未経験中途入社したましゅまろの毎日

IT業界1年目【前編】

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 こんにちは、ましゅまろです。プロジェクトに追われていました。

 本日は、IT業界1年目の日々について綴りたいと思います。

■□■

【面接にて】

 「ああ……歩きにくい……」

 買ったばかりのスーツと、ハイヒールにすっかりやられていました。スーツは肩が凝るし、ハイヒールでひどい靴擦れになっていました。ぎこちない動きで、面接会場に向かうと、思わず目を疑いました。

 「でかい……」

 目の前には高層ビル。一番上に面接するはずの会社の名前がでかでかと掲げられているではないか……。

 すっかりテンションが下がってしまい、「どうせ、この1次面接で落とされるのだろう」などと考えながら、面接会場である14階に案内されたのでした。

 この面接は、あまりにも緊張しすぎて、敬語、丁寧語、口語、タメ口が入り混じる、ひどいものでした。

 たしか、筆記テストもあったような……。なんとか終わらせた翌日、もう結果が出ていたのでした。

 『2次面接のお知らせ』

 何かの間違いではないかと何度も読み返しましたが、どうやら1次面接は受かっていたようです。

 2次面接は1次以上にひどいものがありました。お恥ずかしい話、この暇な間に空いた心の穴を埋めたいというだけで、ネットワークエンジニアという仕事や、IT業界のことを、何も知らないままに面接を受けていたような気がします。

 うつむく面接官……。面接官は役職者だったのですが、彼らの質問にほとんど答えられないまま、時間だけが過ぎていきます。2次面接開始からたったの5分でした。

 「最後に、自己PRをしてください」

 わたしは、彼らの「早く終わらせよう」という雰囲気を察知し、ここぞとばかりに笑顔を返しました。

 そして愚かしくも、こんなことを言いました。

 「わたしは、この業界のこと、IT用語、ネットワークの知識、今は何もありませんが、入社してから、誰よりも早く成長し、必ず役に立てる、会社に貢献できるという自信があります」

 面接官はそれまでわたしに対する興味を失っていたようなのですが、この言葉に対して2人同時に顔をあげました。

 「ほう……。その根拠はなんでしょう。どのように成長するというのですか?」

 役職者の方が言いました。こいつ何を言っているんだ? どこからその自信が? という顔つきです。

 「わたしは今まで生まれてから、学ぶことで苦労をしたことがありません。始めた瞬間に、勉強も、運動も、料理も人並み以上にできました。だから誰よりも成長が早いと自負しています。けれど、何でもある程度しかできません。なのでこれからは、1つのものを突き詰めてスペシャリストになりたいと思います。具体的に学ぶには、事前に勉強するのではなく、現場から習得しようと思っています」

 2人の顔色が変わったので、瞬間的に勝ったのだと思いました。

 その場の空気をつかんだのです。最後の質問だったはずが、そこからまた面接がスタートしました。

 中退の後、大検を取るまでのこと、学校のこと、料理のこと、他愛もない会話に切り替わったのを覚えています。

 そして、この日、その場でネットワークエンジニアの卵になったのでした。

【変な空間】

 その日は予定の時間よりも早く起きました。

 出社1日目。初日からセンセーショナルな体験をすることになるのです。

 研修を受けるオフィスは地下1階でした。

 ドアを開けると、床で寝ている人が、もぞもぞと動きました。

 「ひぃいぃいい」

 びっくりして、二度見してしまいました。数名の技術者が床に何も敷かずに転がっていたのです。その脇をすり抜け、自分のデスクである席につくと、「ネットワークエンジニア募集」で入社した数名がもうデスクについていました。

 「おはようございます」

というわたし。

 「……」

 ちらりと見て、またデスクに向き直る人たち。

 「?」

 聞こえなかったのかと思い、あらためて「おはようございます」というと、「聞こえてるよ」と言われました。

 なんという横柄な態度。この業界の人はあいさつもまともにできないのか……。

 イライラを抑えつつも、よく考えたら、同じ日に入社した彼らは、全員別業界からの転向者である事に気付きました。ああ、そうか、別の業界で挫折した人たちの集まりなのだ。

 自分も同じ……。落ちこぼれの集団だ。

 自分がその中にいるという事実。認めたくない現実に泣きそうになりつつも、

 「アルバイトで高校中退者でも、あいさつくらいできるぞ」

とひそかに毒づきながら、ITの会社に入社したことを早くも後悔したのでした。

 定刻になると、2次面接の時の役職者の方が入ってきて、あいさつの直後にこう言い放ちました。

 「きみたちには1カ月間、死ぬ思いで勉強してもらいます。資格をとれなければ、クビも覚悟してください」

 言い終わるや否や、大量の教材を配り始めます。

 資格? 勉強? この先わたしは一体どうなるの?

 呆然自失の中、IT業界1日目は幕を閉じたのでした。

 To be continued...

Comment(7)

コメント

組長

こんにちは。組長と申します。はじめまして。

やー、読んでいてワクワクしてきましたっ!次回以降が楽しみですー。


>この業界の人はあいさつもまともにできないのか……。
私もビックリしたことあるんですけど、いるんですよね。挨拶は人生の、人間関係の基本だというのに・・・。

ましゅまろ

組長さん>
はじめまして^^ましゅまろです。
乱文最後まで、読んでいただけて光栄です。

>私もビックリしたことあるんですけど、いるんですよね。挨拶は人生の、人間関係の基本だというのに・・・。
そうですね・・・業界に限らずなのかなぁと思う所もありますが、
ほんと挨拶はして欲しいですよね!
なにより、かえってこない時にすごく切ない気持ちになりますよね・・・。

若いって良いねぇ、本当にうらやましい限りです。素直な心と、ストレートな語り口があるらしいところが、応援したくなるポイントです。

ぜひ頑張っていただきたい、日本の将来の為にも、って、まぁそれほどのもんじゃないか・・・。でも文章はたぶん本当のことでしょうから、見込みありです。

ましゅまろ

>ironblueさん

こんばんわ。応援有難うございます^^。

私も今年はIT業界三年目・・・当時の勢いだとか、
ストレートな心がじょじょに、考えてから行動するように
シフトしてる部分がある気がします・・・。

でもやはり当時の気持ちだけは忘れずにいたいと思いました!
コメント有難うございました。

ましゅまろさま

田所です。中にはいるんですよー、挨拶すらまともに出来なくて「オー」「アー」ぐらいしか言えない人。

僕はもうすぐ39歳なので、自分で勉強しなければならないのですが、「業界未経験歓迎!!」「自社で教えます!!」という、甘い言葉の裏に隠された真実を知りたい者のひとりです。

一緒に、がんばりましょうね!! って、ああ、今月19日の「応用情報技術者試験」の勉強ぜんぜんできてない……。

ましゅまろ

田所様>
レスが遅くなってしまいました;;コメント有難うございます。

>僕はもうすぐ39歳なので、自分で勉強しなければならないのですが、「業界未経
>験歓迎!!」「自社で教えます!!」という、甘い言葉の裏に隠された真実を知
>りたい者のひとりです。

ご期待の内容に沿えるか・・不安ですが、イチ企業例として、
捉えてご参考にして頂ければ幸いです^^

私も19日基本情報です・・・早く基本位とらなければ。
頑張りましょう^^!!

ましゅまろさま

お返事どうもです。ああ、応用情報はもう「模試気分」です。受かる気ゼロ
です。いやあ、健康を維持するだけでも、オッサンは大変です。

基本情報は、昔でいう「通産省情報2種」なので、楽勝ですよ、あなたの
頭脳ならば!! 頑張ってください!!

応用情報は、昔で言う「通産省情報1種」なので、しんどいです。なにせ、
この年齢になると、頭脳に単語が入っていかないのです。

受験会場が、神戸電子専門学校なので、帰りに中華街で肉まん食べることを
楽しみにしています(^^;) あ、筆箱どこだっけ(ヲイ!!)

では~。

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