長い間、エンジニアをやっているうちに嫁き遅れた老婆の足跡。

うらみ・ます

»

 寒くなったり暖かくなったり、おかしな日和だねぇ。体調を崩してなんかいないかい?

 テキーラ、持ってきたよ。塩はフロール・デ・サルにしたよ。だって好きなんだもの。ポルトガルの塩が。ちょっとお待ち。あんたも飲むかい?

 今日も箱の中を眺めてたんだ。目を閉じて、1つだけ記憶の欠片(かけら)を……あっ……ビー玉が……。

 全部転がって行っちまったよ……。手元が狂っちまうなんて、やっぱり老いぼれたもんだねぇ。箱の中には何も残って……あぁ、1つだけ残ってるようだよ。これは……捨てたと思ってたよ。吸い込まれるように真っ暗なビー玉。あぁ、お止めよ、こんなもの覗くのは……。

※文中すべての固有名詞は仮名です。

 言葉の石つぶて。この世にはこんなにも人を傷つけ、貶める言葉がたくさんあるのだと知った。

 「要するに、仕事をする能力がないんだろう?」

 「休日出勤は朝9時ちょうどに来いって言ってるだろう。何で遅れてくるんだ!」

 「そんな調子だったら、仕事から外すぞ」

 「お前なんかいないほうがいいよ。邪魔なだけだ」

 となりのグループからいつも聞こえていた罵声だ。

 男は、どんな些細なことでも自分のコントロール下に置かなければ気がすまなかった。自分の思いどおりに部下が動かないと、言葉の暴力で恫喝した。まるで悪辣な専制君主を戴く軍隊組織のように。

 ターゲットにされているとなりのグループのメンバーが気の毒だった。そこまで人格否定されるほどのことはやってないだろう。かわいそうに……。

 でも、投げられた暴言が心を切り裂く痛み、出血多量で思考能力を失っていく無力感は、実際にぶつけられた人間にしかわからないことを知ったのは、それが対岸の火事ではなくなったからだ。

■□■

 男がわたしの上司として異動してきた。もちろん嬉しくはなかったが、わたしは男に攻撃されるような材料は持ち合わせていないと思っていたから、あまり気に留めていなかった。今までの上司に対してしてきたように、お客との会話の中で業務分析を行い、顧客システムに対する改善計画を男に提案した。“提案をしてくる部下は反逆者”と、男が見做していることも気付かずに。

 この軍隊組織で平和に暮らすためには、専制君主から給餌されるエサだけを黙って食べ続けるブロイラーでいなければならなかったのだ。提案することが仕事だと思っている女など、一番に潰さねばならない鼻持ちならない部下だった。

 信じられないかもしれないが、他人から提案されることで逆上する人間というのが、この世にはたしかにいるのだ。

 最初はつまらないことから始まった。お客からの重要なメールを情報共有のために転送して罵倒された。「僕はメールなんか見ない。メールで転送されてもわからない!」と。怒鳴られている意味がわからなかった。いったいどういう業種の会社に勤めてるんだ? こいつはバカなんじゃないのか? と思ったが、最初から揉めるのも気がすすまず、それ以来、メールはプリントアウトして机に置くようになった。

 長い会社生活の中で、こんな種類の人間と出会ったのは初めてだった。いったいどう対処すればいい? ……思いあぐねているうちに、それまで上の決裁など仰がなくても任されていた裁量はすべてなくなった。

 お客と会話していただけで「勝手に話をするな。余計なことを言うから仕事が増えるんだ」と嫌味を言われる。

 どう動けばいいのかわからなくなった。

 「お客が今後どうなりたいのかを一緒に考えて、参考書籍などを読みこんで提案活動をしていくのがわたしの仕事だと思っているのですが、違いますか?」

 男は爪を噛みながら答えた。

 「考えるな! 本なんか読むな!」

■□■

 平成の大合併が始まる時期だった。これからの自治体Webにはアクセシビリティ対応が必須になる。成果物評価のために、アクセシビリティのチェックソフトを物品請求した。たかが1万円程度のものだ。

 そもそも男はWebの世界には詳しくない。アクセシビリティについて何時間もかかるようなボリュームのレポートを要求された上に、口頭でも散々必要性を説明させたあと、男は蛇のように酷薄な視線を投げつけ、こう言った。

 「僕は頭が悪いんだ。きみの言うことはぜんぜん意味がわからないね」

 あちこちの自治体で受注活動のためのコンペが始まっていた。プレゼンはわたしの担当だったが、若い世代を育てるために、入社3年目のカオリに一部をまかせることになった。家で何匹ものぬいぐるみをお客に見立て、夜中まで一生懸命練習をしたらしい。受注できたことが嬉しくて、わたしは男の席に駆け寄り報告した。初めてのプレゼンで数千万の仕事を勝ち取った彼女を褒めてあげて欲しかった。

 「A町、受注しました。カオリも一生懸命プレゼンの練習してたみたいなんで、ひとこと言ってあげてくださいね」

 だが、あの男はモニタから顔も上げなかった。

 「だから何なの。取れて当たり前だろ」

 わたしは構わない。何を言われても。でもプロジェクトメンバーを攻撃されるのは我慢ならなかった。

 「ヨシヒロ、何をやってるんだ! そんな作業、ぼくは聞いてないぞ!」

 暴言を吐かれ続けているヨシヒロの前に割って入った。

 「その作業はわたしが指示したんです。問題があるならわたしに言ってください」

 大した作業量のものではない。これまでなら許されていた範囲のものだ。

 「生意気なことをするな。バカが」

 男の目はそう言っていた。

■□■

 この年は、多くの合併プロジェクトに加えて、自社パッケージソフトの大幅バージョンアップを控え、史上最悪のデスマーチが予想されていた。工数不足は明白だ。工程ごとに必要工数の詳細なレポートを何度も提出させられ、そして結局、人の手当てはされない。そこまではよくある話だ。

 「残業は21時まで。休日出勤は禁止する」

 何を言っているんだ、こいつは。

 「それじゃどの合併プロジェクトも納期に間に合わないですよね。地方自治体のシステム合併がことごとく間に合わないなんて新聞沙汰もいいところですよ。人の手当てはされないのに残業も休出も禁止なんて、自分の言ってることの意味がわかってますか」

 「間に合わなかったらぼくが謝りに行けばいいんだろ」

 客先に一度も行ったことがないあんたが謝ってどうするんだ。実際にお客と顔を合わせて折衝をしているのはわたしだ。納期に間に合わなかったらあんたの責任じゃない。わたしの責任だ。

 20時50分になると恫喝が始まる。

 「誰の許可を得て残業してるんだ! 帰れ!」

 毎日のように浴びせられる怒号に業を煮やして、サーバが必要な作業以外は自宅に持ち帰るようになった。メンバーの中には、20時過ぎに一度自宅へ戻り、男が帰宅する22時頃に舞い戻って作業をする人間もいた。

 「月間作業時間が300時間を超えてないプロジェクトに人の手当てなんかできない」

 「仕事のやり方がメチャクチャだから納期に間に合わないんだよ」

 「きみにはプロジェクトリーダーの資質なんかないね」

 「自分で仕事を増やしてるだけだろ」

 お願いだ。わたしを信じてるお客がいるんだ。ニッタさんやナリタさんやノシタさんが待ってるんだ。助けてくれなくてもいい。ただ邪魔をしないでくれ。

■□■

 綱渡りのような精神状態で過ごしていたある日、かつての上司だったフクヤマさんから飲みに誘われた。繁華街の混んだ小料理屋は、少しくだびれたビジネスマンで満席だ。

 「最近どうだ? なんだかおかしな状況になってるようだが」

 「……あぁ、そのことですか」

 メヒカリの唐揚げをつつきながら返事をする。

 「なぁ、お前はなんでそんなにストレートしか投げられないんだ? 相手を見ろ。相手を見て球を変えろ。デッドボールが飛んできたら、よけろ。このままじゃ潰れるぞ」

 視線を上げてフクヤマさんを見た。

 「いわれなき暴言を、どうして黙って受け止めなきゃいけないんですか。わたし、そんな理不尽な人間に負けたくない。正面からぶち当たったって平気です」

 「俺はなぁ、お前のためを思って言ってるんだぞ、この頑固者が。まぁ、お前だったらそんなこと言いそうだとは思ったがな。しかし覚えとけよ。相手の言葉を全部まともに受け止める必要はないんだからな。馬耳東風って良い言葉があるだろ」

 「はいはい、覚えときますよ」

 ぞんざいな返事をしたのは照れ隠しだ。フクヤマさんの気持ちが嬉しかったからだ。それが、差し伸べられた手に気付く心の余裕が残されていた最後の時だった。

■□■

 「負けたくないし、負けない」……そう思っていたが、投げられた言葉は、確実にわたしの心に内出血を起こしていった。

 気がつけば、社内で笑うことができなくなっていた。20時を過ぎると動悸が始まる。文字を読んでも意味がわからなくなり、時に<table>や<hr>の文字を眺めながら、それがなんだったのかHTML辞典を引く自分に愕然とする。眠れなくなり、1時間置きに覚醒する。

 仕事の能率は落ち、元々過酷なスケジュールは一層遅れていった。

■□■

 男がこれまで何人ものターゲットに攻撃をしかけてきた時間帯は、男の、そのまた上司がいない時間帯だ。会議室にターゲットを呼びつける理由も、つまりそういうことだ。どんな暴言を吐いても、何が起こっても、見咎められることはない。証拠がない。

 ここまで来ても「わたしは1対1を避けるような弱虫じゃない」と強がっていた。

 感情的になったらおしまいだと思っていたのに我慢できなかった。

 「あなたは上の人がいるときだけ部下の話を聞くポーズを取って、いなくなると自説を押し付けるばかりで全く聞く耳を持たないじゃないですか。理解しようという気持ちさえないじゃないですか!」

 男は一瞥して口の端をゆがめた。

 絨緞爆撃のように降り注ぐ、たくさんの、たくさんの石つぶて。自己批判の強要。最初は反論する元気もあったが、そのうち口を聞けなくなっていった。

 もしかすると、わたしは男の言うとおり、能無しなのか。お客の信頼を得ていると思っていたのは幻想だったのか。わたしはいるだけで邪魔なプロジェクトリーダーなのか。

 会議室を出て行く男の足音が聞こえていた。涙が頬を濡らした。情熱とプライドをもって仕事をしていたわたしは、いつのまにか消えてしまった。そこにいるのは、あの男の恫喝に怯え、小さくなって震えているゴミ屑のような女だ。

 会議室の窓から見える夜の空。白々しい蛍光灯の光。中空にかかる青ざめた月を見つめ、止まらない涙と嗚咽の中で両の指を組んだ。

 お願いです。そんなにわたしが憎いなら、いっそ、その手で殴ってください。ナイフで刺してください。心の傷など誰にもわかってもらえない。誰が見てもわかる青あざを、血を噴き続ける傷口を、わたしの体につけてください。

 わたしが何をした? いったいあなたに何をしたというのだ?

■□■

 もう無理だ。逃げるしかない。東京の仕事に手を上げた。だが、携帯電話に追いかけてきた男の声にパニックを起こし、過呼吸の発作を起こした。病室の片隅で、PTSDだとかフラッシュバックだとか、そんな単語が切れ切れに聞こえていた。

 逃げるのが遅すぎた。自己治癒できる限界点は、すでに超えてしまっていた。

■□■

 仕事はわたしの生きがいだった。

 何よりも大事にしていた仕事を放り出すことになったのは盛夏。精神科医の診断書を出した。

 病院に行く以外はほとんど部屋にこもりきりの日々。最初は文字に焦点を合わせることもできず、ただ布団の中からぼんやりと、天井に下がる蛍光灯を見ていた。それでも、ひと月過ぎたころには、睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬で、次第に動けるようになり、日常生活も普通にできるようになった。ただ、人間が怖いということを除いては。

 夏は布団の中で、緩慢に通り過ぎて行った。

 それは美しい秋の朝のことだった。湿気を含まなくなった空気は透明に澄み渡り、空をどこまでも高く見せていた。夏の間、青紫の朝顔が巻き付いていた生垣から花は消え、代わりに小さな橙色の花をつけたキンモクセイが甘い匂いを放っていた。少し冷たさを含んだ風が頬を撫でる。そうだ、わたしはもう動けるのだ。今日、死んでしまおう。生きていても仕方がない。仕事もできなくなった人間に生きている価値などないのだから。

 天井を見た。そこに下がっているのは蛍光灯ではない。

 ―――この椅子を蹴ればラクになれる。役立たずの人生をおしまいにできる―――

 涙は出なかった。もう出尽くしていた。

 あぁ、もう止めとくれよ。こんなビー玉なんか、こうしてやる。……ははは……ざまぁ見ろってんだ。砕けて粉々だ。……テキーラを寄越しておくれよ。いいじゃないか、もう少し飲んでも。飲み足りないんだ。

 そうだよ、あたしは死ねなかった。椅子を蹴る勇気もない意気地なしだった。でも、生き物としてのあたしは死ななかったけど、心は死んでしまったんだ。情熱やプライドと一緒に。

 それからのあたしは、息をしてるだけの抜け殻だった。世界は薄皮1枚隔てた向こう側に、手の届かないところにあった。もう永遠にその世界に戻ることはできないように思えたんだ。

 あの男の言葉なんか、受け流しちまえばよかったんだ。やられてシュンとしてるフリでもしときゃよかったんだ。でも、あたしはそれができなかった。あの男の一言一句に感情的に反応して、自分に対するコントロールを失い、自滅していったんだ。

 エンジニアライフにはいろんなことがあった。楽しいこともあった。辛いことも腹が立つこともあった。でも、おおかたのことは時が解決してくれる。ヒロシのことだって、マリリンのことだって、笑い話に変わっていった。

 でも、変わらないものもある。あたしは一生忘れないよ。送別会のときに「きみはどこに行っても大丈夫だよね」と右手を差し出し、口の端をゆがめて笑った男の顔を。

 長い時を経て、あたしは死ぬ勇気をなくしたまま、今も生き続けてる。生きていくのなら忘れなきゃいけないと思った。あの男との間にあったことをすべて。そうでなきゃ、これから先の人生を歩いていくことができない。

 でも、忘れることも許すこともできなかったんだ。忘れることができない自分を責めたよ。許すことができない自分に苦しみ続けたよ。

 そして、あるとき決めたんだ。忘れなくていい、許さなくていい。この命が消えるときまで、うらみつづけようと。これ以上自分を責め続けないために。そう決めた日からラクになれたよ。

 そうさ。うらみます。あんたのことを、死ぬまで。

 悪いねぇ。つまらない悪夢に付き合わせちまった。もう一杯飲ませておくれよ。大丈夫さ。これでも昔はザルって言われてたくらい酒に強い女だったんだ。

 ねぇ、このテキーラを飲みほしたら、あと少しだけ付き合っておくれよ。最後にもう少し話がしたいんだ。いいだろう?

今日のBGM:「うらみ・ます」 by 中島みゆき

Comment(36)

コメント

組長

こんにちは。テキーラサンライズ作成セット持参してきました。


もう、なんか悔しくて、悲しくてPCの前で泣きました。酷い、酷い!こんな人本当に許せない!!何人もの人生を台無しにしてきたコイツはろくな死に方しませんよ。っていうか、今ものうのうと生きてるんだったら世の中狂ってる。

私はどうも、こういう時に言葉を選ぶのヘタクソなんで上手く伝わるかちょっと心配ですが、死ぬのも勇気なら、生きるのもまた勇気です。

>でも、忘れることも許すこともできなかったんだ。忘れることができない自分を責めたよ。許すことができない自分に苦しみ続けたよ。

ああ、アカン・・・何回読んでも泣いてしまう・・・。あの時、「死ねなかった」んじゃないんです。「死ななかった」んです。「死ぬことをやめさた」んです。いつかきっと、そんな風に思いたいですね。簡単に「そう思える日が来ますよ」なんてアホなことは決して言えませんが。でも、私がこうしてX姐さんに出会えたのは、生きていて下さったからですよ。本当に、本当にありがとうございます。

第3バイオリン

Xさん

こんばんは。第3バイオリンです。

何と言ってよいのか・・・
以前私が「精神的に参ってプログラム業務から離れた」という話をしましたが、
Xさんの経験に比べたら病気のうちにも入りませんでした。

>忘れなくていい、許さなくていい。この命が消えるときまで、うらみつづけようと。
それでいいんですよ!神様じゃないんだから、許す必要なんてないですよ!

辛いとか、苦しいなんて言葉では済まないと思いますが、
話してくださってありがとうございます。
映画「海の上のピアニスト」でも言ってました。
心の中に持っている話を話せる誰かがいる限り、人生は捨てたものではないと。
Xさんは今までいろいろな話を聞かせてくれました。
私、もっともっと聞きたいです。

k3

現場経験のない人や実行スキルのない人にこういう声だけでかい人は多いですね。
ガハハ系の人もそうですね。

そういうのは全員の前で理詰めで責めるといい感じになります。

そんなのを人の上に置くような会社には見切りをつけるのも手ですよ。


以前の会社では、お客にそういうのがいまして逃げるに逃げれないという最悪の状況にありました。何とか死の直前に逃げ出すことはできましたが。
今の会社にもそういうのが入ってきて困りもんです。

インドリ

似たような経験がありますのでその気持ち分かります。
私の場合給料や報酬が支払われないので精神科にもいけず、気がつけば自殺しかけている有様でした。
それでも家族の支えもあって、心が死ぬよりも肉体的に死んだ方がましだと考えられるようになって、自分に利益がない仕事は断ったり、出来ない量の仕事を引き受けない勇気を得てから復活しました。
そして今は仕事と研究にいそしんで楽しい毎日を送っています。
この業界は本当に狂っています。
仕事が出来ない人/会社ほど儲かる仕組みになっている不思議な業界です。
もう喜劇としか言いようがありません。

m

>忘れなくていい、許さなくていい。この命が消えるときまで、うらみつづけようと。

うらんでいいんです。
にくんでいいんです。
ゆるさなくていいんです。
わすれなくて、いいんです。

それでいいんです。

テキーラ、私も一緒にいただきます。

kotora

なんというか・・・

私も理不尽な人に対しては真っ向から挑むタイプなので気持ちがわかります。

死ぬのも生きるのも勇気・・・でも生きているからこそ出会えることもある。

私もうつになり自殺を考えたことがあります。でも今は死ななくてよかった、って思います。

今年ももう桜の時期です。こんな綺麗な風景を見るたびに生きていることの素晴らしさを感じるのです。

私もザルの口です。お花見をしながらテキーラを飲みませんか?

mont

この業界のためにも、そんな奴は絶対に許してはいけません。
私も以前、似たような奴と対決したことがありましたが
だいたいそういう奴は、会社にしがみつきたいので、こちらが
道連れ(退職)のつもりで徹底的に対抗したら、おとなしくなり
ました。
IT技術者は、まじめな人が多くて不条理に耐えすぎています。
本来なら、会社名や人名について実名をあげて徹底的に
追求すべきですが、みなさん人が良いのでいつも匿名ですよね。
とにかく「不条理に耐えるのは美徳」という風潮を根本的に
変えなくてはなりません。

X

組長さん、涙をありがとう。
あぁ、きれいな涙だねぇ。ビー玉の代わりに、たいせつに箱にしまっておくよ。

>今ものうのうと生きてるんだったら世の中狂ってる。
そうだねぇ。でも「憎まれっ子世にはばかる」って言うじゃないか。世の中は不条理でできているものなんだねぇ。いつか神様が罰を与えてくださる・・・なんて思っていたけど・・・。

もう一度、あたしにも情熱を取り戻せる日がくるんだろうか・・・そう思いながら、地べたを這いずりまわっているんだ。生きる意味を考えながら・・・。

X

第3バイオリンさん。
バイオリンやピアノ、素敵な音楽をありがとう。

おまえさんが「精神的に参ってプログラム業務から離れた」ってコラムに書いてたから、何かつらいことがあったんだねぇって、前から少し気になっていたんだ。
大丈夫かい?。元気でいるかい?。

>それでいいんですよ!神様じゃないんだから、許す必要なんてないですよ!
そうなんだ。いくら頑張っても、聖人君子みたいないい人になんかなれなかったんだよ。でも、それでいいんだって、やっと自分を受け入れられたんだ。

「海の上のピアニスト」、教えてくれてありがとう。
こうして話をきいてくれる人がいるだけでも、ありがたいことだねぇ。
人生は捨てたものではないと、誰かに話せるように、生き直していきたいと思うよ。

X

k3さん、いらっしゃい。

>そんなのを人の上に置くような会社には見切りをつけるのも手ですよ。

辞めたばかりの時期には、会社も会社の人間も、すべてをうらんでたんだ。何も信じることができずにね。
でも長い時間が経って、今も憎み続けてるのは、あの男だけさ。

あんたの周りにも似たような人がいるんだねぇ。どこに逃げても、いるところにはいるもんなんだね。ただの同僚ならまだいいけど、直属の上司だと逃げることも無視することもできないから不幸だよね。

X

インドリさん、いらっしゃい。

>私の場合給料や報酬が支払われないので精神科にもいけず

大変な経験をしたんだねぇ。
あたしは失業してから全く無収入の時期があってね。お金が入ってこないってのが、こんなに怖いことだとは思わなかったよ。何も贅沢をしてないのに、税金や保険でどんどんお金が減ってく・・・なんでこんな罰当りな人生を生きていかなきゃならないのかって・・・。

>心が死ぬよりも肉体的に死んだ方がましだ

あたしもそう思うよ。肉体的に死んでるのは、誰が見ても「死んでる」けど、心が死んでるのは、誰にでもわかってもらえるわけじゃない。理解してもらえない状態はとてもつらかったよ。

X

mさん、うらみつづけることを、にくみつづけることを、許してくれるかい?。

ありがとう、ありがとよ。
テキーラ、お飲みよ。一緒に酔っ払っておくれよ。

X

kotoraさん、元気にしてたかい?。

桜の季節だねぇ。あたしがエンジニアライフに終止符を打った季節だ。桜のようにきれいに散ることはできなかったけど。

はらはらと散り敷く花びらの中で、一緒にテキーラを飲んでくれるかい?。
あぁ、世界は美しい・・・生きていて良かったって、教えてくれるかい?。

X

montさん、いらっしゃい。

>この業界のためにも、そんな奴は絶対に許してはいけません。

うん、そうだねぇ。きっとmontさんが歯がゆい気持ちでいるだろうって思うよ。
あたしもこんな目に遭うまでは、そんな理不尽、許しちゃいけないって息巻いてる方の人間だったから。

友人に「言われたこと、やられたことはすべてメモを取っといたほうがいいよ。証拠にはならなくても、弁護士に掛け合うときの材料にはなるよ」ってすすめられて、それからメモしてはいたけど、精神科に通うような状況になっちまったから、とても争うような元気はなかったんだ。

「不条理に耐えるのは美徳」・・・ではないよね。確かに・・・。

tmk

自分の状況など全然程度が軽かったのだとXさんのことを
知って気付きました。

私に与えられた仕事は組織からないがしろにされており
努力して良い結果をもとめようにも耐え凌げばいいという扱いでした。

ですが最近声を荒げて立ち上がったことで
幸い状況は改善しつつあります。

直属の上司はそれを理解してくれましたが
その上の上司にはこのことを伝えられないようです。
このことが伝わると私が会社を去ることになるらしいです。
やはり理解されない人種というのは存在するのでしょうか・・・

私も深く考える時期がありましたが
今は思いつめるのは止めました。

自分はどうしても反発しがちな性質なので
Xさんのお話=アドバイスと勝手に理解して
受け流す力を身に付けられるようにしたいです。

Xさんに感謝を!

soloist

そうなんですよねぇ、死ぬって勇気要りますよね。

駅のホームに電車が入ってくると飛び込むことを考える。
交通量の多い通りで横断歩道の赤信号待ちをしているときに前に踏み出すことを考える。
高いビルがあれば飛び降りてしまおうかと考える。
手首切るんならどこを切れば死ねるか考える。
どこかにロープをかけて首を吊ることを考える。
会社に一番迷惑がかかる死に方ってどんなのだろう?(きっと会社は黙殺のような気がする)

下手な死に方をしたら、家族も目を背けたくなるような状態になるよなぁ。
親よりも先に死ぬのもどうかなぁ。
嫁を一人にしてしまうのはどうかなぁ。

いろんな考えの狭間でまだ生きています。

最近は、とりあえず会社辞めた方がいいかなぁと思っています。でも、蓄えが全然ないんでそれもできないし。

このところ、嫁もストレッサーになってきている気がする。
逃げ場がない

組長

とりあえず、皆さんと共にテキーラで花見酒ぱーっと行きましょ!!マジで。
何なら、皆で姐さんを胴上げです!!!(イヤですか?)

実はわたし、酒乱タイプでして・・・。
絡みますよぉー!泣きますよぉー!!タチ悪いですよぉーー!!!爆

KU

xさん

はじめまして KUです。

私もxさんと同じような経験をしました。学校をでて、新卒で入社し、初めてのプロジェクトの上司がキチガイのような人間でした。

昼休みもトイレ休憩も夕飯を取るのも許されず、休日も無く一日30時間以上働きながら人格否定の暴言に3ヶ月ほど晒され、心を壊してしまいました。

xさんよりも私が恵まれていたのは、このことを会社に訴えたところ、そいつとその上司が処分され、追放されたと言うことです。

いまは、6ヶ月の休職を経て、なんとか生き延び無事に復帰できたところです。
まだまだ、私の会社にはゴミ人間が多くいるようなので、警戒しながら仕事をしていこうと思ってます。

xさん、しっかりと休んで心のエネルギーを充電してください。それとお酒の飲みすぎに気をつけてください。(薬をお飲みならアルコールは控えたほうがいいですよ。)

山田たま子

Xさん、はじめまして。
コラムを毎回楽しく読ませていただいておりました。
が、今回はどうしても一言申し上げたくて
コメント投稿をさせていただきます。

訪れる度に「あぁ、この方は酸いも甘いも沢山経験してるんだなぁ」とは思いましたが
今回のビー玉は途方もなく切なく、拝見して辛い思いになりました。
でもそのビー玉を止めながらも見せてくださったXさんへ。

うまく言葉に出来ないのですが、「ありがとう」

エンジニアの人たちに囲まれて仕事をしているものの、
エンジニアでもなんでもない雑用係な私ですが、
ビー玉を通していろんなことを教えて頂いたと思います。
本当に、ありがとう。

呑みすぎるのは良くないですが、今日は呑んでもいいと思います。
 #敢えて"呑む"という字を使いました(笑)
ごめんなさい、テキーラは私にはちょっと強すぎるのでコロナビールで…
産地つながりでご相伴させてください。
あれ、コロナもテキーラもメキシコでしたよね?

第3バイオリン

Xさん

>おまえさんが「精神的に参ってプログラム業務から離れた」ってコラムに書いてたから、
>何かつらいことがあったんだねぇって、前から少し気になっていたんだ。
>大丈夫かい?。元気でいるかい?。

お気遣いありがとうございます。
今は元気です。

私の場合は上司とかが悪いわけでもなく、一人相撲で自滅したような感じです。
「出世」のコラムでも書きましたが、ちょうど去年の今頃、自分はプログラマに向いていないと感じ始めていました。
目の前の仕事も上手くいかず、将来のビジョンも描けないままもがいていました。
ちょうど同じ時期に失恋、通っていたスポーツジムの突然の閉鎖といった悪いことが3日くらいの間に立て続けに起こりました。
また、私が今暮らしているのは日本海側の雪国なのですが、もともと瀬戸内の温暖な土地で生まれ育った私にとって、冬の曇天は堪えるものでした。
個々の問題はたいしたことではないと思いますが、
それが一度に押し寄せてきたことで私の心は参ってしまいました。

あるとき1行もコードを書けなくなり、
気がついたら会社を飛び出して外でひとり突っ立っていました。
さすがに良くない状況だと思い、上司に相談してまず産業カウンセラーのカウンセリングを受け、
その後は心療内科に通院しながら薬を飲む生活が9か月ほど続きました。
仕事の方ではコーディングから離れて成果物の管理など補佐的な業務を行い、
3か月ほどして評価部門に異動となりました。

心療内科のお医者さんは「うつ病ではない」と言っていました。
自分なりにいろいろ調べてみて、たぶん今時の若者に多いといわれる「現代型うつ」だったのではないかと思っています。
(この手の病気では素人判断が危険なのは承知しています)

世間では現代型うつ=甘え、打たれ弱いという印象が強いようですが、
病気になった本人は結構辛いものです。

そうはいっても、Xさんやコメントを寄せてくださっている方の話を聞くと
やっぱり私の話は辛いうちに入りませんね。

Xさん、どうかご無理をなさらずに。
でも、こうしてコラムを書けるようになったということは、それだけいい方に向かっているということだと思いますよ。
組長さんもおっしゃってますが、花見でもしましょう。
私、バイオリン弾きますよ。みんなで歌って踊りましょう!

mont

Xさん

コメントへのリプライありがとうございます。
読み直してみると文面がキツイ感じになっていたようですみません。
ただ、Xさんへの批判ではないということはご理解ください。
というかXさんは何も悪くありません。
悪いのは全て、そのアホ上司と会社です。

私も以前、追い込まれて3日間食事も喉に通らなくなった
こともあるので、気持ちは少しは分かりつもりです。
私の場合は、人事部に直接手紙を書いて社内で大きな問題に
なるように仕向けたら、とたんに相手はおとなしくなりました。
手紙には労働局云々という脅し文句も入れておきました。
このような輩は、会社を辞めるのを恐れているのが多いので
結構、こういう手は効いたようです。

>「不条理に耐えるのは美徳」・・・ではないよね。確かに・・・。
「不条理には抗議するのが美徳」になってほしいと切に願って
います。

ヨギ

うーん.............

いろいろな言葉をここに書いてみたのですが、
何を書いても薄っぺらくなってしまうので、止めます。

後ろ向きな表現かもしれませんが、
「うらむ」気持ちが、せめて「憎しみ」に変わるといいなと思いました。

恨みと憎しみって、何となく一緒に使われることが多いですが、
天と地ほどの差がありますから。

恨みは、Xさんの肉も骨も蝕んでしまいそうで、心配です。
たぶんこの記事を書いて、相当、疲弊したのではないかと思います。
十分すぎるほど休んで、次の記事につなげてくださいね。

X

tmkさん、いらっしゃい。

直属の上司が理解してくれてたってのは、ほんとに救われるねぇ。
あたしは、直属の上司があの男だったってのが不運だったんだ。

>自分はどうしても反発しがちな性質なので
Xさんのお話=アドバイスと勝手に理解して
受け流す力を身に付けられるようにしたいです。

あたしは、戦うことで、あの男をどうにか変えようと思ってた。でも、よく言われるように、他人を変えることなんかできないんだ・・・ってことに、こんな目にあって、やっと気付いたんだ。
そう、「他人は変えられないけど、自分は変えられる」ってヤツさ。
だから変えられない他人のことは、受け流す・・・ある意味、「鈍感力」みたいなものが、生き続けていくテクニックのひとつだと思うんだよ。
血の気の多いあたしには、できなかったんだけどね。

X

soloistさん、いらっしゃい。

こないだね、映画「ワルキューレ」を見たんだ。その中で、ヒトラー暗殺計画に加担した人間が絞首刑になるシーンがあったんだけど、吊られてる人を見ながら、「あたしがしようとしてたことは、こんな恐ろしいことだったんだ」って思ったよ。
下手に死に方・・・首吊りは家族が目をそむけたくなるような状態になるよね。発見が遅いと、体液がすべての穴から出てしまうし・・・。ガス自殺とか、入水自殺とか、どういう状況になるのか、監察医の上野正彦さんの本を読みながら考えたよ。
一番きれいな死に方は、雪山で凍死することかもしれないねぇ。

>逃げ場がない

あぁ、おまえさん、とんでもないことするんじゃないよ。誰かに話したのかい?。相談したかい?。吐き出すだけでも、話を聞いてもらえるだけでも、少しは気持ちが軽くなるもんだよ。

X

組長さん、今日も元気だね(笑)。

>何なら、皆で姐さんを胴上げです!!!(イヤですか?)
体重、重いから、まず筋トレから始めておくれ。

>実はわたし、酒乱タイプでして・・・。
実はわたし、淫乱タイプでして・・・。うひひ。

おまえさんみたいな妹がいたら、楽しいだろうねぇ。

X

KUさん、いらっしゃい。

>昼休みもトイレ休憩も夕飯を取るのも許されず
それはひどいねぇ。冗談じゃなく、そんなことしてたら膀胱炎になっちまうよ。まともに訴え出れば、労働基準法違反なんだろうにねぇ。でも、処分されて良かったねぇ。

>それとお酒の飲みすぎに気をつけてください。(薬をお飲みならアルコールは控えたほうがいいですよ。)

そうだね、精神科に通ってるときに、薬とアルコールを一緒に飲むのは止めるように言われたねぇ。でも、今は大丈夫さ。もう飲んでないから。
気遣ってくれてありがとう。うれしいよ。

X

山田たま子さん、いらっしゃい。
コロナビールかい?いいねぇ。じゃあライムでも持ってこようね。
ソンブレロでもかぶって、マリアッチで踊ろうか。

>今回のビー玉は途方もなく切なく、拝見して辛い思いになりました。
人間、生きてればいろんなことがあるもんなんだねぇ。自分にこんなことが起こるなんて、思いもしなかったよ。

あたしはもう技術者じゃないし、テクニカルなお話ももう忘れちまった。ただの昔語りしかできない婆さ。でも、何かを感じてくれたら、とてもうれしいよ。

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第3バイオリンさんもテキーラ飲むかい?それともコロナビール?。

おまえさんも辛かったね。生きていくってのは、どうしてこんなに辛いことが多いんだろうね。
その中で、小さくても希望を見出していかなきゃ、生き続けるモチベーションがわかないよね。
辛い時期を経験しながらも、感謝されるテストエンジニアになる目標を掲げて頑張ってるおまえさんは、すごいよ。

>「出世」のコラム
「出世したい!」ってのは、なかなか公には言いにくいことかもしれないけど、なんらかの肩書きがついているほうが、社内的にも対外的にもキーマンだと思ってもらえて、仕事はやりやすくなるよね。
「出世」を巡ってのつまらない権力闘争には巻き込まれたくないけど、「出世」するってのは、いい仕事をしていく上では、必要な関門かもしれないねぇ。

>私、バイオリン弾きますよ。みんなで歌って踊りましょう!
バイオリン、聞かせておくれよ。酒乱の組長さんに踊ってもらってね(笑)。

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montさん、気遣ってくれてありがとう。あたしは大丈夫だよ。

>「不条理には抗議するのが美徳」になってほしいと切に願って
います。

このへんは日本人はウェットだからねぇ。「不条理に耐えるのは美徳」とばかりに泣き寝入りしてるから、何も改善されないのかもしれないねぇ。・・・なんて、できなかったあたしが言うのもちゃんちゃらおかしいんだけど。

でも、ちゃんと調べたこたぁないんだけど、実際しかるべき機関に訴え出たときに、認められる可能性ってのはどんなものなんだろうねぇ。
病院に置いてあった労働関係の本をチラ見したときに、「あぁ、どんなに相手が悪くても、法的に認められる可能性ってのは少ないものなんだなぁ」と思った覚えがあるんだよ。過労死だとかうつ病で自殺とかの、命を失う状態になってはじめて法律は相手をしてくれるのかな・・・と。あ、脳みそが動いてない時期だったから、読み違いかもしれないんだけど。

montさんが使った手は、ひどい上司に当たってる人の参考になるね。
ありがとう。

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ヨギさん、待ってたよ。
ここに店開きしてから、日本酒も5本くらい味見したよ。
今日飲み終わったのは、大吟醸の雪紅梅さ。

>たぶんこの記事を書いて、相当、疲弊したのではないかと思います。

ありがとう。みんなの気遣いがうれしくて、涙が出ちまうよ。
ヨギさん、まるで見てきたかのようにあたしのことがわかってるんだねぇ。

書いた原稿を近所のカフェで推敲してたんだけど、読み直してたら涙が滲んで、まるっきり推敲できなくてねぇ。だって原稿が見えないんだもの。きっとまわりの人は、ヘンな女が居るって思っただろうよ。

心にできたかさぶたを、これまでも何度もはがしたんだ。相変わらず血が出ることを確認するために。
これまで、「うらむ」エネルギーで、なんとか自分を支えてきたような気がするよ。決していいことではないけどね。「うらむ」エネルギーを、いつか別なものに代えて行けたら・・・と思っているよ。

いつもありがとう。

虚人

私も、20年くらい前を思い出してしまいました。
あんなこともあったっけなぁ・・・。

あまりに長い時間罵倒されつづけると、不思議なことに「この痛みは自分のもんじゃない」って気になってきます。
心が麻痺するっていうんでしょうかね。
朝から晩(いや、明け方だったか…)まで罵倒されつづけ、いい加減反抗の気力が失せてしまい、日々をのらりくらしと過ごしていたことを思い出しました。

私は軟弱者だから折れてしまったけど、私の同僚はXさんみたいに対抗してましたっけ。
彼は非常に勇敢でした。今はどうしているかわかりませんが。
戦士たちに乾杯!

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虚人さん、いらっしゃい。

>あまりに長い時間罵倒されつづけると、不思議なことに「この痛みは自分のもんじゃない」って気になってきます。心が麻痺するっていうんでしょうかね。

そうなんだ。最初はひとつひとつ反論してたけど、そのうち思考能力が停止してきて、心が麻痺してくるんだ。そして生きる気力がなくなっていったんだ。

>戦士たちに乾杯!

虚人さんもテキーラをお呑みよ。ナッツの香りを移した少し甘いアーモンドテキーラはどうだい?。

なかなか割り切れない感情の問題です。
受けた側の痛みを痛感しました。

痛い時間があると本当にマヒしてしまうため、その後もなかなかな割り切れなくなっていくのできついですよね。

こうやって少しずつ、テキーラの美味さがわかっていくんでしょうね。

popo

こんにちは。
あ・・下戸なのでミックスジュースを。

ずっとコメントしようかどうか迷っていました。
同じような経験をした人間として、
私はまだ何もいえないのだけど。

私の場合は某シンクタンクの人間がPMで
その下はみんな外注というというチームにいました。
そういったチームが数プロジェクトあり、
それを束ねるリーダーが一人。この方も某シンクタンクの人間。
外注のことなど人間だとも思っていない方で、
ずいぶんとひどい有様でした。

そんな中、私と共に標的にされていた一人でもある私のチームのPMが
自ら命を絶ってしまいました。
プロジェクトの真っ最中で、そのときには私たちには事故だとしか伝えられず、
(後にお嫁さんより自殺だったことを伺う)
通夜にも葬儀にも参列できない有様でした。
年末に結婚し、半年もたたない内の急逝で、
さらに奥さんのおなかには新しい命が宿っていました。

PMと二人でタクシー帰宅することも多かった私。
「電車を見ると飛び込みたくなるんですよね。
 楽になれるかなって」
とつぶやいた私に
「だめですよ。僕はそんなことするぐらいなら
 会社辞めます。
 まだまだ、嫁とやりたいこともあるし」
そう言った彼。
どこで入れ違ってしまったの?
彼の死で逝きそびれた私。
歯を食いしばってそのプロジェクトの切のいいところまではやったけど
壊れた心は体をも蝕みその後エンジニアとしてはやっていけなくなりました。
今でも彼の奥様とずいぶん立派になったお子さんとは交流があります。
今でも、なぜ私じゃなくあなたなの?という疑問は消えず
心の中にはつめたい塊があります。

Xさん、生きていてくれてありがとう。
どんな形であれ、生きていてくれるだけでいい
そう思ってくれる人が必ずいます。
そして気が向いたらまた一歩ずつでも歩き出してください。
人間って割りとタフみたいです。

X

popoさん、いらっしゃい。ミッスクジュースね。
ときどきね、デパ地下で飲みたくなるんだよねぇ。バナナと牛乳が入った懐かしい味。

辛い目にあったね。苦しかっただろうね。

あたしはあの男から逃げようと東京でしばらく仕事してたんだけど、そこは日本を代表するような大企業でね。そのPJは既に何億も予算オーバーしてたPJで、メンバーは外注の寄せ集め。わたしの隣の席は中国人。そんな環境だったんだ。

ある日、館内放送があってね。確かその会社の創立記念日だかなんだか・・・そういう日だったんだけど、その訓示の中で「これまでは、きつい仕事、汚い仕事は外注に回していたが、これからは自分たちが泥をかぶる覚悟でやっていかなければならない」みたいなことを言ってたんだよ。
ちょっとびっくりしてね。あぁ、外注なんてのはきつい仕事・汚い仕事をやらせる部品なんだなぁと。そして、そういう仕事を回された外注部隊は、徹夜徹夜の毎日で、何人もがうつ病に斃れ、行方不明になっていく。
頂点に立っている大企業には、こういう下請けの痛みってのがわからない人がいるんだな・・・と。

エンジニアとしてのあたしを殺したあの男も、大企業も、権力を持つってことの怖さを感じていないのかもしれないねぇ。

あたしが辛い目に遭っているときに、時々相談してた女友達がいたんだ。いつも明るくて元気な子でね。「大丈夫だよ、きっと大丈夫だから」って、辛い気持ちをただ受け止めてくれた。あたしが会社を辞めてからも、仕事に対する未練を断ち切れず、時々ぐずぐずとこぼしたりしてたんだ。
最後にメールのやりとりをしてから半年後、彼女は一人で逝ってしまった。彼女は悩み事を何もわたしにこぼさなかった。ただ自分の中に思いを閉じ込めて、逝ってしまったんだ。
悔やんだよ。自分の悩み事はあれほど彼女に話しておきながら、彼女の悩み事を聞いてあげられなかったこと。聞いたところでどうなったものでもないかもしれないけど、あたしは彼女に何も返してあげられなかった。
その頃、あたしは「別に生きてなくてもいい」という思いを引きずっていたから、あぁ、彼女の代わりにあたしが死ねばよかったんだ・・・と自分を責めたりしたよ。
だから、popoさんの
>今でも、なぜ私じゃなくあなたなの?
という気持ちが、「わかる」なんて軽々しく言えないけど、少しだけはわかるような気がするんだ。

ねぇ、popoさんにだって、「生きていてくれてありがとう」と思っている人がたくさんいるよ。あのとき、電車に飛び込まずにいてくれてありがとう・・・って。
きっと死んでしまったPMも見守ってくれてるよ。

辛い思い出を書いてくれてありがとう。

X

yukkeさん、お名前からいくと、ユッケ・ビビンバ・・・じゃあ、飲み物はマッコリあたりかい?。

>受けた側の痛みを痛感しました。

やった方は記憶にも残っていないのかもしれないけど、受けた側はいつまでも覚えてるものさ。

>痛い時間があると本当にマヒしてしまうため、その後もなかなかな割り切れなくなっていくのできついですよね。

うん、痛い目に遭うと、二度とそんな思いをしないために、自分で自分の感覚を麻痺させてしまうんだ。何も感じないように。感情が鈍麻していた方が、不幸にならない・・・ってね。

それはそれで、心の中が泣いてしまうんだ。そして泣かないように、テキーラの瓶を傾けるんだ。

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