2008年から上海のSIer勤務を経て、現在はIBM深センでDB2関連業務を担当。深センで感じたことなど紹介させていただきます。

深センからこんにちは

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 はじめまして。中国・深センでDB2業務を行っております、遠藤と申します。IT業界経験は約2年というまだまだ未熟者ですが、灼熱の地・深センでの出来事などを、これからコラムで書かせていただきたいと思います。

 日本でお仕事をされている方の中には、Google問題や毒入りギョーザなどといったマイナスイメージが先行し、中国に対してあまり好感を持てない方もときにいらっしゃると思います。それでも、無数のビジネスチャンスを秘めた中国市場は現在では世界的に注目されており、日本でも中国に関するニュースを扱うことが増えてきたのではないかと思います。そんな中国で約1年生活し、生活や仕事で感じたことなどこれから紹介させていただく予定です。このコラムにより、中国をより身近に感じていただけたら、と思います。

■交通機関

 ご存知のとおり、人口世界一なので、人がいない場所などありません。そのため、電車やバスなどの交通機関はかなり混雑します。上海中心部のような都会では、日中はタクシーを捕まえるのも大変だったりします。「順番待ちする」という感覚がないので、交通に関してはなかなか大変です。東京メトロ東西線の混雑で疲れていた過去の自分が「甘いな」と思えるほど! さすがに朝6時前後は人が少ないので、わたしは会社に遅れないためにも、朝早めに家を出ています。スリが多いそうで、そのためか電車内で居眠りをしている人はほとんどいません。

■ネット、メディア規制

 YouTube、Facebook、Twitter、FC2などのサイトは見られません。Googleの検索は使えるのですがとても不安定で、見られないことがよくあります。年間の自殺者数なども公表されていないようです。テレビも同様です。中国版の『クレヨンしんちゃん』では、お決まりの「ぞ~おさん、ぞ~おさん」のシーンにおいて、しんちゃんの顔がアップになり、ぞうさんが映らないようになっているときもありました。驚きです。なにがぞうさんなのか、見ている人はわけが分からないと思うのですが(笑)。

■反日感情、反日教育

 5年ほど前、小泉元首相が靖国神社を参拝した際、中国国民が日本国旗を燃やして激怒するというニュースがありました。わたしはその衝撃的な映像を鮮明に覚えていたため、中国へ来る前はとてもドキドキしていました。日本人と言ったら何かされるのではないかと思って、最初はあまり口を開かないようにしていました。内心、中国人が日本人のことをどう思っているのか、まったく見当がつきませんでした。

 実際はどうなのか。デリケートな問題のため、あまり深い部分まで突っ込んで中国人の友人に聞いたことがないのですが、大学で日本語を専攻していたり、ビジネスで日本へ出張したことのある中国人の方は親日派の方が多いようです。わたしが日本人であると分かると、「お疲れさまです」と、会釈する日本式の挨拶をしてくれます。教育に関しても、中国人の友人数人に聞いてみたところ、反日教育的なものはなかったと言っていました。

■時間の感覚

 例えば会議が13時から始まるとしたら、日本人であれば13時きっかりに出席者全員が席についていると思います。しかし中国では、13時になってようやく会議の資料を準備したり、会議室へ移動し始めたりするので、全員が着席するのは13時5分~10分になります。「時間に遅れるな! 遅れたらその理由を説明しろ!」という日本の常識は、中国の方には堅苦しく感じるのかもしれません。しかし電話会議などする際、日本の方々だって遅れることがあると思いますので、そこは「お互いさま」ということで、寛大に対応していただきたいと思います。もちろん、時間厳守の重要な会議であると事前に情報があるときは、みなさん時間を守ります。

■社員の定着率

 日本の感覚では、最低3年は働かないとその仕事のことが分からないし、履歴書にいくつも会社を書くとマイナスなイメージを持たれる、といったことが一般的だと思います(現在はそうでもないのかもしれませんが)。しかし、中国ではそんな概念はありません。新入社員は、実際に働いてみて違和感を感じたり、給与面などでもっとよい会社を見つけると、すぐに辞めてしまいます。大体1年が目安だと思います。割と早いペースでメンバーが入れ替わります。

 なんだか全体的にマイナスな内容になってしまったのですが、逆に上記のことさえ意識していれば、カルチャーショック的なものはだいぶ少なくなるのではないかと思います。

 中国では謙虚で勤勉な方がとても多く、仕事に対する彼らの態度を見て、わたしも触発されています。時折大声で言い合って、喧嘩しているのか!? と思うこともあるのですが、彼らからすると日常茶飯事とのこと。熱烈に意見を交わし合っているのであって、決して喧嘩をしているわけではありません。

 たくさんのライバルがいて、なおかつ企業や人の入れ替わりが激しい社会では、自分の意見を一生懸命主張しなければどんどん埋もれていってしまうためでしょう。そんなアグレッシブな環境で仕事をできることは、本当にいい刺激になります。

 次回は言葉について感じたことなど書きたいと思います。

※何か中国に関して「こんなこと書け!」的なリクエストがございましたら、コメント欄にご記入をお願いいたします。

Comment(2)

コメント

SHIN

はじめまして。ブログ拝見させていただきました。
私は深セン蛇口に滞在しているものです。
日本の名古屋から現場のヘルプとして5ヶ月ほどの予定で着ています。
現在2ヶ月を過ぎようとしていますが、なかなか馴染めず苦労しています。
休みはホテル周辺を散歩して、スタバで一服・・・、そのワンパターンになっています。
わたしの2ヶ月間の感想としては、中国はかなりの勢いで発展してきてるけど、まだまだだなぁって感じです。
車の運転を見ててもわかりますが、こちらの人には秩序という概念が無いように思えますね。
一人ひとりはいい人なんですが・・・。
やはりその当たりを改善しないと、なかなか一流の国にはなれないような気がします。
もちろん、日本にもそんな概念は無くなりつつありますけどね。
あと残り2ヶ月ちょっと、もう少し中国って国を理解できるように努力したいと思います。

遠藤寛明

SHIN様

はじめまして。コメントいただきありがとうございます。
蛇口にすんでいらっしゃるのですね。私もあそこには何度も遊びに行っています。

SHIN様のお気持ち、よ~くわかります。私も中国に来て最初の半年くらいはずっと同じような気持ちでした。海外で生活すると、文化の違いなどから誰もがはじめのうちは鬱になりやすいそうです。私も、どうしても日本と比べてしまうのですが「日本は日本、中国は中国」と割り切って生活するようにしています。心身ともにリフレッシュしてがんばりましょう!

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