PMってなんだろう?
こんにちは。安藤大輔です。
初回は簡単に自己紹介から始めます。
職歴はソフトウェア開発(2次受託100%)を中心に4年半、この間PG、SE、PLを経験し、現職へ転職しました。転職後は主にPM(1次受託90%)として1年半の経験を積んだところです。経験したプロジェクトの規模は、小さい(数~十数人月)ものから、大きい(数十人月~百人月)ものまで多種ありますが、PMとしては規模の小さいものの経験がほとんどです。
理系の修士課程卒業ですが、当時はプログラムどころか、インターネットについてもほとんど利用したことがなく、いわば右も左も分からない状態でこの業界に入り、なんとかここまでやってきた、という状況です。
趣味はドライブ、読書、映画鑑賞、酒(コレが一番好きかも)です。
初めてPMという役割に就いて、1年半の間に経験したことを少しずつ記していきたいと思います。
最初のテーマは「今まで考えていたPM像」と「やってみて分かったPM像」ですが、初回は体験談というよりは定義の話が多くなります。
■「プロジェクト」を「マネジメント」するとは?
今までのPG、SE、PL経験を通して、PMがやることといえば、上層部への報告、現場への命令、外注先との金額や報告などのやり取りなど、と漠然と考えていました。
この頃は、正直に言って「PMは普段何をやっているのか(何に時間を使っているのか)」、「開発に関わらないのに存在する意味があるのか」、「現場にプレッシャーをかけるだけで本当に現場を把握しているのか」、果ては「プロジェクトを本当に成功させる気があるのか」という思いがあり、あまり前向きな捉え方をしていませんでした。
(現場レベルで「成功した!」というプロジェクトがほとんどなかったのも一因だと思います)
今になって思い返してみると、これらはPMをある一面(開発者)から見ただけのものだ、ということがよく分かります。
そもそも、プロジェクトをマネジメントする、とはどういうことなのでしょうか。
■「プロジェクト」とは?
プロジェクトを辞書で引くと、
- 目標があるもの
- リソースに限りがあるもの
- 1回限りの活動であるもの
といった定義が出てきます。
シンプルに考えると、「プロジェクトマネジメント」とは、
- 目標を管理する
- リソースを管理する
- 活動を管理する
と考えることができます。
もちろん目的は、「プロジェクトを成功させること」です。
PMという役割を担う前は、毎日の作業に追われ、このような背景やプロジェクトマネジメント活動そのものについて深く考えるようなことはほとんどありませんでした。しかし実際にPMをやってみることでプロジェクトマネジメントの定義や、今まで見えていなかったPMの役割、というものが次第にはっきりとしてきました。
■実際に求められる役割とは?
では、実際にPMに求められる役割にはどのようなものがあるのでしょうか。
上記のプロジェクトマネジメントの定義にしたがってまとめていきたいと思います。
(1)目標を管理する
プロジェクトには、顧客にとっての目標、開発者(開発会社)にとっての目標という2つの目標が発生します。以下のようなものです。
- 顧客:社内業務をシステム化することによるコスト削減
- 開発者(開発会社):売上(利益)の達成
ここに他の企業が関連すると、いわゆる多数のステークホルダが関連することとなり複雑化します。
ここで求められる役割は、各ステークホルダ間の調整、及びそのために必要な目標の再設定などが挙げられます。
スコープ管理、要求管理といった言葉がよく聞かれるのは、このあたりの話題ではないでしょうか。
(2)リソースを管理する
次にプロジェクトで掲げられた目標を達成するために、必要なリソース(ヒト・モノ・カネ)を活用することになります。
プロジェクトチームの編成、開発に必要なソフトウェア、ハードウェアの調達、その費用の工面などが必要となります。
QCDを満足するリソースを管理することがここで求められる役割となります。コスト管理、タイム管理、組織管理といった言葉がここでの主な話題となるでしょうか。
(3)活動を管理する
必要なリソースが、うまく回っているかどうかを管理することがここで求められる役割です。
プロジェクトの進行状況の把握、リスクの特定・対応、プロジェクトチームが心地よく活動できる環境の整備などが必要となります。
品質管理、リスク管理、進捗管理、コミュニケーション管理といった言葉がここでの主な話題となるでしょうか。
■今後のコラムでは
ここで記述したそれぞれの役割にしたがって、PMに就く以前に漠然と考えていたことと実際に体験してみて分かったことなどを中心に記述していきたいと思います。