いろんなことでエンジニア思考を鍛えましょう。

第2回 エンジニア的思考整理法

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 依頼されて作るシステム。オリジナルのサービス。現行サービスの拡張・改修。システムにはさまざまありますが、どんな形にしろ実現するためには思考することが必要でしょう。

 欲しいものをいかにして実現するか。いかなるものを作るか。それ以外にも、どのような提案をするか。どのようなプレゼンをするか。

 エンジニア思考(もの作りのための思考)で考えなければならないことはたくさんあります。しかし色々なことを一度に考えすぎると、頭が混乱し、正確に問題を把握できなくなることがあります。

 今回は、こういった問題を解決するために、エンジニアが意識すべき思考の整理方法について書いてみます。

■今あなたは何をしていますか?

 当たり前のことですが、いま作っているものが何のためのもので、最終的な目的が何なのかを意識することは、非常に大事です。これは当たり前のようですが、実際にプロジェクトを進めていくと見失いがちになることでもあります。

 例えば、ある問題のために作業が滞ったとき、その問題を解決すべきなのか、回避策を考えるべきなのか。答えは実は簡単で、製品を納期までに納品すれば良い。ただそれだけです。

 もっと具体的にいえば、問題の解決にかかる時間、回避策の調査・実装にかかる時間、問題に対処しない場合のリスク、納期を勘案してプロジェクトが成功するための最適解を出すことになるでしょう。

 問題の大きさにもよりますが、エンジニアの仕事は納期までに顧客の求める製品を作ることです。目の前の問題を解決するのが本当の仕事ではないのです。エンジニアは何を求められているのかを正確に意識する必要があります。

■頭の中を整理する

 思考の方向が脱線しないように頭の中を整理し、常に今何をやるべきなのかを意識しましょう。そのための簡単にできる思考整理法として、自分の頭の中のことを書き出してみることをお勧めします。

 ノートでもPCのメモ帳でも何でも良いです。書く内容は、例えば次のような内容になるでしょう。

 最終的な目的、今やること、後でも良いこと、懸念点、保留事項、不明点、その他何でも。
これら頭の中のことを全てを書き出した後に、カテゴリ分けをし、それに優先順位を付けていきます。この時点で、最終的な目的から外れていると感じたことは切り捨てるか、顧客との対話をしましょう。大抵は、余計なことか、調整が足りていないために未決な内容です。このように整理していくと、本当に今やるべきことが見えてきます。

 人によっては付箋を使う人もいるでしょう。しかし、ペタペタとあれやこれやと整理されていない情報を張り出していくことは、結局は混乱の元になってしまうこともあるので注意が必要です。

■思考整理が生むもの

 このように思考整理していくと、実は、今まで見えていなかった本当のプロジェクトの問題点が見えてくるようになります。

 それは、顧客の要望を正確に把握し、何をすべきかが理解できているからこそ見えてくるのです。この考え方に慣れてくると、日常生活でも応用できます。短い休みを、仕事、家庭、趣味、勉強、友人とどのように効率よく有益に使えるかを考えることにも役立ちます。これは今すぐできます。今日から思考整理し、充実したエンジニアライフを送りましょう。

 次回は、「エンジニア思考を支えるもの」を考えてみます。

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