或るSEの模範的週末の過ごし方~基本情報技術者試験受験レポート
■10がつ17にち(きんようび)はれ
きょうは、ていじです。
夕方すぎ、調子よくモジュールを組んでいると、仕様を勘違いして作り込んでいたことに気付く。あわや休出コースかと思いましたが、原因はハッキリしています。問題点の確認と代替プランの見積もりができたら仕事は半分終わったようなもの。月曜日にリカバーできればいいんです。定時帰宅は予定通り。
そもそもメドすらついていないと集中して受験どころの騒ぎではありませんから。
帰宅後、過去問にチャレンジ。正解率60%アンダー。メンタルに弱いわたしです。ちなみに昨日までの平均は午前・午後ともに80%オーバーでした。
■10がつ18にち(どようび)はれ
あたまのなかは、しけんでいっぱいです。
わたしの勉強スタイルは先行逃げ切り。大逃げすることもありますが末脚は爆発しません。本当は勉強しないで、普段の実力のまま受験して合格するのがベストなんですけどね。
直前にあたふたしても仕方ないので、過去問を軽く流す程度にし、長時間の試験に備えて体調を整えることを優先します。明日は午前と午後、あわせて5時間の長丁場。肩と腰の耐久性能テストも実施されます。
ギックリ腰障害が発生した場合のMTTR(平均修理時間)は約1週間。システムダウンは避けたいところ。しかしいつものクセで、試験中にストレッチを始めて、うかつにも腰をひねったりすると不正行為例外が発生します。受験権利がガベコレの対象と見なされる可能性があるので、細心の注意を払い、チタンテープで物理的に補強します。
あわせて視角デバイスもホットアイマスクでケア。稼働率を高めてMTBF(平均故障間隔)を少しでも伸ばしておきましょう。
受験の注意事項を確認すると、マークシート式なので鉛筆・シャーペンはHBかBしか認めないとの一文が。文房具にはこだわりがあってシャーペンも鉛筆もすべて2Bで揃えているわたし。困りました。
ふと、思いあたるフシがあって近所の神社に行きます。ありました、合格鉛筆。困ったときの神頼みです。管理者権限にすがりましょう。しかし、専門は恋愛成就。大丈夫でしょうか?
そして過去問ひととおり。あとはいつもの週末行事。ジムで汗流しておしまい。
……のつもりがどうしても雑念例外が発生。試験問題が頭に浮かんで、不完全燃焼。まだまだ修行が足りないようです。
■10がつ19にち(にちようび)はれ
じょうほうしょりのしけんをうけてきました。
朝はいつも、目が覚めると同時に心のBIOSの立ち上げからはじまります。
起動パスワードは「オレは天才」。
以下、「オレは努力家」「さわやかな朝をありがとう」……数種類の自己暗示メッセージが流れます。
続いてOSがブートストラップを開始。アランフェスを聞きながら外出モードで初期化してセットアップ。本日は勝負服、勝負下着を用意しました。下着の色は燃える闘魂の赤色。ボンバイエ。コレを忘れるとセーフモードで起動してしまい。ネットワークが使えないひきこもりモードになってしまうので要注意です。
電車の中で参考書を読み込みながら試験モードに切り替えて、目的地についたらブラックの缶コーヒーを飲み現実世界へログイン。
いつもの手順でスイッチを1つずつ入れる。こういうものは普段とあまり変えてはいけません。明鏡止水。メモリリークなし、試験問題のスループットは最速でレスポンスを返せるようです。
会場は某大学。実はかつての職場。
ここのネットワークはよく知っています。ランチのおいしいお店もよく知っています。試験会場としては新鮮味と緊張感に欠けますが、会場までの道のりは最適化されているので迷うことはありません。
■ごぜん
鉛筆に学業成就なんて記されているのはわたしだけ。必死なのじゃなくて遊び心というのです。
20分前集合だというのに開始直前ぎりぎりに来る兵(つわもの)がいます。いい度胸していると思えば、試験中に携帯のアラームを鳴らした剛の者がいました。試験は携帯電源OFFがルール。マナーモードですら許されていません。彼はいったいどうなるのでしょうか?
不安をよそに試験問題に取り組む。ひととおり回答をした後、
SELECT COUNT(*) FROM 午前問題 WHERE 自信 in ('ナシ','ビミョー'); |
を発行しました。結果、許容範囲。午後に備えて先に退出することにします。
■おひるやすみ
ランチのつもりでしたが、本日は日曜日。学生街のど真ん中では、休校日と営業日は排他的論理和の関係にあります。予定を変更して、コンビニ弁当でキャンパスで青空ランチを実行です。秋晴れの空が気持ちいい。
午後は考える問題。スリープモードに落とさないように音楽で気持ちを高めます。選曲はあのお方のテーマ曲。ボンバイエ。
■ごご
オブジェクト大好き。デザパタ萌えなわたしの選択問題はJavaと決めています。そして、腐ってもOracleGold、SQLが出題されたら勝算ありです。さらにシステム開発はWebアプリでDBがらみ。午後、いただきました。
アウトプット系の問題は集中力と瞬発力の勝負。脳使用率100%のフル回転。一気に答えを書ききるとケアレスミスだけが心配になりました。しかし、見直し中に心がハング。ゾーンに入ったあとの放心状態。全然、力が入りません。慢心なのでしょうか。まったくリブートがかかりません。
結局、100%すべてを出し切ったと信じて退席。
わたしの試験はコレにて終了。
■しけんのあと
時間も余ったのでジム再び。試験も終わった解放感ではじけてます。ボンバイエ。
速報で回答がでているとの情報をキャッチ。IPAのサイトに行きますが500番台のエラーが出ています。受験した人みんな考えることが同じなのでしょう。これは水平負荷分散の問題です。試験が終わってからリアルに問題を投げるとはまったく油断ができません。
午前は予想以上に高得点。合格の2文字が見えてきました。
気分を良くして午後の答えあわせ。必須5問のうち1問が……全滅です。4つの設問中、4択が4つとも。ウソでもいいから1つぐらいマルをください。
これはきっと不幸な事故です。それとも神罰ですか? 恋愛の神様なんてないがしろにしたからでしょうか。ゴメンナサイ。
もう1問たりとも間違いは許されない緊張の中で自己採点を続けます。震えてきました。なのに、それ以外は全てパーフェクト。何1つ間違えていません。どういうことですか?
正式な合格発表は来月中旬。はたして、基本情報技術者試験はボンバイエできたのでしょうか?
※ボンバイエ Boma Ye(ボマ イェ):リンガラ語。奴を殺せ。奴を倒せ。やっちまえ。
■よる
もう、何もかも忘れて大丈夫。羽を伸ばしに夜の街に繰り出します。ボンバイエ。でも、これだけは忘れてはいけません。明日は朝イチでリカバリー作業から。
がんばったのは試験があればこそ。来週はぐうたらな休みを過ごすことになるでしょう。資格の本当の価値は合格うんぬんではなく、勉強するライフスタイルそのものなのかもしれません。
どこか遠くからレベルアップを告げるアラート音が聞こえてきました。
【本日のスキル】
- 基本情報技術者:レベル??
- 受験スキル:レベル5
- 神頼みスキル:レベル1
- 朝の儀式スキル:レベル7
- ねばり強さスキル:レベル0
- ボンバイエスキル:レベル10
- 自己紹介スキル:レベル0