「人と組織」という切り口で、経営と現場の課題解決についてカレンコンサルティングが分かりやすくお伝えしていきます。

【プロセスコンサルティング】変革のレバレッジのかけ方とプロセスマネジメント

»
  •  関東も梅雨入りになりましたね。ジメジメの季節ですが、組織は風通しを良くしていきたいものです。

 前回『組織とは不安定であればあるほど、発展と成長を遂げる』とお話しました。意図的な“ゆらぎ状態”を作り出すことにほかなりません。

 変革の必要性は、「現状を変えなければならない」という「適度な危機感と緊張感」が組織内に行き渡ってことから感じるものです。

■「2・6・2の法則」~すべての人は変えられない~

 「組織を変える」ことの解釈は、人それぞれ異なります。

【浅い解釈】

  • 上司が変わること
  • 組織の役割が変わること
  • 組織(部門)の名称が変わること など

 ただし、ここでいう「組織が変わる」ことは、下記のとおりです。

【深い解釈】

  • 意思決定のやり方が変わる
  • コミュニケーションのとり方が変わる
  • 人と人の向き合い方が変わる など

 その結果、「仕事のやり方が変わる」。このような状態となることを「組織が変わる」ということです。「1人1人が、どう変わるか」ということがお分かりになるでしょう。

 一般に、組織には「2・6・2の法則」が当てはまります。何かを変えようとしたときに、積極的に自分事として受け止めて動く人が2割、様子を見ている人が6割、ちっとも動かない人が残りの2割ということです。

■変革レバレッジは2割にかける

 図1をご覧ください。

1206141

 組織に属するすべての人を変えることはできないので、組織を変えるためのレバレッジは、まずは積極的な2割にかけます。その際に、この2割の中にも温度差があるので、「何を・どう変えるか?」という、グランドデザインをきっちりと行い、ぶれない軸を定めることが重要です。

 さて、この2割の人材が、すぐに変革リーダーとなるかと言うと、実はそう単純にはいきません。多くは、自分以外の誰かから、「言われる・指示を出される」ことに慣れきっています。加えて、長年、染み付いた「組織の見えないタガ」が個々人の行動を縛っています。すなわち、「思い込みの枠を外す」ことが重要です。

 無意識の間に染み付いているこれら「暗黙の常識」やルールを時代が変わっても、かたくなに守り続けることほど無駄なものはありません。

■「やらざるを得ない環境」と「人から与えてもらわない気付き」

 この時に、2割の人材が変革と自分は関係ないとならないように、そう、当事者にするためには、「関連性を明示すること」と「自分で見出す」という2つが揃わないと、うまくいきません。

 この2つを言い変えると、「自分が困るプロセス」と「気付きのプロセス」となり、変革のプロセスコンサルティングでは、この2つのプロセスを変革シナリオを作るときに、入れ込んでおかなければなりません。

■2割を真の変革リーダーへ

 自らが当事者となった変革リーダーは、最初の「2・6・2の法則」の"はじめの2割"よりも、強力な動きを行うようになります。同時に、残りの6割をキャッチアップするために、こっそりセーフティネットを張れるような動きを取るようになります。

■変革のプロセスマネジメント

 図2をご覧ください。

1206142

 冒頭、書いたように「不安定な状態」の組織には、競争原理が働きやすくなります。安定的な組織のように、のんびりとあぐらをかいているわけではないからです。このサイクルをくるくると回すことで、変革の下地は徐々に組織文化として根付くようになっていきます。

 この領域は難しいので、次回は具体例を挙げてお伝えしていきます。

 コラムニスト:カレンコンサルティング 世古 雅人

Comment(0)