組み込み系システムに3年、オープン系システムに7年。徹夜がこたえるお年頃。独身貴族から平民へと降格したホリは、墓場へまっしぐらなのだろうか……。

カリスマPMになりたくて

»

 仕事に対してモチベーションが上がらない時がある。人間なので、好不調の波はあるだろう。この業界に長くいると、自分なりにモチベーションを高める方法というのは、自然と身についてくるのだ。それはまた別の機会に書くとしよう。

 では、プロジェクトにおいて開発者のモチベーションを上げるにはどうすればよいのか? PM としてプロジェクトを管理する立場にあると、この開発者のモチベーションを上げるというのは、重要な仕事の1つとなるのである。

 開発者それぞれ、モチベーションに差があるのは当然だろう。同じプロジェクトを対応していても、差があるのはあたりまえだ。では、なぜモチベーションに差がでるのか。それは開発者個人のモチベーションが以下のように分けられるからだと、ぼくは考えている。

  1. 顧客に喜んで使ってもらえるシステムを作りたいと考える、顧客志向の強い者
  2. プロジェクトを通して自分の技術力を高め、困難な課題に挑戦する者
  3. 自分の責任範囲にはしっかりと責任を持ち、挑戦せず、確実性を選ぶ者
  4. 上から言われたことしかやらない。自分の担当部分以外にはまったく無関心な者
  5. 隙あらば手を抜いて怠けようとする者

 1から5まで、数字が少ないほどモチベーションが高いように思われる。もちろん、これはそのモチベーションに合致した仕事を与えられたときに限ることだ。上位にそれほどモチベーションの差はないが、下位とは明らかに違うのである。

 ここでいうモチベーションというのは、「プロジェクトにプラスになる行動をする開発者」という意味もある。自分の役割をきっちりとこなすだけで、プロジェクトとして問題はないが、さらにその上をいくことが望ましいのだ。

 プロジェクトを担当する開発者のモチベーションが、すべて3以上なのが望ましいのだが、なかなかそうはいかない。PMが何か言ったところで、簡単に上がるようなものではない。となると、適材適所というのが一番開発者のモチベーションを高める秘訣かもしれない。

■カリスマPMとの出会い■

 このコラムを考えていたとき、ふと思い出したことがある。開発者としてまだペーペーだったころ、上記以外でモチベーションが高まったパターンがあったことを。

 それは、2年目の下っ端開発者だったころ。AさんというPMの元でPGをしていた時のこと。ポジション的に顧客の顔が見えず、特別面白い仕事というイメージはなかった。ダラダラとやっても終わる、上記で言うところの4のような状態だったかもしれない。

 そんな時、全体会議でAさんと話をし、Aさんのプロジェクトに対する熱い思いを知らされ、めちゃくちゃモチベーションが高まったのだ。ぼくが担当しているのは、小さな機能ひとつ。しかし、Aさんからプロジェクト全体の話を聞き、そのプロジェクトにかけるAさん熱い思いを知らされると、こちらまで熱くなってしまったのだ。

 それからは、ことあるごとに、忙しいAさんのところへ押しかけ、アイデアを提案したり、相談にのってもらったりもした。普段ならば、PMとはレビューの時に少し話をするだけの関係のはずが、Aさんとはかなり親密になっていたのだ。

 AさんはPMとしてもすばらしく、人間的にもすばらしかった。ぼくの心の中では、顧客や自分のためでなく、Aさんのために頑張ろうという変な感情がわいてきたのだ(注:ぼくはいたってノーマルです)。

 Aさんが困っていれば助けになろうとし、Aさんの期待にこたえるために頑張ろうとした。文章にするとやけに気持ち悪くなるが、そう思っていたのだ。例えるなら戦国時代に武将が殿様を慕うような、そんな感覚かもしれない。

 Aさんがプロジェクトを成功させるために、意図的にそうしていたのか、今となってはわからない。そのころのぼくにはカリスマPMとしてAさんは光輝いていたのだ。

 Aさんとは、それ以来仕事をしていない。昔の記憶が美化されたこともあり、Aさん以上のPMには出会っていないように思う。当然、ぼく自身もAさんの域には達していないのだ。

 いつかぼくも、PMとして仕事をしている間に、開発者から心酔されるAさんのようなPMになりたいのである。

Comment(0)