東日本大震災に見た 非常時に逃げる人と闘う人
「そっちの事務所は大丈夫かっ? B所長はどうした?」
「に、逃げちゃいました(-_-;)......」
■逃げた所長
3月11日で東日本大震災から早くも2年が経った。各地で追悼イベントが行われたようだ。
私は以前にあるIT系企業の女性プロジェクトマネージャのAさんから震災当日のこんな話を聞いた。
揺れがおさまったので窓の外を見ると、真っ先に部屋から逃げ出した上司のB所長が、100歩先を走っていくのが見えた。B所長は事務所の責任者なのに。
B所長は外国人。文化の違いもあるだろうし、社員より家族が大事というのも分かる。だけど、IT企業だからよかったものの、もしB所長が警察官や自衛官や小学校の先生だったら、やはり真っ先に逃げ出したのだろうか?
■職務をまっとうするキャスト
飲み屋で居合わせたCさんの話を聞いた。Cさんは震災当日にディズニーランドにいたと言う。ディズニーランドのキャストは、地震が起こると逃げないのは当然ながら、客がパニックにならないように必死に誘導していた。みんなが動くに動けず待機していて雨が降ってくると、ショップで売っている傘や雨具を配布してくれたそうだ。
ディズニーランドのキャストは、やはり教育が行き届いているのだろうか。
■非常時に分かる器の大きさ
非常事態が起こったとき、組織の質の違いや人の器の大きさが分かってくる。
震災とまではいかなくても、開発プロジェクトで障害が発生したときも人の本性が分かることがある。まずは自分に非がないことを強調して責任を他人に押し付ける人。いつもは自己主張が強いくせに、ヤバいときは巻き込まれないように隅に隠れている人。体調不良になって休んでしまう人。など、腰ヌケばかりが多くないだろうか。そして気が付くと、自分も逃げ腰になっている。
だが中には、原因が自分でなくても自分がやらなきゃしょうがない、と腹を据えてやる人もいるだろう。いや、いなければ事態は収拾していないはずだ。積極的に動いたリーダーが、ヒーローとなり一目置かれるよう存在になっていく。
どうせ逃げ腰になったところで、結局は大変な目に遭って疲労するのは変わりない。ならば積極的に動いて、「疲ー労ー」でなくて「ヒーロー」になろうではないか。
震災の当日。私の職場もかなり揺れ、町は停電になった。私はもちろん、B所長のような腰ヌケではない。だって、50歩しか逃げなかったもの......(~_~;)
abekkanでした。東日本大震災により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
コメント
MoLa
逃げたのは外国人だけでなく日本人もいるはずなのに外国人所長の例だけを取り上げるあなたの器の大きさは?
AAA
単に「外国人の所長が逃げた」という話を聞いた、というだけのことでしょう。
その話をするのに、いちいち「いるはず」の「逃げた日本人」の例を探してきて、
それと一緒に取り上げないといけないんですかね?
>MoLaさん
コメントありがとうございます。
私の身近にいた人から直接聞いた中では、B所長の例しかなかったのでネタにしました。B所長が日本人だったとしても、同じようなことを書いていたかもしれません。
>AAAさん
ありがとうございます。
私のコラムは論文ではありませんので、話の面白い部分だけを取りあげて書いていることが多いですね。
それだけに、突っ込みどころはたくさんあるでしょうが。。。(笑)
仲澤@失業者
現在では災害時に特に役目を与えられていない場合は
「率先避難」が常識ですね。いわゆる「津波てんでんこ」って
やつですね。
韓国での地下鉄火災などでも指摘されましたが、
人、特に集団には「平常時バイアス」がかかっているため、
現実に起きている危機よりも認識している危機感が低いのが普通です。
従って、現在では、特に役割がない場合は、
とりあえず逃げることが推奨されています。
当日、自分は「外に出ます」と言って一人で建物を出ました(笑)。
>中澤@失業者さん
コメントありがとうございます。
私の職場だと、みんなが逃げようとして階段に殺到したらケガ人がでるでしょうね。1フロアに何百人もいますから。人災の方が心配です。
何がベストか、は環境によるでしょう。そのための避難訓練かな。(^^)