ホスピタリティなプロジェクトを目指そう!
みなさま、はじめまして。前川直也と申します。
そろそろブログも作らねばと思っていた矢先、こんな大きなステージに運よく乗れることができました。できるだけ、みなさんの「うんうん!」と「やってみよ!」を引き出せるコラムを続けていこうと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします!
で、いきなりご質問です。
「みなさまのプロジェクトに笑顔は足りていますか?」
ちょっとだけ、みなさんのプロジェクト(やチーム)を想像してみてください。いかがでしょう?
プロジェクトには笑顔があるほうがいいよね。ってことは、みなさまもひしひしと感じられていることだと思います。
プロジェクトにとって、モチベーション、雰囲気、そしてメンバーの笑顔などが重要なことは誰しも思っているはずなのですが、それによってプロジェクトのパフォーマンスにどう影響しているのかは、なかなか見える形でつかむことができないものです。そんな影響もあり、「何を楽しそうに仕事してるんだよ! 仕事だぞ! 仕事!」なんてツッコミがマネージャから入ってしまうこともあるかもしれません。「責任感」と「笑顔」、同期しているはずのこの2つが分離されていることもあるのです。
少し、話題をIT業界から離れてみましょう。
日本の景気は復活しつつあるというものの、まだまだほとんどの業界が苦労しつつ、工夫しながら邁進している状況です。その中で、統合したり、新たな場所に進出するなど、活発な動きを見せるデパート業界の中で、コンシェルジュという役割を活用しているデパートもあります。もともとはホテル業界で形になったサービスですが、お客様のあらゆるご要望に、1人ひとりにあわせて、すばやく、かつ的確にお応えするという役割です。コンシェルジュだけではなく、コンサートホールや、美容院でのレセプショニストという役割も、少しずつ違いはあるとはいえ、サービスという面から価値をあげていくという重要な役割であり、目指すところは同じものだといえます。
その根底にあるのが「ホスピタリティ」という考え方です。いろいろな解釈があるとは思いますが、日本語に変えてみると「おもてなし」という一言で表すことができます(日本語って便利ですよね!)。
どうして、ホスピタリティの心構えが必要なのかということを考えてみると、お客さまが多様化してきたから、世代間のギャップが大きくなってきたから、グローバル化された社会になってきたから、などなど最近話題のキーワードが出てくるのですが、それは現代社会特有の話なのでしょうか?
そうではないはずですよね。もちろん、日本の文化の中で「まわりにあわせる」「相手の気持ちになって考える」ことは美徳であり、重要とされてきた背景がありますが、そこが崩れてきたということも考えられないことはないですが、もともと、1人ひとりは、生まれも育ちも違うわけですし、違った文化を背負ってきているはずです。このベースは時代に関わらず同じものです。
その違った背景文化をきちんと認めた上で、十把ひとからげにするのではなく、1人ひとりに合わせた「おもてなし」の気持ちで接することが、付加的なサービスではなく、サービスによってお客さまからビジネス全体の価値を認めてもらうという動きが、ようやく形になり始めたともいえます。
もう一度、プロジェクトに戻ってみましょう。
プロジェクトも間違いなく、違った文化を背景に持つ人が集まって、1つの目標に向かって突き進む集団です。これまで、この課題を解決するために、マネジメント手法、基準や標準としてのルールなどを使うことによって「管理する」というアプローチがほとんどでした。これはこれで非常に重要なことであり、はずせないことは確かなのですが、先ほどのマネージャからの一言に象徴されているように「管理することで生み出すもの」と「メンバー1人ひとりの違いが組み合わさって生み出すもの」を別々に考えてしまったことに敗因があります。プロジェクトメンバーを同じようなパーツに一旦切り分け、異口同音に従ってくれることを期待しながら、運用できないかを模索する。確かにその方が、緊急でリソースを増やさねばならないなどには、適応が早いのかもしれません。でも、その反面、現場には疲弊感が漂ってしまうという逆の効果を出しているのが現状です。
プロジェクトでもホスピタリティの心構えは重要であるはずです。プロジェクトメンバー1人ひとりの違いを認め、お互いおもてなしの心を持って、プロジェクトとしての価値を高めていく。
このコラムでは、自分自身の開発経験や、SEPG(Software Engineering Process Group)として現場のプロジェクトを改善してきたこと、セミナーなどでお伝えしてきたことなどから発見した「ホスピタリティなプロジェクト」について、みなさんのお役に立てるような内容を書いていこうと思っています。
ただ、あまり具体的なアクションの提示は、できるだけ少なくしようと思います。だって、みなさんのプロジェクトだって、それぞれが1つひとつ違ったものですし。
ホスピタリティなプロジェクトとして、プロジェクトを楽しみながらパフォーマンスをあげていくポイントをお伝えできればなと思っています。その中から、具体的に「うんうん!」とか、「やってみたよ!」という内容をコメントとしてフィードバックいただきながら、対話形式ですすめていくコラムになればなと思います。
みなさまのプロジェクトの笑顔を目指しながら、気楽にお楽しみくださいませ!
初回ということで、今回はごあいさつまで。
コメント
ウニコーン
「ホスピタリティ」「おもてなし」っていい言葉ですね。
聞くだけで嬉しかった時の感情がわいてきます(^-^)
プロジェクトで「おもてなし」となると少し重たい感じがしましたが
「気を使う」ではなくて「気遣う」ということだと思うとやれそうな気がします。
まずは「おもてなし」が足りていないところから探していって改善していこうと思います。
まえかわ
ウニコーンさん:
コメントありがとうございます!
そうですよね。みなさん絶対に嬉しかった気持ちが残ってますものね。
「気を遣う」っていうのが難しくても、「心を配る」っていうことだけでも違ってくると思います。プロジェクトが忙しくなればなるほど、どうしても周りが見えなくなってきますが、そんなときほど、メンバ同士が心配りできると、変わってくるはずなんですけどね!
今後ともよろしくお願いします!続きをお楽しみに.+:。♪⌒(*^∇^)
「システム開発現場のファシリテーション」読みましたよ。
以前から「プロジェクト管理」という言葉を重たく感じ、リーダーみたいなことをやったこともありますが何かしっくりきませんでした。
PMBOKとかCMMIとか管理手法にこだわるほど、情熱やエネルギーを失って行くような気がして。
最近書籍により「コミュニケーションを重視」、「メンバーを演出する」という考え方に触れちょっと前向きな気持ちに変わってきました。
ブログの更新期待してます。
まえかわ
steelerさん:
書籍ともどもご覧いただき、ありがとうございます!!
確かに管理手法にこだわりすぎて、本質を見失ってしまうと、情熱やエネルギーは失われますね(T^T)
現場でも、手法がツールではなく本質にすり替わってしまって、ゴールを見失っているプロジェクトを見かけます。
プロジェクトメンバーに真正面から向き合うことが大切なのですけどね。。。
更新が遅れてしまいましたが、まもなく続編登場します(^-^)/
よろしくお願いいたします。