Lunarrが解散するらしい
Lunarrというサービスを提供する会社がアメリカのポートランドにありますが、6月末でその短い歴史に幕を下ろすそうです。残念です。
LunarrのCEO(社長)はサイボウズ創業者の高須賀氏でした。
お会いしたことがあるのですが、わたしが、もっとも影響を受けた社長の1人です。高須賀氏は間違いなく天才です。その高須賀氏ですら成功できなかったというのは、新しいものを創造するのは、本当に難しいことなんだと痛感せずにいられません。
起業するよりもやめる方が遥かに難しい。資金的に余裕はあるけれど清算してしまう(Lunarrは倒産ではなく清算です)なんて、これは相当にツライで決断です。
もちろん、ダメと思えば清算した方が良いのです。
しかし、いざやめるとなると、取引先や社員、その家族、自分の意地やプライド、その他もろもろの思いが綯い交ぜになって襲ってくる。それに耐えて決断をするというのは本当に大変なことで、多くの経営者が判断を誤ることになる。最後の足掻きで成功する人もいますから、さらに判断は難しい。
わたしには到底できないことで(すでに最後の足掻きモードだったり……)、そのツライ判断を素早くできるところが、本当に経営者として立派なところだと思います。
高須賀氏は、サイボウズの成功もあってか、目標をそれ以上において、最初からグローバル、世界一を狙うという戦略でした。それがきつかったのかもしれません。
弊社は高須賀氏の基準ではベンチャーではなくただの中小企業になるのですが(わたしも中小企業と思っている)、わたしは世界一を目指しているのではない。
「井の中の蛙大海をしらず、されど天の深さを知れリ」
後半は誰かの創作らしいが、わたしは大海で1番を目指す方ではなく、「井の中の蛙」でもよいので深く極めたい。1つの道を極めるというのは、自己満足になるかもしれないけれど、それでもわずかばかりは社会に貢献できると思います。
それはこっちにおいておいて、Lunarrというサービスについて。
わたしも早くからIDを貰ったのですが、結局使わずに終わってしまった。
使わなかった理由は、Lunarrはコラボレーションツールですから、わたしだけが使っても意味がない。わたしの説明が下手なのか、全員に使わせるというのは難しいと感じてしまった。それにLunarrを使わずとも、既存のアプリケーションにある程度満足している。
つまり、
(全員の)移行コストの高さ > Lunarrを使うベネフィット
とわたしの目には映ったのです。長期的には違うのでしょうけれど、短期的には「移行コストの高さ」がどうしても気になります。
翻って、わたしが言ってること、
「SQLを覚えましょうね」
「テーブル設計を後回しにしましょうね」
も、一般的に、移行コストがものすごく高く見えるのでしょう。それに問題はあるでしょうが、一応、すでに確立した手法で問題なくプロジェクトは終わる(こともある)。
「何年もSQLを書いてきてもこんなの書けないのに、ちょっとセミナーに出たぐらいで書けるわけない」。そう思うのも無理はないけれど……。
この壁は本当に高い。高須賀氏が超えられなかったのですから、わたしに超えられるはずもないか……。そんな弱気にならずに、どこまでもドン・キホーテのようにがんばって続けます。
高須賀氏の次のチャレンジにも期待してます。チャレンジしてないと死んじゃうぐらいアグレッシブな人だから、次はもっともっと大きいことをきっと成し遂げるでしょう。
5月15日にセミナーをやることになりました。http://www.g1sys.co.jp/
ごく基本的な部分から、テーブルファンクション・OLAP関数ぐらいまで説明します。
ご興味のある方はこちらまで ⇒ info@g1sys.co.jp