テストエンジニア時代の悲喜こもごもが今のわたしを作った

勉強会デビューへの決意表明(前編)

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 こんにちは、第3バイオリンです。

 以前、「憧れの勉強会とカンファレンス」というコラムを執筆しました。そのときの時事総論のお題が「勉強会の夏、カンファレンスの夏」だったので、ソフトウェアテストの勉強会やカンファレンスへの興味と憧れだけで勢いよく書いてしまいました。

 しかしそのコラムが掲載されたときに「憧れだけで終わらせていいの?」という声が聞こえたような気がしました。そしてその声はずっとわたしの心に引っかかったままになっていました。

 そんな折、森姫さんの勉強会のコラムを読んで「わたしと同年代の森姫さんが頑張っているんだ。よし、わたしもやるぞ!」という気持ちになりました。

 そこで、日程やその他の事情を考慮して、コラムにも書いたソフトウェアテストワークショップ「WACATE 2009 冬」に参加することを決めました。

■申し込み前の葛藤

 さて、わたしが参加を決意したWACATEですが、サイトの開催概要を見ると、勉強会デビューとしてはかなりハードルが高い要素がいっぱいです(他の勉強会を知らないので実際はどうなのかわかりませんが)。

  • 1泊2日の合宿形式
  • 参加費は2万2000円(35歳未満の場合)
  • 「受身の態度はダメ」「解説やフォローはないので予習は必須」と厳しいお言葉

 これまで勉強会に参加したことのないわたしは、さすがにちょっとしり込みしました。しかし、「やっぱりまた今度」といっても次回は都合がつかなくて参加できないかもしれません。そうやってモタモタしていたら「若手」ではなくなってしまいます。わたしは覚悟を決めました。

■意外な人からのお誘い

 それから数日後、いよいよ申し込み開始日がやってきました。この日は夕方からオーケストラの練習があったので、それが終わって帰宅したら申し込みをしようと思っていました。

 帰宅後、PCを起動すると自分のコラムにコメントが付いているのに気が付きました。誰だろうと思って見てみると……なんと、WACATEの実行委員会の方からでした! コメントの内容は、WACATEに興味があればぜひ参加してみてください、というお誘いの言葉でした。これは参加しないわけにはいきません。すぐにWACATEのサイトにアクセスし、参加申し込みをしました。

 申し込みの際、わたしがコラムニストであること、可能であればWACATEの内容をコラムに書きたいという旨を伝えたところ、快くOKがもらえました。改めて実行委員会のみなさんにこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います。

 それにしても、コラムを書いていなければ、実行委員会の方がわざわざ声をかけて下さることはなかったでしょう。「転職活動をする暇があったらブログを書け」ではないですが、こういうことって本当にあるのですね。ちょっと失礼かもしれませんが、「エンジニアライフ、恐るべし」と思ってしまいました。

■準備あれこれ

 さて、参加するとなると準備が必要です。

 WACATEでは、参加者全員が事前に「ポジションペーパー」と呼ばれるドキュメントを提出する必要があります。このポジションペーパーには、自己紹介のほか、参加への意気込みや議論したいこと、興味のあるテーマなどを書きます。これは他の参加者に自分のことを知ってもらうための大切なドキュメントです。参加申し込みから1週間以内に提出すること、とあったので、急いで作成して提出しました。

 そのほか、開催要項に記載されている「持ち物」も用意する必要があります。

 そのうちの1つが名刺です。会社員であるわたしはこういう場合にも会社の名刺を持っていくのが当たり前だと思っていました。わたしの会社では、名刺を作るためには稟議申請をしなくてはいけません。しかしいきなり申請しても怪しまれるのは目に見えていますから、まずは課長に事情を説明することにしました。

わたし:「課長、名刺を60枚ほど作りたいのですが」

課長:「なんで? 何に使うの?」

わたし:「そこは何も聞かずに……ってわけにはいきませんかね?」

課長:「いくわけないでしょ」

わたし:「やっぱり……では、本当のことをお話しましょう。WACATEというソフトウェアテストのワークショップ、まあ社外の勉強会みたいなものですが、それに参加するんです」

課長:「ほう」

わたし:「当日は本人確認や、『よろしければ名刺を』的な展開になったときのために名刺が必要なんです」

課長:「それって、個人で行くんだよね。会社の業務の一環でないと名刺作るにも稟議は下りないよ」

わたし:「やっぱりそうですか」

課長:「それに、会社の名刺を渡したら、相手は会社の電話番号やメールアドレスにアクセスしようとするよね」

わたし:「まあ、そうでしょうね」

課長:「そうなると、名刺渡した相手は会社の電話番号やメールアドレスにアクセスしてくるよね。その人と会社とのやりとりで、万が一トラブルがあったら第3バイオリンさんは責任取れるの?」

わたし:「取れません」

課長:「だよね。個人で参加するなら、第3バイオリンさんのプライベートな連絡先に直接アクセスできるようにしたほうがいいと思う。最近では個人の名刺を印刷してくれる業者さんもいるから、探してみなさい」

 会社員だからといって、いつでもどこでも会社の名刺を使えばいいわけじゃないんですね。というわけで、自宅の近所の印刷屋さんで名刺を注文しました。

 それから、予習のための書籍を購入しました。WACATEのサイトに「予習のためのおすすめ書籍」が掲載されていたので、その中から何冊かをピックアップして、近所の本屋さんで購入しました。

 こうしてわたしは、勉強会デビューに向けて順調に準備を始めました。しかし、そんなわたしに思いもよらぬ事態が待ち構えていました。

(後編に続く)

Comment(4)

コメント

ヒス

おはようございます。
初めまして。ヒスと申します。

コラムに対してのコメントありがとうございました。
仕事のせいにするのはなんとも言い難いのですが、
仕事が忙しく、ちょち余裕がありません(笑)
(誤字も直したいんですが。。^^;)

本当に、私は恵まれていたのだと、再度認識しました。
今、後輩らしい後輩はいないのですが、
昔教育をした後輩が成長しているのを聞いて
嬉しかったのを覚えています。・・・去年ぐらいですが。。

コラムに対するコメントではなくて申し訳ないのですが。。。

第3バイオリン

ヒスさん

コメントありがとうございます。

>コラムに対するコメントではなくて申し訳ないのですが。。。

いえいえ、とっても嬉しいです。

>本当に、私は恵まれていたのだと、再度認識しました。
>今、後輩らしい後輩はいないのですが、
>昔教育をした後輩が成長しているのを聞いて
>嬉しかったのを覚えています。・・・去年ぐらいですが。。

先輩から受け継いだものを後輩に伝えるって大切ですよね。
それがお世話になった先輩に対する一番の恩返しになるのかもしれません。

私は新人教育というのはまだ経験がありませんが、
それでも新人歓迎会で会ったときには半分学生のような、頼りない感じだった後輩たちが
1年くらい経った頃に社会人の顔、エンジニアの顔になっているのを見ると嬉しくなります。

森姫

こんばんは。森姫です。

すでに後半がアップされているのに(そして参加中なのを知っているのに)
前半へのコメントでごめんなさい。

名刺に関してのやりとりがとても新鮮でした。
なにげなく会社名刺とかだしますけど、
言われてみればたしかに問題ですよね。

私は個人名刺をつくって配ってます。(第3バイオリンさんとは違う理由からですけど)
会社の名刺だとやっぱり不都合でちゃうので・・・。(メールが受信できない。など)
配ってみたら、個人の方が動きやすいし、
こっちのほうがいいのかな?なんて思いますよ。

第3バイオリン

森姫さん

コメントありがとうございます。

今日戻ってきました。WACATE参加レポートは今週中に第1弾を出す予定です。

>会社の名刺だとやっぱり不都合でちゃうので・・・。(メールが受信できない。など)

後編のさとうかおりさんのコメントへのレスでも書きましたが、
私の会社は基本的に社内から社外へのアクセス、また社外から社内へのアクセスをブロックしています。
(社外といっても、親会社や一緒に開発をしている会社は別です)
だから、会社のメアドに連絡をくださっても対応できないのです。
対応できない連絡先を教えるというのは、あまりにも無責任だし、不誠実ですよね。

とはいえWACATEで名刺交換した方のほとんどは会社の名刺だったので、ちょっと驚きました(業務で来ている人はいなかったような)。
しかし中には「第3バイオリンさんのコラム見て自分も個人名刺作りました」と
おっしゃってくださった方もいました。なんだか嬉しいです。

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