勉強会デビューへの決意表明(後編)
こんにちは、第3バイオリンです。
前回は、わたしがソフトウェアワークショップ「WACATE 2009 冬」に参加を決意したいきさつと、そのための準備を始めた矢先に思わぬ事態に遭遇した、というところまでお話しました。
今回は、わたしに降りかかった「思わぬ事態」の内容と、それをどうやって乗り越えたかをお話したいと思います。
■勉強会ブルー
WACATEへの参加に向けて準備をしていたわたしですが、ふと、こんな考えが浮かびました。
「WACATEに参加することで、わたしはテストエンジニアとして何を目指しているんだろう、どこに向かおうとしているんだろう」
うまく言えないのですが、このとき「もう戻れない」という変な不安を覚え、少し怖くなってしまいました。
自分で参加を決めたのに何を言っているのかと思われるかもしれませんが、「本当に参加していいのかな、申し込みしてよかったのかな」という気分になってしまいました。結婚前にマリッジブルーになるのと同じようなものでしょうか。わたしはこの気持ちを「勉強会ブルー」と名づけることにしました。
■勉強会ブルーの乗り越え方
勉強会ブルーを乗り越えるため、わたしが実行したのは次の4つのことでした。
1.準備を楽しむ
不安に襲われ、戸惑っていたわたしですが、注文していた名刺ができたときには嬉しくなり、少し落ち着きを取り戻しました。そして「こうなったら思いっきり準備を楽しんでやろう。この機会に欲しいと思っていたものを買ってしまおう」と気持ちを切り替えました。
その欲しいと思っていたものはモバイルPCでした。欲しいけど買ってもそれほど使い道がないし……と購入に二の足を踏んでいたのですが、これで使い道が見つかりました。そこでお店でいろいろなPCを見て回ったり、Twitterで他のコラムニストの方々からアドバイスをもらったり、清水の舞台の上で背中を押されたりして楽しく悩んだ結果、MacBook Airを買ってしまいました! (このMacBook Airのことは、話すとそれだけでコラム1本書けるくらい長くなりそうなので、また別の機会にします)
その後もバスのチケットを予約したり、持ち物リストを作ったりしているうちに、いつしか不安な気持ちはどこかに行ってしまいました。
2.勉強会に参加するメンバーとコミュニケーションを取る
WACATEには参加者のためのSNSがあります。そこで実行委員会の方や、他の参加者の方とコミュニケーションを取ることができます。
わたしはそれほど発言していないのですが(ごめんなさい)、実行委員会の方やリピーターの参加者の方々のやりとりを見ていると、皆さん優しく、楽しい方々のようで安心しました。
3.とにかく予習をする
WACATEの開催概要には「予習は必須」と書かれています。前回のコラムでは厳しいお言葉と言ってしまいましたが、決して突き放すような感じではありません。ちゃんと予習のための参考書籍が紹介されています。
どうやって予習すればいいか示されているのに「予習していないからわかりませんでした。以上」ではお粗末です。そんなカッコ悪い思いをするのは嫌だという小さなプライドが働いて、わたしは書籍を購入しました。さすがにサイトで紹介されているすべての書籍を読むことはできないので、読みやすそうな数冊をピックアップして読んでみました。
正直にいうと、テストの専門書をこんなにじっくり読んだのは今の部署に配属されたばかりの頃以来でした。日々の業務の中でも学ぶことはたくさんありますが、専門書を読んで理論的なことを勉強するのもまた一味違った気づきがあります。
自宅でグレン・グールドのバッハを聴きながら、コーヒーを飲みながら専門書を読んでいると「こういうのも楽しいし、なんか幸せ」と思いました。しかし本当に、かわいくない女ですね(苦笑)。
4.コラムのネタにする
普通に考えると勉強会ブルーになることは辛いことかもしれませんが、コラムニストとして考えるとこんなにおいしいネタはありません(笑)。不安な気持ちを逐一メモに残し、この気持ちがどうやって変わっていくのかを観察していました。
もしかしたら、これから勉強会デビューを考えている人のなかにはわたしと同じような不安を抱えている人もいるかもしれません。そういう人にとって、「怖いのはあなただけではないですよ。わたしも怖かったけど、なんとか乗り越えましたよ」と伝えることができればと思い、コラムにまとめてみました。
でもこのコラムを書いた最大の目的は、退路を断ち自分を奮い立たせるためです(これも森姫さんのコラムを参考にさせていただきました)。決意表明だけで前・後編の2本立てのコラムを書いてしまったら、もう後には引けませんからね。
■参加者の皆さん、会場でお会いしましょう!
参加申し込みしてから今日までいろいろとありましたが、気がつけば開催日はもう今週末です。ここまで、あっという間でした。今はもう不安も迷いもありません。あるのは期待とワクワク感です。
「WACATE 2009 冬」の参加者の皆さん、会場でお会いできることを楽しみにしています。もちろん、参加レポートは後日コラムにまとめます。乞うご期待!
コメント
にーみ
ちょくちょくコラムを楽しく拝読させていただいています。
にーみと申します。
第3バイオリンさんは、TEFに参加されていますか?
WACATEもJaSSTも、TEFのお祭りなので、ぜひぜひTEFにもご参加ください。
TEF:てふ(Testing Engineer's Forum: ソフトウェアテスト技術者交流会)
http://www.swtest.jp/wiki/index.php?swtest.jp/wiki/forum
私は大阪で「TEF関西勉強会」の取りまとめ役をしています。
ちょうど今、TEFのMLでは勉強会の話題などで盛り上がっています。
関西勉強会の立ち上げ当時、私は勉強会に参加したことがなかったのですが、
とりあえず勢いで、「なんで関西に勉強会がないの?やりたい人いません?」
とTEFで声を掛けたら、40人くらい集まってしまいました。。
#正直、勉強会って何をするのかも分かってませんでした・・・
超びっくりしましたが、それからはゆるーく月に1回あるかないかの
集まりを続けています。
話題も参加メンバも毎回変わりますが、
「テストや品質について語れる仲間ができた」ということに
皆が喜びを感じていて、楽しく集まっています。
勉強会の形式や内容そのものよりも、仲間ができた、という喜びは大きいです。
これは、WACATEに参加されれば強く感じることができると思います。
第3バイオリンさんも、地域の仲間を見つけてみてはいかがですか?
案外、アツい人が近くに沢山いるかも、ですよ!
ぜひWACATEで誰かに聞いてみてください(^o^)
第3バイオリン
にーみさん
コメントありがとうございます。
>ちょくちょくコラムを楽しく拝読させていただいています。
本当に、ありがとうございます。
テストエンジニアとしてはまだまだ未熟なところもありますが、
楽しんでいただければ幸いです。
>第3バイオリンさんは、TEFに参加されていますか?
いえ、TEFの存在は知っていましたが、参加はしていないです。
>関西勉強会の立ち上げ当時、私は勉強会に参加したことがなかったのですが、
>とりあえず勢いで、「なんで関西に勉強会がないの?やりたい人いません?」
>とTEFで声を掛けたら、40人くらい集まってしまいました。。
それはすごいですね!
地方在住のテストエンジニアというのはそれほど数は多くないと思いますが、
「勉強会に行ってみたいけど、東京まで行くのはちょっと・・・うちの近くでやってくれないかな」
とひそかに思っている人はかなりいるということなんですね。
>「テストや品質について語れる仲間ができた」
勉強会の一番の喜び、楽しみはそこなのかもしれませんね。
特にテストエンジニアはプログラマやSEと比較すると人数も少ないし、
キャリアパスのようなものも確立されていないため、
仕事のやり方や将来のことについてひとりで悩んでいる人も多いと思います。
そこで、同じ志を持って一緒にテストや品質のあり方について考えたり、
将来を語り合ったりできる仲間がいる、悩んでいるのは自分ひとりじゃないってことがわかるというのは素敵なことですよね。
うーん、ますます今週末のWACATEが楽しみになってきました!
>第3バイオリンさんも、地域の仲間を見つけてみてはいかがですか?
>案外、アツい人が近くに沢山いるかも、ですよ!
>ぜひWACATEで誰かに聞いてみてください(^o^)
ありがとうございます。
WACATEで同じ地域から出てくる人がいるかもしれませんね。
参加者のみなさんに声をかけてみたいと思います。
さとうかおりです。
いつも、楽しく拝見させていただいております。
勉強会決意の前編・後編とも、とても興味深かったです。
名刺作成のひとつにしても、会社を通すってのは難しいのは
どこの会社でも同じなんだと共感しました。
私も「勉強会ブルー」ありますよ!
私の場合は、勉強会を開催している側なのですが
「ちゃんと教えられるかなぁ」「自分よりレベル上の人いたらどうしよう」など
不安に襲われて、こんなことならもうやめちゃお!
なんて考える事もしばしば…。
でも、受講される方も不安を抱えているのですね。
このコラムを読んでほっとしました。
結果報告のコラムがアップされるのを楽しみにしております!
では!
第3バイオリン
さとうかおりさん
コメントありがとうございます。
以前、さとうさんのコラムにコメントした勉強会の話、いよいよ始動しました。
>名刺作成のひとつにしても、会社を通すってのは難しいのは
>どこの会社でも同じなんだと共感しました。
業務の一環、つまり「会社の代表」として出るのであれば簡単なのですが、
業務と離れてプライベートで、となると難しいですよね。
前編にも書きましたが、プライベートで参加してるのに会社の連絡先を使う、ということがネックになるのだと思います。
会社によっては、ネットワークを監視して外部からのアクセスをブロックしているようなところもありますし(うちの会社がそう)、
でもそんなことを知らない相手にしてみれば「教えてくれた連絡先にアクセスしたらブロックされた。どういうつもり!?」とおかんむり、なんてこともありうる話ですからね。
>私も「勉強会ブルー」ありますよ!
>私の場合は、勉強会を開催している側なのですが
>「ちゃんと教えられるかなぁ」「自分よりレベル上の人いたらどうしよう」など
>不安に襲われて、こんなことならもうやめちゃお!
>なんて考える事もしばしば…。
受講する側は「ただのサラリーマンなのに、勉強会なんて出ていいのか」
なんて迷ったり不安になったりするものですが(初めてとなるとなおさら)
主催者や講師の側もいろいろと不安があるのですね。
確かに、受講者がつまらなさそうにしていたら
「せっかく来てもらったのに、満足してもらえなかった」とガッカリしてしまいますよね。
受講者の心得として大切なのは楽しむことですよね。よし、今週末は楽しんできます!
>結果報告のコラムがアップされるのを楽しみにしております!
決意表明だけで2本立てのコラムを書いてしまったので、
肝心の報告レポートの内容が貧相だったらシャレになりません(笑)。
こちらも、読者の期待を裏切らないような内容にしたいと思います。
あきちゃん
同じ班で議論させてもらった。
wacate 2009 冬は どうでしたか?
第3バイオリン
あきちゃんさん
コメントありがとうございます。
同じ班でお世話になりました!
WACATE 2009 冬に参加できてとても楽しかったです!
この2日間でテストの基礎について考えたり、参加者の方とテストについて
語り合ったりしましたが、テストだけでここまで熱くなったことは
今までなかったと思います。
今回学んだことで、課内に展開したいことがいくつかありましたので、
課内勉強会のネタとして提案する予定です。
個人的、というよりコラムニストとして嬉しかったのは、コラムの読者に
直接お会いして話す機会を持てたということですね。
「本当に読んでくださっている方がいるんだなあ。ありがたい」と、当たり前のことをしみじみ感じてしまいました。
次回のWACATE 2010 夏も参加したいです。
P.S. 今週中に参加レポート第1弾を発表する予定なので、楽しみにしていてください!