システム基盤・情報セキュリティーを専門とするエンジニアです。

IT業界の現状

»

 今、IT業界は大きな変革期の中にあります。その中核にあるのが、クラウドコンピューティングという技術(サービス)です。猫も杓子もクラウドコンピューティングという言葉を使い、ビジネスにイノベーションをもたらそうと、あらゆる企業が事業を展開しています。話題のクラウドコンピューティングについて、私なりの考えを述べようと思います。

 クラウドコンピューティング(※以降クラウドと省略)は、「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」、2つの機能を併せ持った「ハイブリットクラウド」と分かれます。さらに、サービス形態として、SaaS、PaaS、IaaSと分かれています。各企業がこれに対し、さまざまなサービスを提供しています。ソフトウェア開発企業は、自社製品をクラウド用に刷新し、「for クラウド」「クラウド版」などと銘打って、業績回復のために躍起になって新製品を市場に送り出しています。その中には、何がクラウドなのか分からない、ただ名前を変えただけのようなお粗末なものが実在するのも事実です。

 ここからが私の専門分野になりますが、これらのクラウドの基盤技術を支えているのが、「仮想化」という考え方です。仮想化とは、近年高性能化したサーバ製品のリソースを有効活用し、結果的にサーバ台数を減らし、開発コスト・運用コストの削減やCO2の削減を実現する、神業のような技術です。仮想化を実現するには、新たに仮想化ソフトが必要になってきます。その代表格が、VMwareです。他にも何社か有名どころがありますが、ここでは省略します。

 今、基盤系エンジニアは「仮想化に対応しなければ仕事がありません」と言えるほど、重要な技術になってきています。サーバ群が各企業のデータセンターに設置されて、今まで述べた技術やサービス形態が稼働しています。そのため、インターネットの雲のようなところから、好きな時に好きな場所で好きなだけサービスを利用できるようになっています。

 クラウドの市場はこれからも拡大し、IT企業の営業利益の10%から20%を占めることとなるでしょう。今後は行政サービスなどはクラウドに移行し、企業の基幹業務などは、プライベートクラウドを主体に今後開発されていくことと思います。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する