海外IT企業で働いていた純日本人エンジニアがいろいろと考えてみる。

海外ITエンジニアのメリット

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 どうも、鹿島和郎(かしまかずお)です。突然ですが、海外でITエンジニアとして働くと何か良いことはあるのでしょうか。

 海外暮らしや海外勤務のメリット(とデメリット)に関しては、いくらでも情報があると思うので、「海外に住むと」でも「海外で働くと」でもなく、「海外でITエンジニアとして働くと」メリットは何かないか考えてみたいと思います。

 ってここまで書き始めて思いましたが、やっぱりITエンジニア限定だとハードルを上げすぎのような気もしてきました……。

■有名人のセミナー(アメリカ大都市限定か)

 日本は世界有数の先進国ですが、IT業界における地位はあまり高くないのか、それとも単に地理的に遠いせいなのかは分かりませんが、IT業界の有名人のセミナーとかイベントが日本は少ないような気がします。数えたわけではありませんが。

 こんなことを書いておきながら、わたし自身はどちらかというと引き籠もりなのであまりセミナーとかには行ったことはありません。しかし、よくメールマガジンとかでセミナーのお知らせは受け取っていました。

 というか、セミナーとかに限らず、IT関係はアメリカがやっぱり強いですよね。わたしが見たIT関係での一番の有名人はというと、C言語の作者の1人であるブライアン・カーニハンです!

 と言っても彼が教授をしているアメリカのプリンストン大学というとこでちらっと見かけただけですが……。

 日本でも島根県に行けばRuby作者のまつもとゆきひろさんに会える可能性はありますが、やっぱりK&RのKの方がMatzより有名人ってのに異論はないかと。

■日本より安く資格が取れる(場合もある)

 先日IT企業の社長さんと話をしていて、似たような話題になり、

 「ベンダ系資格とか安く取れたりしないの?」

 と聞かれたので、その日のうちに調べてみました。

 ベンダ系資格の値段のパターンとしては以下の3つがありました。

  • 全世界で一律。単一通貨建て($150固定など)
  • 全世界で大体同じ。複数通貨建て($150あるいは120ユーロなど)
  • 各国でけっこう値段が違う

 最後のパターンの場合は、運良く受験料が安い国(≒物価が安い国)に住んでいたら安く資格試験が受けられことになりますね。

 ただし、物価が安い国≒非先進国≒試験会場が少ない(あるいはまったくない)というデメリットもありますが。

■時差とかに慣れることができる??

 すみません。ここまで来ると、かなりこじつけのような気がしてきましたが、続けます。

 海外のソフトウェア・ツール・ライブラリ等々を使っていて

 「1文字≠1バイトだコノヤロー!!」

 と思ったことがないITエンジニアは少ないことと思います。

 仕方ありません。欧米人の大多数は、世の中の全ては26文字のアルファベット+αで表現できると思っています。というか、26文字+α以外の存在を意識せずに生活しています。

 でも、「欧米人って自分たちのことしか考えてないよなぁ」とか思ってしまうのは少し早いかもしれません。日本に住んでいるとマルチバイト文字は身近でも、逆に時差やサマータイム(北米などではデイライト・セービング・タイム=DST)などに無頓着になってしまいます。

 海外に住むとその辺りはかなり身近は話なので、ソフトの設計などでその辺を見落とすことも少なくなるのかも……。

 北米(の大部分)では2009/11/1 1:00ってのが2回存在したというのはご存じでしょうか。もちろん、北米の数億人がその時間帯に一斉にタイムマシンに乗って過去に遡って1:00を2回体験したわけではなく、2009/11/1 2:00に夏時間が終了して時計が1時間巻き戻るからです。

 さて、それに少し関連しますが、自分が以前関わっていたシステムでこんな事がありました。ちょっと単純化して話しますが、そのシステムではデータベースのテーブルに過去の為替レートを5分刻みで随時蓄積していて、そのテーブルは、

  1. 日時
  2. 為替コード(1:USドル→円、2:ユーロ→円、3:ポンド→円 etc.)

が主キーでした。

 もうピンと来たとは思いますが、ロケールを正しく設定しないでデータを投入しようとすると一意制約違反が発生する可能性があります。

 この辺は日本にいて日本のお客様相手のシステムに関わっているとなかなか経験することがないかもしれませんので、まぁ海外ITエンジニアのメリットかもしれません。……やっぱりこじつけですかね。

■え、英語は?

 なんか上の文を読んだだけだと、海外でITエンジニアとして働くメリットはあまりなさそうですね。あるいは、

 「海外でITエンジニアをしていれば、英語を普段から使ってるから、英語力もメリットなんじゃないの?」

 と思われた方もいるかもしれません。

 はい。確かにそうだと思います。ITエンジニアが英語ができるとどんなメリットがあるのかについては(多分)次回に書こうと思います。

 ではまた。

Comment(2)

コメント

小山

はじめまして。

コラムを拝読させていただきました。
ひとことで言えば、
「海外 IT エンジニアのメリットはほとんどない」
と考えていらっしゃる、ということですね (苦笑)

鹿島

小山さん、はじめまして。

コメントありがとうございます。

「海外に住む」、「海外で働く」メリットは色んな所で語られていると思うのでここでは敢えて書いていません。

海外ITエンジニア限定のメリットっていうと、労働環境が良いってのと英語力が付く(これもあまりITエンジニア限定ではありませんが)ってのを除くと、あとはあまりないですね。

英語に関しては次回に少し書こうと思ってます。労働環境に関しても機会があれば、と思ってます。

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