、下流ではなく上流の業務を担当し、ベテランでもなければ新人でもない中堅ITエンジニアが感じたことを書いているのである。そして、女性の意見はまったく取り入れていないのである。
■30歳という年齢■
「男30歳結婚適齢期説」が周りでまことしやかにささやかれている。思い掛けず、僕自身がそれに近いかたちになってしまったわけだが、この説を意識したわけではない。
30歳という年齢は、仕事にも慣れ、大きな仕事をこなしながらも部下を管理したりと、仕事に面白さを感じ充実感を味わうことができる年齢なのだろう。さらには、自分ならばなんでもできると天狗になってしまう時期でもある。
そして、一通り自由な時間をすごし、そろそろ落ち着いてもいいかなと考えるのもこの時期かもしれない。
ただ、やっかいなことに、本人にその気がないにもかかわらず、周りが勝手にそのような目で見てくる場合があるのだ。上司や周りのお年を召した方々には、飲み会のたびにしつこく聞かれたものである。「そろそろじゃないの?」「いやぁー、まだまだ……」という具合だ。このやり取りは結婚するまで永遠に続くのだ。そして、答えをはぐらかすと、怒涛の追及が待っているのである。
今現在、既婚者となったとたんにその話題はなくなったものの、今度は違う形の追及が待っているが、それはまた別の話。
■世間の風当たり■
先日、あるドラマの再放送を見た。それは“29歳のクリスマス”という15年前のトレンディドラマだった。若かりしころの山口智子と柳葉敏郎が恋や仕事に悩む姿を描いていた。29歳ということで、結婚を考える描写もあった。今、このタイトルは通用するだろうか?
“Around40”というドラマが流行り、流行語にもなった現在、30歳という年齢は昔ほど重要な意味をもたなくなったのだろう。僕にとってもただの通過点にすぎなかった。
僕が思うに、「プログラマ35歳定年説」と「男30歳結婚適齢期説」の両方とも、仕組まれたレールの上に乗せられているだけではないのか? ということだ(注:男30歳結婚適齢期説は一般的ではない)。
「35歳すぎてもプログラムを書きたいけど、会社はマネジメントをやれというし、周りも管理職をやってるから……」と管理職へシフトしていく開発者たち。
「親戚や親がうるさいし、周りの友達もみんな結婚してるからそろそろ……」と結婚に焦りだす同僚たち。
統計的に見るとこの説が当てはまるのかもしれない。社会的にもそのような風潮なのかもしれない。しかし、今現在独身の方には真剣に考えてほしいのだ。
30歳だからそろそろというように、年齢を基準に結婚を考えるべきではない。そして、30歳なのにまだ……と焦る必要もないのだ。
早すぎる結婚に後悔した男はいるが、遅い結婚に後悔した男はいないのである(ホリの周辺調べ)。
※そんなこと言いながら、お前は結婚してるだろ! というご意見もあると思うが、僕は約8年引っ張り続けてきたのである。そして、決断する過程で年齢のことは一切考えなかったのである。
ただ、上記の二説には、ぴったりと当てはまりつつある……(^^;
コメント
ヨギ
はじめまして。最近コラムニストになったばかりのヨギです。
>早すぎる結婚に後悔した男はいるが、遅い結婚に後悔した男はいないのである(ホリの周辺調べ)。
これは至言ですね。すごい調査力と分析力だと思います。
24
>早すぎる結婚に後悔した男はいるが、遅い結婚に後悔した男はいないのである(ホリの周辺調べ)。
後悔する時期が違うだけだと思います。
40になって子供ができたとき、子供を肩車したりいろいろ遊びにつれていったりと
体力の必要なことが多いです。
また、子供が成人したときに定年。これからまだまだお金がかかる年頃かもしれませんが、そのときに自分の所得が万全ではない可能性も高くなるのでは。
まあ、「子供をつくる」ということが前提なので、スルーしてください。
ホリ
コメントありがとうございます。
>ヨギさん
コラム読ませていただきました。
私の場合は常駐される立場ですが、非常に興味深い内容でした。
至言と言われると恐縮してしまいます。
あくまで、私の周りだけの話なので…(笑)
>24さん
おっしゃるとおり、子供がいれば違ってくると思います。
ただ、私の周りには
「結婚する=子供をつくる」という考えが無い人が多いもので…。
まさに、少子化問題そのものですね。